4月23日(火曜日) 連絡の有無について考えた。信じたいのに信じられない気持ちになること、そもそも信用とは何なのか、誠実さとは。頭がぐっちゃぐちゃである。暇だからそういうことを考えてしまう。考えていても仕方がないので図書館で借りた川端康成の「眠れる美女」を読む。夕方に友人と飲みに行く。おばんざい系の飲み屋、すごく美味しかった。見つけたわたしは天才。最近はあまり食べられなかったのに、今日は珍しくたくさん食べた。里芋煮や白和え、ブロッコリーの卵とじなど、野菜中心のやさしいおかずばかりだったからか。調子に乗って日本酒もぐいっと飲んでしまった。気仙沼の福宿が特に美味しかった。でも少しだけ頭が痛い。〆のごはんはなかったので、帰る前にまいばすけっとでおにぎりとなめこの味噌汁を買って、家でこっそり食べた。満足。リアルタイムで「滅相も無い」第二話を観た。初恋の話だったので、「パストライブス/再会」のことを思い出した。寝る前にえっちゃんの新譜を聴いた。これからじっくり聴いていこうと思う。
4月24日(水曜日) 山下敦弘監督特集をしていたので早稲田松竹へ。「リンダリンダリンダ」と「カラオケ行こ!」の二本立てを観る。「リンダリンダリンダ」は中学生の頃に初めて観て、何度もレンタルするなら買ってしまえ!と思い、今はなき地元のTSUTAYAでDVDを買った作品だ。これに憧れて高校最後の文化祭で無理やりバンドを組んで演奏をした。懐かしい記憶。他にもいろんな思い入れがある。久しぶりに、かつ、初めてスクリーンで観たけれど、グッとくるものがあった。本来交わることのなかった四人(三人と一人)が文化祭の三日間を一緒に過ごす。別に演奏もたいして上手いとは言えないだろうし、これがきっかけでさらに何かが起こるとかそういう話ではないけれど、あの三日間は濃密で、きっとふとしたときに思い出す、みたいな。青春、と言ってしまえばそれまでの話だが、キラキラした高校生活!というより、ゆるやかな日々の延長線上に文化祭があって、バンドがあって、それが終わればまた元の生活に戻るだけ、でもそれはかけがえのない時間であった、みたいな。自分の言葉でうまく表現できない、もどかしい。二本目の「カラオケ行こ!」でも似たようなことを感じた。綾野剛が狂児だと……?と最初はあまり納得していなかったが、観終わったあとに「綾野剛すごい……」になった。原作の世界観を残しつつ、映画として仕上がっていて安心した。さすがだ。じんわりとした余韻を抱えつつ、劇場を出た。
4月25日(木曜日) 面接前日なのでひたすらソワソワしていた。インスタのストーリーに大河ドラマの源義経の言葉と面接であることを載せたら、元同期からリアクションが来た。「〇〇さんが小林に働きに来ないか〜って言っといてって言われたよ笑」と書いてあって、くすぐったいようなうれしい気持ちになった。辞めてから数年経っているし、外部の技術さんなのにそんなふうに言ってもらえるのはありがたいことだ。それを緊張している自分に送ってくれた元同期にもありがとうの気持ち。わたしの一生懸命さは伝わると信じたい。自分で言うなよ、という感じではあるが。夜は面接練習。恋人に付き合ってもらった。恋人なのに緊張するのは何なんだろう、むしろ余計に緊張するような。質問をされている途中で、ああ、全然うまく話せていない、だめだこれは……と顔に出てしまったが、何とか後半立て直した(はず)。練習後に、ダメだった、もっと考えなきゃ云々……と一方的に話してしまったので、あまり感想を聞けなかった。でも詰めが甘いところがはっきりして助かった。ここで恥を晒したほうがいい。シャワーを浴びながら、明日話すことを何度も繰り返す。これは一次面接の前もそうだったが、なぜか風呂場が捗る。勢いと元気は出せるはず、頑張ろう、明日は暑くなるようだ。
