人生はポイントカード

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そろそろ真面目な日記を書いてもいいんじゃないかと思って、今これを描いている。 ちなみに今日は大外れの日で、割引ポケモンパンがないどころかポケモンパンそのものの在庫がなくなっていた。

それで、人生はポイントカードとはどういうことかというと、ポイントカードはいつ作るべきかわからないということだ。ある程度の期間通っているドラッグストアでポイントカードの有無を聞かれるたび、俺は迷ってしまう。

もしポイントカードを作ってしまったら今までの利用で無駄になったポイントがチラついてなんか損した気分になり、もしポイントカードを作らなかったら今日以降の利用のポイントが無駄になる。 過去と未来の天秤が、あの薄っぺらいドラッグストアのポイントカードによって俺の目の前に現れる。

約一年、俺は過去を選んでいた。これからどれだけ使うかわからない未来より、どれだけ使ったかの実感がある過去の方が、俺にとっては重い気がしたから。でも、この前思い立って未来を選んでみた。

簡素な手続きで、俺はついに過去と決別することができた。

それ以来、いつもの買い物でどんどんたまっていくポイントを見るたびに、「あ、これって人生だな」と思う。

人は形なく、見通すことのできない未来を恐れ過去に縋るが、過去も記憶という曖昧な概念によって作り出された形なき虚ろにすぎない。俺はそんなちっぽけなものに縛られ続け、気づけば多くのものを無駄にしてきた。 結局、自分が生きることができるのは「いま」だけで過去や未来に自分はいない。

決断するのはいつだって「いま」でなくてはいけない。 ポイントカードはそれを教えてくれた。ポイントカードはどんな人間でも確実に成功する挑戦。こういう小さな成功体験を積み重ねて、俺はやっと大人になっていけるのかもしれない。