恵まれているということは何なのか考える
小さい頃から祖母は私に対して「おまえは恵まれている」と言っていた。他の従兄弟に比べて旅行に行けるし習い事も出来ているから恵まれていると言っていた。要は経済的に恵まれているということだったのだと思う。
それから実家を出て、地元を出て、自分が知ってる世界の外を生きている人間にたくさん出会った。どの人も私よりも恵まれているように感じた。
久しぶりに祖母に会ったとき「おまえは留学させてもらえて、東京に住んで恵まれている」と言っていた。他の従兄弟は地元から一度も出ずに就職し、地元で働いていた。
私の家族に何があったのか分かっていてまだそんなことを言っているのかとあきれたが、おそらく祖母はこの狭い世界から抜け出したかったのだろう。それが一番の望みだったのだろう。
恵まれているという感覚は自分の尺度で測るものだ。そして必ず他者と比べる必要がある。「お前は恵まれている。」そうかもしれないしそうでもない。