あの人、変な人なんです!!

いろは
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 ラジオ体操してたら腕を回す動作の最中、肩関節がボキッッッって鳴った。結構大きな音で鳴った。それが可笑しかった。可笑しかったのでふふふと声を出して笑ったのが駄目だった。

 ぶへへへっへへへっへへ。

 一人の部屋に不気味な笑い声がこだまする。一人だから笑いをこらえる必要がない。つべで流しているラジオ体操のアナウンスは止まらない。止まらないアナウンスを追って体を動かし続けるが、笑いは止まらない。

 ぐへへっへっへっへへへへ。

 公共の場でやってたらたぶん白い目で見られてただろう。だが今は一人だ。一人は心強い。

 ラジオ体操が終わるまで笑い続けた変質者がこの部屋にはいた。

 おかしいな。変質者が湧く季節はまだ先なのに。

 そして今これを綴っている冷静な自分が「あの人、なんであんなに笑ってたんだろう」って冷めた目であっちを見てる。ダメよ、目を合わせちゃダメ。

@1ro8mi
万年筆を握り続ける。 Novelskey:novelskey.tarbin.net/@1ro8mi