地元に帰ってきてはじめてのゴールデンウイーク。特に何もやることない……と思っていたのだけど意外と動いていた。大学の授業の進捗が悪いのでゴールデンウイークで取り戻したり(ようやくオンスケになった)、季節が変わることに伴って、洗っておきたい衣類や寝具を洗ったり。
それと、ン年ぶりに大型連休中に実家に帰った。特に何をするというわけでもなく、ぼーっとテレビを見たり、ご飯食べたり、庭仕事の真似事をしたりしたくらいなのだが。これまでは、連休中に実家に帰ったらお金がいくらあっても足りないわ、空港の混雑に巻き込まれてえらい目にあうわ、という状況だったので、意図的にそういうシーズンを避けて帰っていた。そうこうしていたらコロナになって、なかなか帰りづらくなってしまった。そんな状況がしばらく続いて、どうにか移動ができるようになったなー、と思っていたら、家族に色々あって、これ以上家族のことで後悔したくないと思って地元に戻った、という状況で。
そういうことを考えると、悪くない連休だったような気がする。今まで家族をほったらかしていた(?)のを、もう少し密に交流するようになったのだから。……とはいえ、一大事があってからこういうことをしているのはどうなのかという気はちょっとする。しかし、後悔先に立たずともいうので仕方がない気もする。気付いたときには大体やらかしている。
地元を出る前は地元のことがあまり好きではなかった。さっさと出ていって都会で過ごすんだよ、と思って出て行った。そして大阪や東京で過ごしていたのだが、気付いたら地元に戻ってきている。まあ正直、今でも好きじゃないところはあるし、もうちょっとどうにかしろよって思うところも、それなりにある。交通状況とか。けれど歳を取って、都会を少し経験してから帰ってきてみると、意外と悪くないところもあるなと思うようになった。たとえば、私の行った飲み屋のオーナーさんがみんな優しくていい人だったり面白い人だったりするところとか(これは大阪に住んでいるときも同様だったか)、人との物理的な距離が都会のそれよりだいぶ広いところとか(もう満員電車に乗れる気がしない)、ご飯が美味しいところとか(お魚が特に美味しい)。それと、インバウンド需要とは縁遠いところもいい。たしかに観光地や商業施設はそれなりに混んでいるけれど、オーバーツーリズムなんてものとは明らかに縁遠い。観光産業はそりゃ重要なのだが、なにごともやりすぎはよくないよね、という話。
モノがすぐ手に入らないことがあるのは地方のデメリットかもしれない。何か欲しいものがあってこちらのお店で取り扱いがなくても、ネットで注文して数日待てば届くのも、ありがたい。本は本屋さんで注文するなり、ネットで注文するなりすれば、これもやっぱり数日以内に届く。それに、電子書籍で買い集めている本であれば発売日当日に読むことが出来る。たしかに物理的なモノを手に取るまでには、これまでより時間が掛かるようになったけど、よく考えてみたらそんな急いで必要なものってそんなにないのでは、という気がしている。ただ、その便利さの裏には色々あるってのは、おそらくその通りなのだろうけど。2024年問題とか。通販が無いとなかなか厳しいのは確かなので、せめてまとめ買いをしよう、その方が段ボール捨てる頻度も減るし……と思って、本当にすぐ必要なもの以外は週1程度でまとめて発注するようにしている。あと、再配達せずに済むような時間に届けてもらうようにしている。
テレビのチャンネル数が都市圏より圧倒的に少ないのも、地方のデメリットというかどうにかならないかなと思っていることのひとつである。都会に出てテレビを買って、バラエティ番組が本来放送されるタイミングで放送されているのをみて、ちょっとショックだったのだ。とはいえ、私はもともとNHKばっかり見てたからそんなに問題ない(NHKオンデマンドに登録してる位にはNHKを見ている)し、アニメやドラマはもともとサブスクで見てたからこれもやはり問題にならなかった。
……などなどと考えると、私が以前暮らしていた時よりは随分と過ごしやすくなったような気はする。サブスクなんてなかったし、通販ももうちょっと使いにくかったような気がしていて。
困ることといえば、お芝居やライブ、展示会などに行きにくくなったことか。でもまあこれも、本当に行きたかったら大枚はたいてでも行くだけなので。あと交通事情がなあ……と思うのだけど、これは本当にわりとどうしようもない気がする。事業者は、採算が取れなければわざわざやらないのだから。赤字垂れ流してでもやる、なんてのは相当のことがなきゃできないだろう。自治体の努力にも限度があるだろうし。詳しくはないけれど。
こちらは都会とはまた違う時間が流れているなあとも思う。よく言えばのんびりしている、悪く言えばゆるすぎるというか、ちんたらしているというか。コミュニケーションの取り方にもなんとなくそういうことが反映されている、ような気がする。その時間感覚や空気感に浸されていると、リモートワークで仕事をしている時も若干のんびりしそうになってしまう。きっとこれは都会とは違う時間が流れているから、なのだろうなと思って。で、この感覚が掴みきれないまま、都会の論理ややり方を持ち込んでも、いろいろ上手くいかないかもなー、という気がする。これは仕事に限らないかもしれない。とはいえ、この感覚を会得した後も、完全にそれに浸っていないのであれば、少し感覚がずれている、ということを認識した上で、なんとかチューニングしながら関わっていかないと、やはりうまくいかないのだろう。要するにこっちのやり方を押し付けてはならない、お互いうまくやろう、ってことなのだが。郷に入ってはなんとやら、という諺がある通りで。まあ正直いまだ掴みきれてないのであんまり動けないなー、と思う。そもそも動く日が来るのか怪しいのだけど。正直、家族の一大事以降、いろんなやる気が若干尽きつつあるので。仕事は楽しいけれど、それ以外がちょっとね。やる気パワー、いつ戻ってくるのだろうか。筋トレでもすべきなのか。
いわゆるJターンからのUターンをキメたわけだが、今後またどこかにフラフラ出ていくかもしれないし、このまま定住するかもしれない。まあなんにせよ、文句を言われない程度に好きに過ごしていけたらいいな、と思ったゴールデンウィークであった。