好きで見ているYouTubeチャンネル「モハブログ」で2週間前にとある動画が上がった。
ショッキングなその内容を要約すると、
チャンネル配信者(在日スーダン人)の片方の弟が東京大学に合格したのでそれをエックスで報告した。すると祝福のリプライに混じって大量の外国人差別リプが寄せられたのでそれらを面白おかしく紹介し、カウンターを打つという趣旨の動画だ。
動画そのものは面白い。それは彼らがヒップホップを好む人たちで、ヒップホップは元々社会的弱者や被差別層による権力やマジョリティへの抵抗から生まれたカウンターカルチャーだからだ。彼らのように黒人と呼ばれる人々と差別・ヒップホップには切っても切り離せない密接な関係がある。そして彼らのスキルでもって、どんな差別発言が飛んできても面白おかしく"料理"して動画にしているからだ。
あとのことは、まぁ、動画を見てもらえればわかる。思い込みだけで中傷する人々、外国人が存在するだけでまるで犯罪の被害者になったように振る舞い、無知をひけらかす恥ずかしい生き物たちが並んでいる。
そんな連中の何倍も流暢に日本語で意見を話し、エンタメに昇華する2人を見るのは安心する一方で胸が痛くなる。「(国に帰れなんて)言われ慣れてる」とカメラの前で言えるまでにどれほど傷つけられてきたか。おちゃらけながら、所々本音で苛立ちを見せている場面さえある。
今の日本で外国人がどれほど生きづらいか、私にはもはやその全容を想像することもできない。恥ずべき排斥思想が少なくない議席を持つ政党のお墨付きをもらっているくらいだ。
正真正銘の日本国籍の私(ミックスルーツ)さえ喧嘩した相手に「祖国に帰れ」と言われたことがあるし、見た目だけでは絶対に聞かれないのに本名(例"山田ブレンダ"のように下の名前が外国人っぽい)を見られてすぐ国籍や日本語がわかるか確認されることがある。
極め付けは役所でマイナンバーカードの更新をした時の「では在留カードも見せてくださいね」だ。これに至っては氏名決めつけ国籍ノー確認である。国籍だけでなく私はアイデンティティも日本人なので、それを一方的に、しかも役所の窓口という公的な場所で否定されたようで、今思い出してもだいぶムカつく。
この手の嫌な思い出がいくつもあるのに、それでも私はマシな方なのだ。
心ない言葉をぶつけられる彼らが気の毒で、申し訳なくて、せめてそれを笑いに変えて収益を得てくれと願う。
いや、本当はそんな収益なんて得られない方がいい。生活しているだけで好奇の目を向けられたり、疑われたり、怪しまれたり、決めつけられない方がいいに決まっている。今を生きる彼らのために、未来を生きるその子供達のために、私たちは倫理的でいなくてはならない。
犯罪や非行が起きた時、悪いのは犯罪者個人であって、国全体やその国民すべてではない。
誰かが追い詰められて取り返しのつかないことをした時、追い詰めたものを透明化してはいけない。
果てしなくても、届かなくても、私たちは共生と平和を希求しなければならない。人類全体がたくさんの血を流し、願い、守ってきたものを壊してはいけない。
彼らのために、私のために、何よりあなた自身のために。
余談(セルフ鍵垢内通)

というツイートをしたらフォロワーがごっそり減りました。でもレイシストの言い分ってそういうことじゃん?
余談2
記事書いてる間に第2弾来ちゃった。
来るなそんなもん…………。