14日に『銀魂 新劇場版 吉原大炎上』を見た。

これは新宿駅のデジタルサイネージ。南改札コンコースでは14日までの1週間、あたり一面銀魂まみれだった。

令和最新作画で全編描き直し、原作では登場しなかったキャラ(桂、新選組など)の出番も加えた完全新作でかなりハイクオリティな仕上がりだ。
ファン目線から見れば終始制作陣からの濃厚ファンサービスをもらっている感覚なのだが、ファンへの満足感を担保しつつも内輪ノリだけでは終わらせない、なんならこの映画で銀魂を初めて観る人にも楽しめるような作りをしている。それでいて映画内で情報を完結させるために補完したパートが全体の邪魔をしていない。すごい、すごいことだ……。
80巻近い原作漫画や300話超えのアニメを今から見るのはちょっと……という初見の人も、リアタイ世代で銀魂=青春時代の思い出 に分類し終えた人も見てほしい。「今」の銀魂を。
※以下ネタバレを含む雑多な感想
作画がいい
あのパンデミックと被って色々大変だったであろうファイナルとの比較になってしまうが、今回は線の太さのメリハリひとつとってもクオリティがとても高いと感じた。吉原という舞台の華やかさ、明暗の使い分け、人物の細かな動作にまで気を配っているし見所のアクションも大迫力で嬉しい。通行人モブの3DCG浮きだけはどうにか誤魔化せないのかな〜と思った。
神楽ちゃん!!!!!!!
なんだこのアニメ、ヒロインが可愛すぎる。そうだよな〜神楽ちゃんって設定モリモリでネタキャラもやっていて色んな側面があるけどまずとにかく可愛いんだよ……という原点回帰。そしてこれは今後も声高にアピールしたい要素なのだが、あの「仲間の危機に瀕して夜兎の血が目覚めるシーン」がアニメ版の300%くらいの迫力と熱量で描かれており、知っている話なのに呼吸を忘れるほど見入った。カットを割らずにカメラを回すことで常人のそれじゃない戦闘能力を表現しきっているし、暗闇に光る青い目の軌跡だけが浮かぶ演出も鳥肌が立つ。神楽ちゃんに惚れ直すには2時間あれば十分。ありがとう……。
新選組と桂小太郎
すでに完成された物語に追加したとは思えないくらいまとまりが良かったし、各キャラの魅力が十分に描かれていた。一見して悪ふざけにしか見えない三枚目を務めながらも指揮をとって最後には晴太を導く近藤、新選組の頭脳としての側面を遺憾なく発揮して問題を解決する土方(タバコもマヨも健在)、出番もセリフも限られた中で「剣豪」という設定ひとつで忘れられない
「吉原炎上篇ってどの辺が炎上してたんですか?」
という当時寄せられた質問に答えるようにあらゆるところが燃えててちょっと笑った。極め付けに新選組が追っていた違法薬物を「燃やす」ことで解決するという回収は見事すぎて感心してしまった。これで名実共に「吉原炎上」というわけですか。しかしお巡りさんがタバコのポイ捨てなんてしていいんですかねぇ?
"種火が後の燦然"
エンディングでなんて美しい歌詞なんだ……と泣き崩れてしまうところ。吉原目線で見ればそれぞれが雁字搦めで燻っていた小さな種火たちが万事屋に出会って燃え上がる話だし、万事屋では圧倒的な力を前に掻き消されそうになっても、どこかに種火が残っている限りまた燃え上がることができる、それを信じているという絆の話。銀魂はいつも「護る人が一番強い」「人の絆は切っても切れない」をめいいっぱい叫んでくれるのでまた少し生きることを信じてみようかなという気持ちにさせてくれる……語るだけ野暮なのでみんなみんな劇場に行ってくれ。
他にも語りたいことはたくさんある、本当にたくさんある(茶番楽しかったなとか実質鬼滅だったとか、なんなら晴太のセリフカット残念だったな〜とかもある)のだけど、これ以上は初見の熱量が失われてしまいそうなので一旦ここまでとしたい。
令和に新しい銀魂があってよかった。あの終わり方からしてあわよくば第二弾も……というふうに見えなくもないが、それは興行成績とゴリラ原作者の気分次第なのだろう。既存ファンだけでなく新規層にもじわっと広まっているそうで阿伏兎に「選択肢おじさん」なんで新しいあだ名までついて嬉しい限りだ。
入場者特典が印刷されたランダムな絵になったころ、またあの太陽の下へ、みんなに会いにいこう。
吉原大炎上がめちゃくちゃヒットして次回作が作られますように。