『おひとり様には慣れましたので。』が面白かった話

黑野羊
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インプットは漫画が多いのです。

昨日見つけた『おひとり様には慣れましたので。』がはちゃめちゃに面白かったんですよ。

内容としては、悪役令嬢や婚約破棄ものともまた違う、婚約者に構わず好きにやります系。

婚約者のケイオスに放置されすぎて、主人公のニコルが「もう一人でいいや」と開き直ったところ、周囲が大慌てで二人の仲を取りなそうとするお話。

よくあるパターンでは、婚約者が改心して主人公が惚れ直す、だけども、これはもう、痛快無比に主人公の心が変わらない。婚約者が慌てて、あれやこれやと手を尽くそうとするも「私のことはお気になさらず!」と笑顔でいるのが最高です。ざまぁみろ。

聖女ものだと『本当にすごいのは主人公でした』的な展開だけれど、これは特に主人公に特別なチカラがあるとか、そういうのはありません。すごくシンプルな、貴族の学生同志による恋愛のお話。

好きの反対は無関心というように、無関心になった人間の心を取り戻すのに周りが血相を変えて必死になる話なので、主人公と周囲の温度差もまた絶妙。

自分はもう「わかる」と赤べこのごとく主人公に感情移入できる経験があるので、……いやはや最高である。

最初に読んだのは漫画だったけれど、調べたらなろうが原作ということで、続きが気になって読んでしまいました。

原作小説は、ビックリするくらいシンプルで。文字を大量に食べるのが好きな人には物足りない文章だと思います(完結済みで2万字ちょいですし)

ただ話の展開はコミックとそう変わらなかったので、話が単純に面白ければ、シンプルな文章でも全然よいのだな、と思い知りました。面白い話を書けるようになりたいものだ。

原作を全部読んでも、最後までとても好みの話で終わったし、下手に改変されずにコミックになるようなら、紙で買うかもしれないくらいである。

良い出会いでした。

@0151_hitsuji
ひつじです。