4月26日(金曜日) 面接当日。対面となると緊張度合いが違う。声出しのため、RHYMESTERの曲を部屋で歌う。それから「わたしの一番最悪なともだち」の劇伴を流して就活モードに切り替える。ジャケットを羽織り、家を出たが、普段しない格好なのでなんだか違う自分みたいだった。面接開始15分前に会社に到着。「このあと大きい部屋に案内しますね~」と言われて控室で待機。一旦深呼吸。いや、まって、緊張もそうだけど、めちゃくちゃ暑くて汗が止まらない。顔も真っ赤だ。しかも靴擦れ防止で事前に貼っておいた絆創膏もズレてきて変な位置にある。もはや面接の内容というより見た目のことが気になってしまった。数分後に案内された部屋には、五人の担当者。一次のときとほぼ同じ顔ぶれ。一次は形式的な面接ではなかったので、逆にめちゃくちゃ厳しい面接になるのでは?と、話す内容をかなり詰めてきたが、一次と同じノリだった。終始楽しく話せた(ような気がする)のだが、わたしは知っている、楽しい面接は恐ろしい。Podcastの話の流れでこんプロラジオのことを話すと、知ってますよ、と担当の方が頷いてくれた。「わたしめちゃくちゃ好きで!!」と言いたくなるのを抑えて、ここはこちらも頷くだけにした、えらい。(「リンダリンダリンダ」の話もしたので、わかる人にはわかるだろうな、Base Ball Bearが好きだということ。)しかし別の話題では、それがあまりにも共感できる内容だったので「わかります!いや!そうなんですよね!」と、食い気味で握手をしそうになった。実際には手を差し出さなかったが、若干出しかけていたし、勢いはそんな感じだ。いやいや、友達じゃないんだから。なんだかんだ自分の神経のずぶとさを感じた瞬間であった。これで落とされたら人間不信になる、どうか受かっていてほしい。でも、落ちたとしても、もっと優秀な人がいたんだろうな、と素直に認められるような気もする、そんな面接であった。
4月28日(日曜日) さきちゃんのお宅へ。連休の山手線は混んでいてげんなりしたが、田園都市線は比較的空いていて良かった。図書館で借りた「ファスト教養」を読みながら移動。最寄り駅でさきちゃんと合流し、夏のような日差しの中、住宅街を歩く。家にお邪魔してからは二人でずっと話していた。人の部屋を見るのが好きなので、色んなところをじろじろと見てしまう。二人の生活が想像できてあたたかい気持ちになる。一時間くらい話してビリヤニの準備。準備といってもわたしはほとんど何もせず、終始さきちゃんに任せっきりに。しかも手ぶらで訪ねてしまったので、ずっと「わ〜ごめん」と言っていた。柏餅を食べて、また話す、話す、話す。炊飯器の音が鳴って遅めの昼ごはん。日本風のビリヤニといった感じでぱくぱく食べられた。炭水化物は結構食べられるんだよな、謎。食べ終わって本の話をしていたら、さきちゃんの恋人が帰ってきた。挨拶をせねば!と正座で「お邪魔し……」と言おうとしたら、恋人さんではなくさきちゃんが先に部屋に入ってきたので二人で爆笑。挨拶する人が違ったよ。恋人さんに車で駅まで送ってもらって解散。さきちゃんたち二人のふるまいが心地良いような、羨ましいような、そんないくつかのやわらかい感情を抱えたまま帰宅。
4月29日(月曜日) 珍しくギリ午前中のうちに起きた。恋人と高円寺へ。南口の以前行った古着屋さんに行くと、気になる商品があったが一旦保留にして店を出た。セカストでメンズ服を中心に見る。気になるスカジャンがあったが、こちらも一旦保留。「初恋の悪魔」の星砂の服装を思い出す。蟹ブックスに行って、先日図書館で借りて読み損ねた「私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない」を買った。お腹が空いたので大江カレーに行こうとするも、カレーが完売でチャレンジ失敗。駅近のエリックサウスへ。意図せずして二日連続のビリヤニ。お腹がぱんぱんになった。南口方面に戻り、先ほどの古着屋で保留にしたパンツとシャツを見て、悩んだ末に購入。購入する服に白色が入っていたら安くなるということで、これはどう考えても白は入っていないが、白に見えなくもないというシャツを持ってレジへ。「これは……白は入って……ない……ですよね……」と聞くと「んん~(笑)オッケーです!」と店員さんが言ってくれた。半ば無理やりの値下げ。うれしいが申し訳ない気持ち。大事に着よう。帰りに北口の古本屋に行ったが、店員さんとお客さんが世間話というか、これはこの場でする話ではないのでは……という内容の話をしていて、何とも言えない気持ちになる。会話が丸聞こえ。恋人は「本屋にケアを求めていたね」と言っていた。出先で解散。帰ってから、録画していたドキュメント72時間の「池袋でアニメな人々を見つめてきた件」の回を視聴。推しグッズを10円で売りに出すくらいなら捨てるという選択肢もあるのでは?というくだりで「捨てられない」と答えていた女性がいた。お金にならなくても愛着があって捨てられないことってある。わたしにとっては本がまさにそうで、大量の本をどうするべきか、ずっと悩んでいる。