遅い朝。夜、たっぷり眠れない日が続いているけど、この日は目覚めは悪くなかった。
いよいよ金欠でピンチになってきたので、日払いのバイトを探す。派遣系のバイトはすぐにリアクションがある。面談など、予定を決める。そんなこんなの作業を少ししただけで再び眠気がやってきてうたた寝。仕事しなきゃ、何かしなきゃという焦燥感と、実際に手や身体を動かしてひとつひとつ進めていく気力体力が釣り合っていない。
歯医者。心なしか麻酔が弱いときがあるのか、ギュイイイイイインという激しい金属音とともに歯に猛烈な振動と軽い痛みを感じる。かと思えばいつの間にか治療は終わっている。診察室には大きなテレビ画面が吊り下げてあって、Netflixでいつも何か映画が流れている。クリスマスの時期にはホームアローン、こないだはジョン・ウィック(見たことないけど、かっこいいキアヌ・リーブスが「ジョン」と呼ばれていたので多分そう)、この日は恐竜が出てくる何か…だった(実際にはジュラシックワールド)。俳優の顔を正確に認識していないせいで、主演のクリス・プラットをトム・ハーディと間違えて、のちに相方に驚かれる(見比べたら大して似てなかった)。クリス・プラットをほとんど見たことがないからだ、ということにしてもらう、、いや、それにしても全然似てなかったけど…。
日払いの派遣の面談をつつがなく終えて、本屋に寄る。チバユウスケの詩集やエッセイがドンと平積みされていた。詩集を少し立ち読み。改めて読んでも、よくこんな詩が書けるな、なんて想像力なんだ…と感嘆する。いくつか重複する形で「酔っ払ったときの景色」とかエピソードが書き添えられていて、その似たようなきっかけでこんな多様な詩になるのか、と。やっぱり欲しいな。エッセイも気になる。
相方に花を贈る。特に何かの記念日というわけでもないんだけど、なんというかこう、日頃の感謝を込めて。何を選べば相手が喜ぶのか分からずいつも迷って、なかなかプレゼントできずにいたけど、こうして何かを贈るだけでも良いものだなあ。少し淡い色合いの、ピンクのラナンキュラスの花。喜んでくれて僕も嬉しい。
2人でギターを弾いて遊んでいたら、いつの間にか曲を作っていた。自分が、以前作った展開の曲を練習がてら弾いていたら、相方が鼻歌を加えたり、「その展開はちょっとベタすぎるかなぁ」「だよねぇ」などと話が進んだり。相方が以前作ったアルペジオの曲の方がすぐに形になりそうで、いいねいいね!と盛り上がったり、また違うコード進行の曲を作っては2人でどうするか考えたりしていた。頭の中でイメージしているものが当然ながらちょっとずつ違うのがまた面白い。そこで、自分のイメージをゴリ押しする気は特にないし、自分ひとりでは作れないものになる予感が楽しい。相方は自分のことを暗い人間なのにと言っていたけど、ストレートで綺麗なメロディが生まれてくることには僕からしたら何も意外ではない。その華やかさがまた素敵だと思う。
夜の睡眠時間が短すぎて、頭がクラクラして動けず、バイトには行けなかった。この日も、昼寝の方がたっぷり熟睡できた。夜は眠剤も飲んでいたのに、なんでなんだろう。
次の日も、眠剤を飲んでいたのにアラームが鳴る前に目が覚める。3時間しか寝ていなくて、頭に血が足りていないのがわかる。やっぱりクラクラして起きられない。まいったな。朝方がいつも調子が悪いのですと正直に上司に話すと、昼出勤にしますか?と柔軟な提案。驚いたけど、ありがたい。そうしてもらうことにした。朝が早いのと、拘束時間が長いことだけがネックだったけど、その2つの懸念点が同時に解消されることになる。また少し稼ぐことができそうだ。
とはいえもう少し働かなきゃな、どうしようかな、リモートワークの求人もまたチェックしたいし進めていきたいし……などとあれこれやるべきことを頭の中で羅列していたら頭だけが疲れてしまって、何もしないまま時間が過ぎていた。諦めて飯を食う。少しずつ進めよう。とりあえず今夜はたっぷり眠ることができればそれでいい。
新しい音楽への好奇心がまた戻ってきつつある。TLに流れてくる新譜をいくつか聴いてみる。気に入ったものは、その影響源にありそうなものも遡って聴いてみる。数珠繋ぎで知っているバンドにまたたどり着いたり、あまり聴いていなかった曲を楽しんだりする。あるいは知らないバンドだけど、僕が好きなジャンルやキーワードと共に語られているのを見るとそれも聴いてみたりする。