書いたので読んでね。
ぼくの身近に五十路のビスコ好きおじさんがいる。一緒にお菓子を買いに行くと、高確率でおじさんは買い物かごにビスコを放り込んでいる。「ビスコ好きだね」と声をかけると「うん、好き」と五十路はてらいなく頷くので、そんなに好きなのか、ふーんって返すのが2023年の前半までのぼくだった。
正直な話をすると、最近までさほど興味なかった。存在は知ってたし、ビスコおじさんが買うからちょくちょくもらったけど、自ら購入するには至らなかった。買ってってビスコおじさんが言うので、はいはいとかごに入れる。それがぼくの中のビスコだった。夏までは。
ビスコ革命が起きたのはいつだ? 夏か? 秋か? 秋口かもしれないけれど、暑かったからよくわからん、そんな時期。居座っているSNSの一部でものすごい盛り上がってたのだ、ビスコが。なんでこんなにビスコ盛り上がってるの? と覗いてみると、なにやら新商品なのか? 「発酵バター」なる味のビスコが出回っていて、それが美味しいらしい。盛り上がってるのはそちらのビスコのようだ。「発酵バター」その単語はぼくの心を射止めた。気になる、美味しそう、食べるしかないよなぁ?! こうしてぼくは「発酵バタービスコ」なる目標を掲げスーパーへ向かうのだった。
黄色? オレンジ? 色の箱は赤い箱と並んでご近所のスーパーに置いてあった。これがかの有名な、お噂はかねがね。失礼しますよっと。美味しかったら困るから二つ買っておこう。好みじゃなかったらビスコおじさんにあげたらえぇやろ、ぼくやっさしーい。
こうしてぼくは発酵バタービスコデビューを飾った。
おやつに一口。ぱく。……お、おいしい。ビスコってこんなに美味しかったっけ???? 疑問符を浮かべながら箱に入っていた小袋三つ、すべてあっという間に食べ切った。お供に入れていた自作のカフェオレも美味しかった(自画自賛)。あまじょっぱい? とにかくクッキーが美味しい。ビスコってこんな味だっけ? 赤い方のノーマルビスコも一緒に買っておくべきだったなぁ。
これが発酵バターにいい意味で負けたぼくの素直な感想だ。そしてビスコを探す旅が始まった。だってみんながアソートがあるとか、メープルがあるとか、イチゴがあるとか言うんだもん!! ありがたいことに生活圏に複数のスーパーがあるのでまさかのビスコを求めて梯子も出来るのだ。さすがにこれはやったことないけれど。でも品ぞろえが違うので、メープルなどの他の味も求めると大きな道路を越えなければならない。
悔やまれるのは流行り病の所為で徒歩圏内に複数あったまちおかが、すべて撤退したことだ!!
ま、まちおかーーーー!!!!
まちおかにはビスコいっぱい置いてあった。置いてあったはずだ。そ、そんな……まちおか……。ご近所のまちおかには多変お世話になった。が撤退したときよりも今の方が衝撃が、襲ってくる悔しさが半端ない。ま、まちおかーーーー。ぼくはまだ発酵バター入りアソートパックと出会えていないぞ、まちおか! スーパーで駄目ならどこで会うんだ、通販? そうじゃないだろ足で稼ぐんだよ、足で稼いで出会うんだよ、出会いの場所はまちおかだろぉぉぉ。……失礼、取り乱しました。
ビスコってこんなに美味しかったんだね。改めていろいろ食べ比べて知りました。そんな機会を与えてくれた分室の美味しいもの大好きなみんなありがとう。まだ見ぬ強豪がこんな近くにいたとは。
こうしてビスコはぼくの定番おやつ上位へとのし上がったのでした。気付いたら買ってるビスコ(発酵バターメイン)。気付いたら探してるアソートパック(まだ会えない)。クリスマスにカルディでビスコ缶売ってたときは心の底から迷った。迷ったけれど内容物に発酵バターが決め手となって見送ることにした。発酵バター入ってたら買ってたね。
え、本社の通販に保存食ビスコあるって?あー、あー、きーこーえーまーせぇぇぇぇん。てかさ、あれは保存出来ないでしょ。結局開けて食べちゃうでしょ。保存食とは? に本当になる奴だからだめ、駄目。
食べちゃうと言えば、ビスコの小袋開けるの難しくないですか? ビスコ素人だったころ、ぴちっと密封された小袋を開けるのが下手くそで、ハサミを持ち出してたこともあったし、一つ粉砕する覚悟で開けてたんですけど、あれ、簡単な開け方あったんですね。公式サイトにお手本動画があるので気にご覧くださいななる方はご覧くださいな。目から鱗でした。綺麗に開けられて気持ちも軽やかです。
ぼくは開け方2が好きなんですけど、ぼくが下手くそなのか、上手くいかないことあるんですけどみなさんどうです? 小袋のディフェンス力というか、離れないぞって強い意志のような執念のようなものを感じる……。
でっかくて強くなる。甘くてほっとするそんなやさしがもたらす効果なのかもしれない。