送らなかったくだらないメールの話

2yuno
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天気や、空気感や、日の光や、風の匂い、そういったものにふと過去の記憶を呼び起こされることは誰にでもあると思う。

仕事中にふと思い出した記憶がちょっと懐かしかったので、忘れないうちにここに書き残しておく。

小学生の頃、引っ越しをした。それに伴って転校もした。

前の学校の友人とは携帯電話でほそぼそと連絡を取り合っていて、内容はたいていとりとめもないことばかりだった。まだガラケーの時代のことだ。何通も何通もお互いにメールのやりとりをして、ときどき電話をしたりした。いつの間にか連絡を取り合わなくなっていったけど、なんでだっけ……、まあそれはいい。

引っ越して間もないある日のこと、友人にメールを送ろうと思った。

「道も違うし、街も違うし、友達も違うんだよ」といった内容のものだ。

あたりまえでしょ、とおかしそうに笑って突っ込んでくれるだろうなと思って(あの子はどんなくだらないことも一緒に笑ってくれた)、一人でくすくす笑いながら文を打っていたんだけど、送信する直前になって「こんなの送られても困るかな」となぜだか急に冷静に思い直した。

思い直して、でも送ろうかとも思って、しばらく迷ってから結局やめて、全然違うメールを送ったような記憶がある。

そんなことを思い出せたことになんだか驚いた。

今となってはもうどこでなにをしているのかわからないけど、あの子は元気だろうか。きっと元気にしていることだろう。もう街中ですれ違ったって、絶対に気づきはしないけど。

@2yuno
なんかほにゃほにゃ言ってるな……