鍋の出汁を作るのが苦手だ。
何かちょっと足りないことはわかる。しかしその何かがわからない。教科書どおりの量を量って入れればそのとおりの味になるのだが、自分でほいほいと入れると、最終的に私の頭には?マークが浮かぶのだ。煮物や他の料理であれば自分でできるのに。鍋だけはどうにも。
かくして我が家の鍋の味付けを担当しているのは旦那である。適当にあくを取ってちょいみょいと酒やらしょう油やらを足して、市販のものよりも美味いものに仕上げてくれる。よくある既成のつゆよりもしょっぱくなく、私が調合したものよりも薄くない、ちょうどのものを、毎回だ。
元々そういう仕事をしていたとは言え、それをちっとも自慢することもないのがまた旦那のよいところだとも思う。私くらいには威張っていいのにな。