あとは校正と本文のデータ作りだけなのに、製本のやる気が低下している。
需要がないのはわかって始めていることなのにね。どうせ自分以外の誰の手にも渡ることがない本を、こんなに一生懸命つくってる意味はあるのか、と考えてすすまない。
昔出した一次創作本が在庫まるまる残ってるのもあるだろう。自信がないのだ。
いつだって自信はない。すごいものは作れない。技術力が稚拙で、大衆向けのものすらまともに作れない。
デザインはまだ、いいんだ。自分のとんがったアイデアを良しとする出来事があったから。そのおかげで仕事は大丈夫。
衣装の制作もまだいい。短期間だけやっていたブランドの製作物は、殆どがお嫁に行ったから。需要を満たせるものを提供できた。
成功体験は自信をくれる。
文章も、仕事で書いたものはそれなりにバズることがあったし、良い成績を産んだ。
小説はどうだ。二次では辛うじて殆どの本を捌いたが、ジャンル斜陽に合わせて在庫は増えた。所詮はジャンルの高下駄である。私の本が欲しかった人なんていたのだろうか。
きっとコロナで引きこもりすぎて、気が滅入っているのだ。
太陽を浴びたら元気になれる。そしたら自分のための本を作るのだ。