文芸部誌を発掘してきたので、中に収めていた作品たちを置いておこうと思う。
今見返すとかなり拙いものでありむず痒いのだがご愛嬌。成立しているのかも今となっては怪しいが、どうか見逃して欲しい。
▎俳句
今年こそ飛ぶ日夢見る鯉幟
また一つ年をとったとちまき食む
幼けなき口より桃の露溢る
彼の人の逝く道照らせ鬼灯よ
金魚鉢透かしてゆらぐワンピース
晩酌を十六夜月の今日の日に
そよ風に吹かれる落ち葉を長眺め
焼き魚かぼすの酸味が良い感じ
子がせがむ行火を出せよと手をさすり
夜なべして愛し我が子に襟巻きを
蝶の街はだけた裾と置き炬燵
夜更けて寒灯浮かぶ帰り道
毛糸編む母が唄った子守唄
個性満つ闇汁の如し我が部活
▎短歌
薄衣はらり落とすは沙羅の姫うつくし笑みを向けるは誰か
彼の君は今宵も若葉を召しにけり常盤木落葉は見向きもされぬ
ゆるゆると眠れ幼子庭に立つ大樹に抱かれ母にしがられ