新千歳空港の攻略方法をお伝えします。
まず、満遍なく新千歳空港を楽しむならば、軽食を抜きにして2食は食べたほうがよいです。このおたよりはany%でRTAしたい方向けではありません。2食となると、旅の終わりに新千歳空港を出るときにすべてを回るとすれば、空港到着時即食事(ランチ)、加えて空港出発前に食べる(ディナー)として4−5時間は滞在に必要となります。このボリューム感をもって、ひとびとは北海道旅行のラストダンジョンと言ったりもしますが、その発想が躓きです。新千歳空港は始まりの町であり、終わりの城でもある、つまり着陸と離陸の2度訪れる場所として捉え直す必要があります。
それを踏まえて、着陸時と離陸時、どちらでどれくらいの時間、空港に滞在できるか検討しましょう。計5時間の配分を考えると、最終日の離陸前に長時間滞在するよりは、到着してから空港をぐるっと回り、1食とったのち空港を離れ、旅行最終日に改めて2食と帰ってから食べたいものを買ったりするのがベターな攻略法。もっとも、最終日の宿を空港に付随するホテルにするという手段もあるので、こちらを採用すれば時間を気にせず空港ダンジョンを掘り進めることもできますが。
ちなみに、通過点としての新千歳空港であれば、着陸時は手荷物回収をしてしまえば即座にJRなり高速バスなりの二次交通へゆけます。離陸時も、空港に到着してから30分あれば手荷物預かりと保安検査を突破できます。つまり、いろいろ加味して到着は離陸の1時間前、が目安です。出発便の重なり具合によって航空会社のカウンターや保安検査場も並ぶため、カツカツなスケジュールはおすすめしません。今後、冬に入るとJRや高速バス含め、交通機関が乱れることもあるため、余裕をもったスケジュールを組んだほうが良いと思います。
新千歳空港の物販・飲食店さまざまありますが、選択肢を多く持ちたいのであれば9時-19時の間で過ごすのがおすすめ。飲食店はスタートが11時だったりしますが、お土産店や軽食系は10時くらいには概ねオープンしています。この時間帯を目指して空港に着きましょう。
旅行で買ったり食べたりするものが、北海道限定なのか、新千歳空港限定なのかどうかということを軸にして攻略を組み立てます。たとえば、白い恋人でおなじみの石屋製菓や、マルセイバターサンドでおなじみの六花亭はそれぞれ空港外限定の商品を旅行先各地のショップに置いていたりします。新千歳空港に到着後、向かう先が小樽なのか、札幌なのか、富良野なのか、そこで手に入らないものは空港で、それ以外のものは旅先で買うというのが鉄則。当たり前のことかもしれませんが、新千歳空港にあるショップは飲食物販エンタメ施設含めて200店舗弱。まさか全部のショップで買い物などはしませんが、単なる総合土産店だけではなく、菓子メーカーが専門店を置いているため、いろんな店舗を回ってしまうことになります。
☆☆大事なのは「空港滞在時間は搭乗手続含めて5時間程度必要」「軽食を除いて2食は食べたい」「店舗がオープンしている時間に滞在せよ」「空港限定・空港外限定を見抜け」の4点。これを踏まえて、プランを提案します。
空港攻略プラン・旅行初日 新千歳9時30分着さて!空港につきました、多くの人はまっすぐ札幌ゆきのJRに向かうでしょう。早朝便だったり、これからすぐ出先の予定があるなら向かっていいです。ただ、すぐ行くとしても、ローソンには寄ってください、北海道限定のものがあったりします。到着してから最後まで、なるべく北海道のものを食べるぞ!という気持ちで食べたり飲んだり買ったりしましょう。多少の余裕があるならば、国内線二階のショッピングエリアに向かいます!理想はランチまでをここで過ごすことですが、少なくともソフトクリームの一本と、何かあった時に食べるちょっとしたスナックを買っていきましょう。おすすめソフトクリームは「北菓楼」か「よつ葉ホワイトコージ」。大行列ができている「きのとや」は牛乳感が強く、すぐ溶けてしまうという部分でゆっくり味わえないと思っているので、どちらかをファーストソフトクリームにしてみてください。
