本は増える。増やしたい。

いろは
·

 久々に図書館で本を借りた。残念ながら読破には至らなかった(読むのに苦労するタイプだった)が次の予約も埋まっているようだったので大人しく返却した。

 ぼくの通っている図書館にはご自由にお持ちくださいコーナーと言うか、三段のボックスが置いてあって、そこに様々な本が置いてある。どういう経緯で図書館から手放されるのかわからないが、いろいろな本があって背表紙見ているだけでも面白い。残念ながらカバーが剥がされているものも多く、一体どんなカバーが掛かっていたのか、そっち方面でも気になるところだ。

 今回もボックスの前に陣取って、三段の上から下へ背表紙を眺める。文庫本から単行本、雑誌っぽいやつ様々ある中で、本体剥き出しのハードカバーに惹かれてしまった。手に取ってパラパラすると、本文が二段組の小説だった。タイトルが強烈に話しかけてくる。連れて帰れと主張している。本をいったんボックスに戻し、他の本も眺めつつ、今日は返却するだけだし、いまから本屋の方で一冊買うでしょ。と自分に言い聞かせたつもりだったが負けた。再び手に取り司書さんに確認を取り、そのハードカバーはボックスからぼくの鞄へと居場所を変えたのだった。

 ハードカバーはずっしりとした重みで、鞄の中から存在を主張する。お待ちください、今日はまだ寄り道するんです。そんなこと考えたかわからないが、寄るところがあったのは事実で、重さを増した鞄をしょって次の場所へと移動した。

 図書館から本屋へ移動するなんて、こどものころのぼくが聞いたら目ん玉ひん剥いて驚くだろうなぁ。

 本屋は取り寄せてもらった本だけを引き取って帰るつもりだった。が、ぷらいべったー等でイラストを描かれている方がイラストを担当された漢字の本が気になっていた。在庫もあるようだし、あの装丁ちょっと気になるのよねってことで見るだけ、見るだけと陳列されている棚に突撃した。手に取って中身ぱらぱら、閉じて表紙をガン見、そっと撫でて、傾けて、財布を取り出し、入荷お知らせメールの準備をする。

 見るだけ……とは?

 だって、だって!! この装丁は見ちゃったら、無かったことに出来ない!!

 本屋って固い意志と中身のない財布を持って行かないとあっという間に理性を失う場所だと思うの。移動の間にも、SNSで見て気になってる本、気になる作家さんの本、目移りする~~~~。もっと、もっとぼくにお金があれば。

 金が欲しいか?! 欲しい!! ください!!

 一冊だけのつもりがなんか三冊持って帰ってきたの。怖ろしい、怖ろしい。そして気付いた。今年は本に弱い年だ。この感じわかる、気付いたら本屋と図書館で本を抱えてるやつだ。嬉しいけど、嬉しいけど、ちゃんと計画的に行動しないと大変なことになるから気をつけなさいよッ!

 はーーーーーーーい。

 …………これ、駄目な奴だ。

@1ro8mi
万年筆を握り続ける。 Novelskey:novelskey.tarbin.net/@1ro8mi