2023/12/28 ベース練習日記
これをやった。徹頭徹尾大パニックになりながら10分間を過ごし、終わる頃には汗だくになってた。
Are you gonna be my girlの「デッデッデーデッデッデデレデ」の部分をゆっくり弾いた。
デッデッデーはわかるが、デレデが難しすぎる。
2023/12/29のベース練習日記
バーでおそるおそる4杯も酒を飲んだ後、毎日10分練習の動画をやった。バーは23時で閉まるので終電に余裕で乗れる。右手の人差し指の先っぽがマメになって痛い。バーはメニューが出てこないことが多いが、酒に詳しくなさそうな顔をして「な、なんか甘いやつありますか………?」と小声で言うとめちゃめちゃ選択肢を出してくれるという必勝法を得た。この必勝法で負けたのは札幌のバーだけ。札幌のバーでは「は?」と言われた。人畜無害で他人から嫌われづらいことを自負する私に「は?」と冷たい言葉を投げかけられるのは札幌のバーテンダーと大阪の気が強い看護師と大阪オフィスの同僚だけ。
これもやった。大パニックになった。0.25倍速でも無理。
2023/12/30のベース練習日記
実家に帰ってから毎日10分練習動画と8分で上手くなる基礎練動画をやった。昨日はパニックになってたけど、0.25倍速なら追いつけるようになってきた。気がする。気がするだけでやっぱりパニックになった。ベースの弦が太すぎて小指で押さえられなくない?ベーシストは小指の筋肉がすごい?これからスーパーで買い物したら小指で袋を持つようにします
ベースじゃない日記
時折、天啓を授かることがある。
ぼんやりとおしゃぶりを吸うようにスマホをいじって無為に時間を過ごす時、駅前で床に模造紙を広げ、いつも怪文書を書き続ける老婆を見るとき、それは突然訪れる。
その日も突然天啓は訪れた。仕事納めの日だというのに1時間寝坊し、そのくせ1時間業務開始が遅れるのも2時間遅れるのも同じだろと思いながら準備して電車に乗ってファービー語の単語を暗記していた時のことだった。
「壺キティ」
壺キティという言葉が頭の中を突然支配した。壺キティがなんなのかは分からないが、とにかく壺キティのことしか考えたくなくなった。あれだけ数日間熱心に調べていたファービーも、ウィー・ター・カー・ルー・ルーがファービー語で「占いしようよ」であることも、何もかも全てがどうでもよくなり、壺キティで頭がいっぱいになった。
壺キティをGoogle検索すると壺となったキティちゃんの画像が散見された。キティちゃんの骨壷というものが世の中にはあるらしい。祖母のお葬式を終えた後の、会場から離れた寂れた火葬場での待ち時間を思い出した。「ここでの脱糞を禁ずる」と書かれた張り紙が、曇り空と同じ色の塀に1m間隔で貼り付けられていた。あまりにも不気味だった。祖母の住んでいたマンションのエレベーターにも「エレベーター内での脱糞はやめてください」「エレベーターの手すりに糞を塗らないでください」という、地獄の左官屋に向けた張り紙が貼られていたことを思い出す。
それはそうとして、「壺キティ」と「クオリティ」で韻が踏める。「くのいち」でも踏める。