うのさんのこと(メモ)

Kamiyama-6hito
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宇野常寛が小説を出すらしい。帯文が内容でなく宇野さんについてのコメントなのは、まぁ著名人小説デビューだもんな。という気持ちはあるものの。「地方都市で起こった謎の事件をめぐる高校生たちのひと夏の冒険譚」ということなので、青春批評家見習い、もといジュブナイル読みの僕の期待するものである。

しかし、心配もある。宇野常寛の書きぶりは排他的なのである。『水曜日は働かない』にしても『2020年代の想像力』にしても、読み手はある程度宇野さんを知っている人を想定しているのであろう。その中でサラリーマンの一般像や、インターネットで右往左往することを非難するのは構わない。しかし、『ひとりあそびの教科書』という中高生向け(小中学生向けの文体では?)の本でも同様に批判していた。

もちろん、一定の正しさは認める。一方で、読み手自身あるいは読み手の親兄弟が、批判の対象になっていることをわかっているのだろうか。もっというと、ヒトとのコミュニケーションではなくモノ自体を愛でることで、孤独でいられる能力を育てるという方向性はわかるが、孤独を促進することや、世間に対して逆張りすることとは別軸の話だと思う。モノ自体、誰かが働いて作られるものだという視点が抜け落ちているのではないだろうか。

こういう心配を抱えながら、小説を待っている。ちゃんと、批評で回答を書こうと思う。

@1236dominion
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