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心の避難所の話

史緒(ふみお)
·
公開:2026/2/19

2026/02/19 12:02

 久々に記事を書いていて、心が整うとはどういうことだろうと考えている。

 記事が途絶えていた数ヶ月の間にわたしは福岡の家を引き払い高知の実家に戻って茫然自失の日々を送っていたのだが、この数週間でようやく自我を取り戻しつつある。

 それは実家ではない、亡き祖母の家を借りたわたし用の別邸がなんとか形になりつつあるのと同時進行している感じで、その間に福岡の家の家具を運び入れ片付け整理しネット環境を整え、植物達も運び入れられたのがこの二日三日くらいの話だ。

 わたしが福岡の家を引き払うときは揉めに揉めはしなかったのだけど心情的にはかなり抵抗感があり、完全に引っ越しが決まるまで一時的に実家に帰宅していたときもリビングのリクライニングの椅子に座って毛布を引っ被って一日中そこから動かないという日々が続いていた。二ヶ月半近くはそんな生活だったと思う。自室に引きこもらなかったのは最後の意地というか、『起きる』ということだけはなんとかしているという証明というか、ベッドで横になっているのもそれはそれで苦痛な時期でもあった。だからリクライニングの椅子と毛布というのが丁度良かったのだ。今も出かけたりしたりして疲れると反動でリクライニングの椅子で動かなくなる。

 だがこのリクライニングの椅子のある場所というのがリビングで、わたしにとっては少し厄介だった。常に家族の誰かがいるわけではないけれど家族がいる確率は高く、加えてわたしはテレビが苦手なのだが、父が生粋のテレビっ子なばかりに父がいるとずっとテレビが付いている。ニュースだろうがテレビショッピングだろうが再放送の必殺仕置人だろうがプライムビデオだろうがわたしにはどれもおなじことで、身体もメンタルも底辺に落ち込んでいるわたしには二階の自室に逃げ込むにも億劫なことでひたすらその場で寝るしかなかった。 そんな時期が11月と12月と1月半ばまで続き、ついに1月半ばに福岡からの完全撤退という引導を渡された。これは仕方の無いことである。病人の上に無職なのだから。失業保険だって出やしない。

 だが先に書いたように心情的には抵抗感がすごかった。またしても何も出来ずに撤退するんだと思うと悔しくて今でも思い返せば涙が出る。(のであまり深くは考えない)福岡に行く前夜はひとりでシクシク泣いていたし、引っ越し作業前夜も嫌で嫌で仕方が無くてしんどかった。そのしんどさのまま空っぽの部屋を見て茫然自失で帰ってきて、そして高知の亡き祖母宅に運び入れられた福岡での荷物の散漫具合にまた茫然自失として何から手を付けたら良いのか分からなかった。手を付けはじめたのは荷物を運び入れてから数日経ってからだったと思う。(確かまた寝込んだんだった)

 やっと起き出して段ボールを開けて、ひとりで荷ほどきをした。3日くらいで粗方方がつき、ただ祖母宅は古い家の関係上ネット工事の必要があり、その関係でPCの組み立てやデスク周りの整理を2月まで後回しにしていた。無事工事は終わったのだけど何故かネット接続が上手くいかず、そのまま体調不良で数日寝込み、体調不良を引きずったまま通信大学のスクーリングに3日間旅立ってきた。(前泊と後泊合わせれば計5日間である) 帰宅後反動で5日間ほど寝込み、そこでやっと起き上がることが出来た。虚弱が過ぎる体質である。その翌日ネット接続に再チャレンジし、わたしの凡ミスで繋がらなかったと発覚し(これは完全にわたしの頭が働いてないせいだった。Wi-Fi側のケーブルの差し込み口をずっと間違えてた)なんとか完全にネットが使えるようになったのでPCを組み立て、デスク周りを整理した。

 これでやっと9割方部屋の完成で、たった3日前のことである。(キッチンや他の使わない部屋の存在には現在目をつぶっている)

 残りの1割はというと、植物の存在だ。

 福岡で身にしみて実感したが、わたしは部屋に植物があった方が調子が良い。ガジュマルは早い段階でハウスから部屋に引き入れたが(ドラセナは弱々しすぎたので冬の一軒家に戻すよりもハウスに入れっぱなしの方が良いと判断した)、その他にも何か欲しいなと思い、昨日ヒヤシンスの球根を2個とコルリジネを購入した。

 室内で育てるので水耕栽培用の球根が欲しかったのだがなかなか無く、土植えのものを水耕にしたらいいですよと店員さんが教えてくれたので土を落とし、ガラス容器に入れ替えて水で育てるようにしている。色は紫と黄色の2色にした。

 コルリジネはデスクに置いても邪魔にならないミニのものでパープルの苗を買った。ハイドロカルチャーはうちにあったのでそれに植え替えたのだが、今日水を少し入れすぎた。おそらく一週間くらいは水は入れなくて良いだろう。失敗した。根腐れしなきゃ良いけど。

 家具は福岡の頃のもので配置も似ているから、子どもの頃から住んでいる実家の自室とも違って別の落ち着き感がある。色はグレーを基調にしているからそれも心が落ち着く要因かもしれない。

 心が整うのに物理的な場所を作るのはやっぱり必要で、今回は身の回りにあるのが大人になってから選んだ調度品というのがわたしには大きなファクターになっている気がする。実家の自室は勉強机もベッドも本棚もウォルナットやダークブラウンを基調としてそれはそれで落ち着くのだがいかんせん子どもの頃両親が選んだものだからどうしても今のわたしには心の底からの避難場所にはならない。

 植物が良いのはある程度手をかけたら後はほっといていても成長するところだろうか。外は茶色ばかりの季節にわずかばかりでもグリーンを眺めていると整う気がする。

 サウナなんかも身体やメンタルが整うには良いらしいが、生憎今のわたしは絶賛体調不良メンタル不調を極めている上に四十肩まで患ってしまいそれどころではない。

 他に整うようなことがあるかなと考えていたけれど、やっぱりモーニングノート(朝書かないことも多いが)は効果があるような気がする。糸くずみたいに絡まった脳の考え事をそのままノートに書き出すだけでもお掃除されたような気がするのでわずかばかり頭がすっきりするのだ。

 モーニングノートの延長線で手帳を開くのも多少の効果がある気がする。わたしは可愛らしくデコったりする派ではなく、せいぜいが何かしらのチケットを貼ったり隙間にシールをちょっと貼ったりするくらいで、書くのはTODOを2、3行くらい。それでもモーニングノートのようにやらなければいけないことをぐちゃぐちゃした頭から取り出してきれいに伸ばしてあげるような作業は少し心が整う。負担になるほどの多さでないのも良い。

 こうして、わたしは物理的にも精神的にも避難場所を手に入れた。避難場所でどのように過ごすかもだけれど、この場所をどうやって他の部屋も整えて行くかがここから1年くらいのわたしの生活の一部になってくる。

@230_note
福岡に移住した人 まだなんにも分かってない 双極症診断された人(2024年11月適応障害→2025年1月双極に診断修正) ⇒ 高知に戻りました(2026年1月)