沖縄に行ってきた。3日間は那覇で3日間は宮古島に滞在した。公私共に大変なことが立て続けに起こっていたが、「でも私は沖縄行くしな…」と思えば全てが大丈夫になった。沖縄に行く私から沖縄に行かないみなさんに挨拶しないとな。こんにちは。とさえ思っていた。
ところで、私は旅行運が無い。三重県に行くと必ず雨が降るので太陽を見たことがない。三重に太陽は上らない。琵琶湖テラスに行くと3m先が見えないくらいの豪雨が降るのでまだ琵琶湖を見たことがない。琵琶湖は無い。学校では教えてくれない真実がここにある。
▲琵琶湖テラス。この先に琵琶湖があるらしい。無い。
今回もご多分に漏れず旅行運が無かった。
前日: ウソッ‼️自転車のチェーンが外れた⁉️どうしよ〜〜😱
まず那覇へのフライトの前日、知人の家に充電器の忘れ物をしたことを思い出して夜に自転車で取りに行こうとするとチェーンが外れた。たまたま近くに閉店直前の自転車屋さんがあったので助かった。チェーンをなんとかしようとして悪戦苦闘して沖縄に来て行こうと思ったジーパンが汚れたが、沖縄のことを思えば何も気にならない。
フライト当日: えっ‼️関空に引き返す⁉️大いなる力が私の沖縄行きを阻む⁉️
フライト当日、慣れない電車の乗り換えを見越して余裕を持ってまだ日が上らないうちに出発をした。豪雨だったが、沖縄に行くと思うと何も気にならない。雨粒さえも亜熱帯のスコールを想起させ、私を興奮させる。
乗り換え駅で降り、道を確認しようとiPhoneを取り出すと、なんと画面が付かなくなった。Spotifyで再生している「君の中で踊りたい2023」は聞こえるが、画面が真っ暗で操作ができない。乗り換え駅の間隔はどうやら離れているようで、案内板も見つけられなかった。
▲乗り換え駅で撮影したキリン。ブス。
自力で到達はできないと悟り、慌ててiPhoneを電源に繋ごうとしていると外国人観光客3人に話しかけられた。豪雨の中ウロウロして駅を見つけて「センキュー」をもらった。日本をエンジョイしてほしい。かくいう私も沖縄をエンジョイしたい。この気持ちは誰にも負けない。祈りが通じたのか、電源に繋いだりボタンを押したりするとやっとiPhoneが復活した。
豪雨の中キャリーケースを引きずりながら走って駅に着くと、もうフライト30分前に空港に着く特急にしか乗れなかった。チェックインは20分前まで。預け荷物もある。焦って駅に着いた瞬間に走り、エレベーターを待ち、乗ろうとすると、同じように急いでいる男性がエレベーターに縮地で加速して乗り込み、並んでる人を寄せ付けぬよう閉まるボタンを押した。縮地の使い手には勝てない。エレベーターを見送ろうとすると閉まる扉に足を差し込んで止める勇者が現れた。縮地破れたり。エレベーターには乗れたが、中はギスギスした空気で充満していた。しかし沖縄を思えば何も気にならない。舌打ちすらも三線の音に聞こえる。関空はもうすでに沖縄だった。
▲指で描いた瀬田宗次郎。瀬田宗次郎の縮地を破れる人は3人。
オンラインチェックインをしていたのでギリギリ飛行機に乗れた。沖縄に着いたらポーたまを食べて…と空想しながら眠りについた。私は繊細さを持ち合わせていないので離陸にも気づかずに寝ていられる。次に起きた時は鹿児島上空あたりだった。耳がキーンとしていたが沖縄を思えば何も気にならない。鼻をつまんでフンッとする勇気がこの歳になっても無いので唾をノンストップで飲み込み続けたが、沖縄を思えば何も気にならない。到着までもう一眠りしようとした瞬間、アナウンスが入った。
なんと、地震の影響で関空まで引き返すこととなった。
アナウンスがあったときの機内は意外にも落ち着いていた。「あともうちょっとやったけど惜しかったな〜」という声も聞こえてきた。私といえば、航空会社の迅速な安全確保の判断に感謝しつつ、「もしかして旅行運、ないのでは?」と考えていた。
今思えば、これは序章に過ぎなかった。
関空に引き返した後も機内待機となった。待機してる間、詫びさんぴん茶や詫びりんごジュースが配られた。ポーたまのために空けていたお腹だったが、さんぴん茶は沖縄のものなのでヨシとした。
しばらくして那覇に向けて再出発のアナウンスがあったとき、機内は「イエ〜〜〜〜」という歓声と拍手が巻き起こった。愛知発の飛行機では「ワァ……ァ………」というちいかわのような声があがったと同行者が言っていた。
結局8:00〜13:00までずっと飛行機の中にいた。2時間ほどのフライトだと思って食べ物も暇つぶしも用意しておらず、後ろの席の子供が飛行機のおもちゃで「那覇空港………と見せかけて関空〜!!!!!!!」とはしゃいで私の席を揺らすのをじっと聞いていた。
しかし泣きもせずに遊んでいて子供は逞しい。キッズのママたちは
「どないする?降りて海遊館いくか?」
「海遊館なんか行ってもなんもおもんないやろ。あんなん魚が泳いどるだけや。ちっちゃい子向け。ばあばは楽しめん。」
と作戦会議をしていた。ちなみに海遊館はめちゃくちゃおもろい。海遊館に行くと海洋生物の雌雄の見分け方に詳しくなれるので、行ったことがないひとはぜひ行ってみてほしい。楽しすぎるので私はいつも2周するし近くの鳥貴族にいく。
ちなみに那覇は信じられないくらいよかった。ポーたまを2個食べた。イオンモールみたいにデカい船が停泊していた。ポケモンGOを起動すると県庁職員みたいなピカチュウが出現した。
勝男と鳥貴族もあった。私は安居酒屋を見ると興奮するので記念撮影もした。あとは口八丁もあれば完璧だった。
肉を食べ、パスタを揚げた棒を食べ、ポーたまを食べ、ちゃんぽん(沖縄のちゃんぽんはお米だった)を食べ、ポーたまを食べ、いろんなことを語り合い、同行者との心の距離が近づいた気がした。
海には触れなかったが、奈良県出身の者としてはもう見るだけで胸がいっぱいだった。なんぼなんでも青すぎる。私の中の我愛羅も海か?イヤ、海じゃない…なんだアレは?!(また幻術なのか!?)とはしゃぐ。青い空、青い海。これだけ綺麗なのにこの後に行く宮古島では信じられないくらい海が綺麗だと聞く。とても楽しみに思いながら那覇での最後の夜を過ごした。
▲同行者にもらった雄のシーサーの箱。雄のシーサーをくれてありがとう。雄のシーサーをもらえて嬉しい。雄のシーサーを大切にします。
晴れた空を見たのは、雨に打たれなかったのはこの日が最後だった。
(宮古島編に続く)