シェアメイトと人生について話していた時にこの質問をされたが、何と答えれば良いのか分からなかった。とりあえず「特に自分に期待もしていないから失望することもない。disappointedというよりdepressedな感情は小さい頃からあった」と答えた。
シェアメイトはスロヴァキア出身でイギリスの良い大学を出たあと日本に来て就職したが上手くいかず人生の行き詰まりを感じているそうだ。彼女は常に上を目指す性格で、現実と真っ向面から向かい合いそのたびに打ちひしがれていると言っていた。
私は逃げることに意識を持って行くが、彼女は向き合うことに意識を持って行くようで話していてなるほどな〜と思うことが多かった。
私が外国語を積極的に身につけようとしたのは、母語以外を話している自分がここに在る自分と隔絶、つまり現実から逃げることが出来ると感じたからだと思う。
英語を話している自分、中国語を話している自分は日本語を話している自分とは違う。まず使える言葉の数が少ないので状況説明するにしても大まかなことしか話せない。そして良い悪い、好き嫌いと言った二元論で語ることが多い。また、母語以外を話している時は、大体日本人以外の人間と話している状況が多いので、日本人からの視点を求められることが多く個人的な意見よりもニュートラルな感覚を探して答える。
私よりも少し曖昧な、でも私に近い人間として話すことが出来るのは心地が良い。
そういうことを考えていると伝えてみようと思ったが、多言語話者が当たり前の国では特にこういう感覚はないのかもしれないと思い、言うのをやめた。