アクキーを2つの印刷所でつくってみた

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アクキーを2か所の印刷所で作ってみたので、仕様のメモを兼ねていろいろ比較してみる。※今回入稿方法がそれぞれIllustrator、Photoshopと形式が違っており、私がなんも考えずプロファイルを合わせなかったせいで元データの時点で同じCMYKなのに色が違うため、印刷所同士の色味の比較はしません。

■Yousei印刷

【仕様】

カラーアクリル/フチあり印刷/グロス盛り(通常)。使用アクリルは左上:みかんいろ、右上:ほしぞら(あお)、左下:ねおんいろ(あか)、右下:しゅがー(ぴんく)※金具は別途楽天で購入したもの。リボンやお花やヘルメットの内側に色を載せず、アクリルの色味を生かすとかわいいのではないかと思いやってみた。主線以外にグロスを盛り、ぷっくりさせた。個人的には理想通りの加工が再現されていて満足。アクリルのねおんいろ(あか)はサイトに載っている見本より結構ピンク寄りだった。みんなが今想像した色よりもっとピンクだと思った方がいい。

Yousei印刷さんはPSDでもAiでもPNGでも入稿でき、CMYK、RGBどちらでもOK。今回はAi形式(パスデータ)、CMYKで入稿した。

こちらが元データの色味。IllustratorのCMYKだが、かなり色がくすんでいる。完成したほうはかなり色が鮮やかに出ている。今まで何度かYousei印刷さんを使ったことがあるが、体感色が鮮やかに出て、若干赤っぽくなり、黄色は薄くなるイメージ。

■TRINITY

【仕様】

透明アクリル/両打ち印刷(アクリルの裏と表両方から印刷するオプション)/オーバープリント(フチなし印刷のことです)/グロスコート。TRINITYさんもカラーアクリルがたくさんあってすごくかわいいけど、グロスコート加工ができるアクリルが限られている。なので今回は透明アクリルに背景色込みでカラーを乗せ、フチなし印刷をすることでまるでカラーアクリルに印刷しているように見えないか実験してみた。詳細は後で記載。

こちらは元データ。TRINITYさんはAiデータでは入稿できないため、Illustratorで作成したイラストをPhotoshopに持ってきて、PSDのCMYKで入稿した。元データは結構色が鮮やかだけど、完成品はだいぶ色の彩度が落ちている印象。写真だと分かりづらいけど、完成品の色味は↑に載せたYousei印刷さんに入稿したデータの色味にかなり近い。

■カラーアクリルとオーバープリントについて

Yousei印刷さんではカラーアクリルを使用し、TRINITYさんでは透明アクリルに背景色込みのデザインを印刷し、疑似的なカラーアクリルにしてみた。

←TRINITY Yousei印刷→

Yousei印刷さんの方はアクリル自体がオレンジ色のもの。TRINITYさんの方は透明アクリルの両面に背景色のオレンジ色を乗せている(両打ち印刷)。なぜ両打ち印刷にしたのかというと、以前試したことがあるが透明アクリルに色を乗せた程度では色が薄すぎてなんか想像と違う…となったことがあり、両面から同じ色を重ねることで発色をよくする狙いだった。実際思ったよりちゃんと発色していて満足。ただ、上記画像のように少し浮かせた状態で見るとやはりカラーアクリルの方がより発色がいい。光に透かした時の発色がかわいい。

↑横から見た図。カラーアクリルと透明アクリルの違いがよくわかる。

透明アクリルのメリットがこれ!デザイン内に背景色を含むため、グラデーションなどの複雑な色が再現可能。カラーアクリルだと既存の色からしか選べないが、透明アクリルに背景色を乗せる方法だと自分の好きな色で疑似カラーアクリルを再現できる。またTRINITYさんは白版のフチなし印刷が可能なので、フチいっぱいまで不透明な絵柄を入れることができる。たとえば模様とかを印刷するとめちゃくちゃかわいくなるのでは…!?

余談だけど、TRINITYさんでカラーアクリル/グロスコートの併用ができないのは、カラーアクリルを使用するときに使う定着材とグロスを同じ印刷機で使うことができないからとのこと。印刷に詳しい知り合いからも聞いたけど、透明アクリルには定着材が不要(?)で、カラーアクリルには必要なため、定着材が印刷機の薬剤やインク等を入れる部分のロット数を1つ埋めてしまい、グロス剤を入れる場所がなくなってしまう(?)からだそう。大体どこもこういう仕様なので、カラーアクリルにグロス加工ができる印刷所はだいぶ珍しいらしい。(聞きかじった情報のため正しくない可能性あり)

■グロスについて

←TRINITY Yousei印刷→

TRINITYさんのグロスコートは厚みがなく、Yousei印刷さんのグロス盛りは厚みがありぷっくりしている。TRINITYさんのグロスコートは印刷面を保護する目的のもので、Yousei印刷さんのようなぷっくりするグロスはポッティング加工に近い。どちらもグロスを乗せる部分は自由に指定できる。

■パスデータと画像データの違い

←TRINITY(画像入稿) Yousei印刷(パス入稿)→

元のイラストはIllustratorのパスで作成。Yousei印刷さんはai形式の入稿が可能なためパスデータで入稿。TRINITYさんはai形式不可のためパスイラストを画像に変換し、PSD形式で入稿した。黒い主線の周りを見ると分かりやすいが、やはり画像形式だと解像度が発生してしまい印刷が少しにじんでいる。パスデータで入稿したほうは印刷がはっきりしている。これはデータ形式の問題であり、印刷所の違いはあまりないんじゃないかと思う。今までやったことがないのでわからないけど、Yousei印刷さんも画像データの入稿だと少しにじみが出るのではないかと思う。

■白版

←TRINITY Yousei印刷→

TRINITYさんの白版は若干薄く、裏面が結構透けている。Yousei印刷さんの白版は透けが少なく、白色がくっきりとした色で出る。

←TRINITY Yousei印刷→

TRINITYさんのすごいところは、白版の不透明度が変更できるところ。ヘルメット上部をみてもらうと分かるが、半透明の白色が乗っている。Yousei印刷さんの白版の透明度は100%で固定なので、このような半透明の表現はできない。

以上、メモ程度ですがアクリル作品の制作検討をしている人の役に少しでも立つといいな~。今回TRINITYさんを使うのは初めてで、透明アクリルを使ってみたけど、TRINITYさんは特殊なアクリルがたくさんあるのでいつか特殊アクリルのアクキーを作ってみたいな。箔押しできるのもすごい…。Yousei印刷さんの方でまた新しいアクキーを注文済みなので届くのが楽しみ!ここ最近アクキーを作りたい欲がすごいので今後ももっと作っていきたい。