了巷説百物語読んだ(ネタバレあり)

111strokes111
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公開:2024/6/27

又市たちの卒コンに京極堂のご先祖さまが絡んだ話でした。後巷説百物語と矛盾させないためなのか百介が全然出てこない。読者が又市と会えるのは終盤もいいところで裏話はいくらでも書けそう。

絡新婦の犯人と今回の黒幕のやり口が少し似ていたのでこれだよ!と思いながら読んでいました。

革命を起こすより赤ん坊間引く方が楽だから屋台骨の腐った社会が続行していく件は正常性バイアスやコンコルド効果というやつでしょうか。とにかくこんなの嫌だ、と表明するぶっ叩かれるのは今も昔も変わらないのかもしれません。

別件なんですが田中芳樹が「グループ課題の時に辞書を忘れた隣のグループに辞書を貸してやると隣のグループの出す物のクオリティが上がるから貸すのは良くない、という子供にどんな言葉をかけるべきか」という問題に対して「蝋燭の火だと思えばいい。隣の蝋燭に火を分けてやってもこちらの蝋燭が消えるわけではないし、より明るくなっていい」と答えていたのが本当に好きで、今回の卒コンで京極堂のご先祖が「この社会にいらない人間はいない。他人との薄い縁を大切にしたい」と言っていたことと私の中では何となく重なりました。

他人との薄い縁、は作品の大オチに掛かってくることもあり私も誰かにとっての善きサマリア人でありたいなと深く感じました。DNAにこだわりすぎて狂ったキャラが悪役に、ってあるあるだもんなあ……。

@111strokes111
だからなんだ?ということを書くような気がします。