ここで、時間がなくてJRなどに乗る場合は適当な総合土産店でCalbeeの「燻じゃが」という堅揚げポテトを燻製したものを買っていきましょう。値上がりしてしまい、小さい袋ながら200円くらいしますが、美味いです。あまり嵩張らないし、移動中やちょっとしたブレイクタイムに、小さめな北海道限定お菓子を楽しめます。すこし時間があるなら、3階に上がり展望デッキから飛行機を眺めたりしてみてください。いまは滑走路を挟んで向かい側で、国策としてラピダスの国産半導体回路をつくる大工場の工事風景がみられます。また、国際線の方に向かう連絡施設でロイズの工場見学ができますが、ロイズの工場があるエリアでは、通常のお土産サイズよりも小さくて手軽なものがあるので、こちらで買ってみてもよいです。ランチまでここにいられるのであれば、北海道ラーメン道場というラーメン屋が複数並ぶエリアの奥の方にある「札幌飛燕」がおすすめ。塩ラーメンのお店ですので、今夜すすきので味噌ラーメンを食べたりする予定があってもベクトルが被りません。移動中にお昼を済ませようと思っている方は、2階に戻り「鮭の丸亀」という円山に本店を構える鮭加工品のお店で、握りたておにぎりを買ってください。おすすめは鮭まぶし、鮭ぶしおかか。オーソドックスな組み合わせだからこそ、美味しさがわかると思います。
基本的に北海道では奇を衒った創作料理的なものよりも、直球ドストレートな食材の組み合わせのものが、パワーを感じられます。ここまでの食べ歩きで、北海道到着時のミニマムな空港内観光ができています。前述した「北菓楼」「鮭の丸亀」はともにショッピングエリアの奥の方にあるので、道すがら他の店にも目移りすると思います。気になる場所は入ってみて、どこの地域の店なのか(今回の旅で行くとこか?全く関係ないとこか?)などをみながら、帰りの空港周回ルートを考えてもよいでしょう。というわけで、このあとはJRなり高速バスなりレンタカーなりで、目的地に向かいます。
あ!新千歳空港攻略の基本的な考え方としては、一階は中央部が改修の影響で分断されていたり、駐車場や国際線へも直行できない形になっていますので、2階の移動を軸にすると様々なところへ行きやすくなります。迷子になったら2階にいってマップを確認したり、インフォメーションを訪ねてみたりしてください。
では、帰りについて。旅行最終日は
・新千歳20時30分発と設定します。
但し新千歳空港は保安検査場通過後も飲食店があるため、少し余裕を見て
・保安検査場通過 19時30分を目指します。
ここから逆算すると、19時にはディナーを終えておきたい。なら、遅くとも18時には夜ご飯のお店を目指すかな。となると、買い物などを考えると17時頃に新千歳空港に着いておきたいですね。ということで、
・新千歳空港着 17時とします。
空港についたらまずショッピングと行きましょう。初日の下見と、今回の旅の内容を踏まえて、お店を選択していきます。いろいろな選択肢があると思いますが、行っておきたいお店としては「もりもと」「HOKKAIDO FRUITS 耕人舎」「知床三左ヱ門本舗」をおすすめします。「もりもと」は本店が千歳にあり、札幌市内に店舗を構えておりますが、観光客向けというよりは地元志向の菓子店です。ここでは「ハスカップジュエリー」を確保しましょう。ハスカップと呼ばれるアセロラ的な果実を使ったプチケーキで、少々値は張りますが甘味と酸味のバランスがよく、昼間のおやつとしてはもちろんのこと、ウイスキーなどに合わせてもよいレベルのお菓子です。「HOKKAIDO FRUITS 耕人舎」は空港内で唯一、北海道各地のフルーツや果実酒などを扱っている専門店。