2024年4月10日

128lock
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応募した会社、ふたつとも書類で落ちた。ぐぅ〜あ〜う〜。ひとしきり泣いてから、とりあえず気になっている他の会社に応募しようと少し作業をした。わたしの中に「私には何もない!」と泣き叫んでいた鈴愛と「経験もないのに自信もなかったら何もできない」と高らかに言っていた義経の両者がいる。両者がわたしの中を駆け回っている。どちらもNHKのドラマの登場人物であるが、前者(鈴愛:永野芽郁)は、実際に作品を見ていたわけではなく当時Twitterに流れてきた画像に共感し、前後の文脈を知らないにもかかわらず、ずっとわたしの中にいる。後者(源義経:菅田将暉)は、台詞を聞いたときに「なんだこれかっこよすぎる……」となり、何か新しいことを始めるときに思い返すようにしている。相反する二人の他にも、ニート万歳!と言わんばかりにニートの曲を作る満(生田斗真)や「我は高等遊民也」と部屋に掲げる谷口巧(長谷川博己)もわたしの中に存在し、その比率は概ね無職である自分を肯定してくれるようなキャラクターが多い。つくづく、わたしはエンターテイメントに生かされてきているな、と思う。

それはともかく、今日はずっと本を読んでいた。最近はずっと本を読んでいる。先日好きな本屋に行ったが、何も心ときめかず、一体これは……と不安に思っていたけれど、きっと一時的なものであろう。自宅にはまだ読まれていない本たちが宝の山のようになっており、それらを大事に大事に味わっていこう、という思いが今は強いのだ(ということにしている)。ここ最近の自分の傾向として、エッセイ・哲学・短歌・日記・フェミニズム関連の本が多い。つい先ほど読み終わった小原晩さんの「これが生活なのかしらん」は、本当によかった。小原さんの書く文章は、小原さんの生活がゆらゆらと目の前に浮かびあがってくるような感覚。そして自分の生活の解像度が上がる。わたしもこんなふうに生活のことを書けるようになりたいと思った。発売記念のイベントで(たしか)伊藤紺さんが、小原さんのことを「心は繊細なのに魂はずぶとい」と話していて、言い得て妙とはこのことだなと。わたしもどちらかとそういうタチなので(一緒にするのは失礼かもしれない)、だから小原さんの文章が好きなのだなと思った。ついでに、サイン会のときに「今度の文フリで日記本を出すんです!」と伝えたら「え〜!知らせて!」と言ってくださったことを思い出した。結局勇気も自信もなくて言えなかったな。でも、わたしもどのような形でもいいから、何かをこうやって書き残していきたいなと改めて、強く、思ったのだった。