少年漫画を読み始めた記憶

水曜
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アニメ ONE PIECEの一挙配信を見ている。

アニメ25周年を記念してのことらしい。

https://one-piece.com/anime1000vod/index.html

25周年期間中、24時間365日、YouTubeで配信するという気の狂った企画だと思う。採算どうなってるんだ。凄いな東映アニメーション。ありがたく懐かしみつつ追いつきつつ眺めている。

私は産まれたときから本に囲まれて生きてきた。0歳のとき積み重ねられた本の山の間で絵本を抱え笑っている写真が残っており、幼稚園の入園式ではずっと手元の子ども向け聖書絵本を眺めていた。文字を読めるようになってからは絵本、漫画、児童文学と加速度的に読む量は増えていって、二十五ほどで急に落ち着き、今に至る。

初めて自分で選んで読んだ少年漫画をはっきり覚えている。ONE PIECEの12巻だ。小学校1年か2年のとき、少女漫画を自分で選ぶようになった少しあとだった。

その頃ちゃおでは100万回きかせてよの最終回があり、Dr.リンに聞いてみてが巻頭カラーになっており、雪ん子をもっとたくさん読みたかったと思っていた。

りぼんもなかよしも読んでいたが、友人とそれぞれ担当して雑誌を買いわけていたので、自分が担当していたちゃお以外の記憶はそこまではっきりしていない。なかよしではだぁ!だぁ!だぁ!、りぼんではGALS!が好きだった。

そんな、まだ少年漫画に触れたことのなかった小学生が本屋で選んだのが、ONE PIECE12巻だった。

いつも連れて行ってもらう本屋の、新刊コーナーで何となく選んだ。12巻から読み始めたにも関わらず、すごく面白かった。自分が普段読んでいるものとは違う、でも面白い。設定もわからない。でもこのキャラクターたちがこれから冒険に出ることはわかる。「面白い」ということ以外、何も分からない本だった。鈍器で頭を殴られ、面白いという感想以外全て認識出来なくなってしまったようだった。すぐに親に頼み込み、それから数ヶ月別の本を一切ねだらない・買わないことを条件に11巻まで買ってもらう約束を取り付けた。

当時、すでに人気になっており、田舎だったこともあって、一度にまとめて揃えることはできなかった。本屋に予約をして歯抜けで買っていった。最終的に全て追いついたのは23巻、アラバスタ編最終巻が出た頃だった。他の巻より少し厚く、ビビの髪と同じ色をした表紙の巻だ。弟とふたり、カバーがくしゃくしゃになるまで読み込んだ。

それから20年近く経ち、原作に追いつけていないものの、時々まとめて読み進めている。

あれから色んな本や漫画を読んだが、途中から読んであそこまで「面白い」と思えた本はほとんどないし、小学生に会った作品でそういう風に思えたのはONE PIECEだけだ。一番好きな漫画というわけではない。大ファンというわけでもない。だけど、自分にとって特別な作品だと言える。あのとき選んで良かった。

原作は数年以内に完結が予定されているらしい。それまでには追いつきたいと思いつつ、配信を眺めている。

@463_2
週7で水曜。長めの文字置き場。旦那とご飯の話が多い。短い文章:@sss_u1_