食べ歩き用にカットフルーツを買えたり、「余市リキュールファクトリー」というフルーツを農園レベルでこだわって製造しているブランドのリキュールがあるので、旬のフルーツのリキュールを買ってみましょう。「知床三左ヱ門本舗」は鮭ぶしを中心に知床の乾物を扱うお店。初日に行った「鮭の丸亀」の隣のお店です。色々ありますが、シンプルに鮭ぶしを買ってみます。鰹節がイノシン酸中心の旨味を出すのに対し、鮭ぶしはグルタミン酸中心の旨味旨味を出します。つまり、鰹節と鮭ぶしの合わせ出汁は旨味の相乗効果を生む最強の出汁になります。これから鍋の季節にもなりますし、普段の味噌汁などに使ってもいいと思いますのでぜひお試しください。
そのほか、運が良ければ札幌市内では即完売でなかなか買えない「生ノースマン」が「千秋庵」やいくつかの総合土産店で買えるかもしれないので、甘いものが好きなら探してみるのもいいかもしれません。
買い物を終えたら3階に上がってディナーです。色々なお店がありますが、今回は函館に本店をもつ「五島軒」にゆきます。空港の五島軒は、道内のほかの店舗と異なり、カレーうどんが食べられます。牛スープとトマト風鶏スープの両方を食べ比べできるセットがありますので、ここで新千歳空港限定の味を満喫しましょう。もちろん、松尾ジンギスカンの店舗に行ってみたり、豚丼や回転寿司、バーで流氷ハイボール楽しんでもいいと思います。この旅行で食べれなかったものがあれば、空港で食べてしまいましょう!
そんなこんなで保安検査場を抜けたあと、時間があれば搭乗待合室内を歩き回ってみましょう。ANA側(滑走路に向かって左)には、立ち食いの寿司屋があったり、待合室内限定のシュークリームを用意しているお店もあります。食べてばかりで大変ですが、余裕があれば離陸直前まで余すことなく過ごしてみてください。雪印パーラーのアイスクリームも食べられますよ!
ということで、到着後即空港観光!というのは、あまり他の空港ではないことかもしれませんが、こと新千歳空港では片道だけで満喫することは、特に初見だと難しいので、ゆったりとした旅程を組める方はぜひお試しください。新千歳空港攻略プラン、食べ物中心に紹介しましたが、少し早い時間に到着すれば、国内線4階にある温泉でフライト前にリフレッシュできたり、連絡施設3階にあるサンリオやドラえもんのちょっとしたテーマパークに行ってみたり、弧を描いた国内線ターミナルと、直線的につくられた国際線ターミナルの建物を比較してみたり、空港内の美術品を見て回ったりと、色々な楽しみ方ができると思います。
最後に、改めてプランにないものも含めた、おすすめ商品のリストアップをしてお別れです。軽食類は時間帯によっては売り切れもありえますので、ご留意ください。
空港内マストバイ
・総合土産店:燻じゃが
・HOKKAIDO FRUITS 耕人舎:余市フルーツリキュール
・千秋庵:生ノースマン
・もりもと:ハスカップジュエリー
・出塚水産:かまぼこ(オーソドックスなものも、創作系も美味いよ)
・知床三左ヱ門本舗:鮭ぶし”華ふぶき”
・北海道牛乳カステラ:カステラロール(販売時間限定品です)
空港内軽食
・ルタオ:ムースフロマージュパルフェ
・ルタオショコラティエ:ブラウニーバトンパイ
・北菓楼:ソフトクリーム
・よつ葉ホワイトコージ:ソフトクリーム
・鮭の丸亀:おにぎり(鮭まぶし、鮭XO醤など)
・北海道牛乳カステラ:カステラセット(併設カフェ)
空港内グルメ
・札幌飛燕:塩ラーメン
・五島軒:カレーうどん
・ジアス:エゾシカカレー・札幌シーフーズ(物販エリア):立ち食い寿司
空港外マストバイ・グルメ
・六花亭:マルセイバターケーキ(くるみ)、喫茶室
・石屋製菓:アイガトー、直営カフェのパフェ類
・スープカレー類全般(空港内はあんまり……)
・回転寿司(なごやか亭、トリトン、根室花まる)