「虎に翼」感想 第8週

シオリ
·

5月20日 36話

穂高先生の登場に嬉しくなる。未だにとらは優三さんと寝るときそわそわしてしまうんだね。とらは、「人生はだいたいこういう流れで生きる」という価値観を持っていて、周りとある程度共有もしているけど、でもそれを選ばない人生の歩き方をしているのかな。とうとう物語に「悪い女」が出てくる。そこで初めて仕事の失敗をしてしまうとら。優三さんに言われていた通り、思い込んでしまったがゆえの失敗で、きっと今後の仕事への向き合い方に影響するんじゃないかな。戦争の影はどんどん近づいていっていて、米が減ったり、花江が集会に行ったり、依頼人の夫が招集されたりしている。それでも話の核は戦争ではなくなんということない日常に目が向けられていて、なんだか本当にこんなに穏やかだったの?と不思議になってしまう。

5月21日 37話

前回の女性の話をする流れで「とらちゃんも僕と社会的地位のために結婚したし」という優三さん、多分一人に対する恋愛感情だけで結婚する人ばかりじゃないよみたいな意味なのかとも思ったけど、それが「悪」みたいに受け取る人もいそうじゃん?とモヤッとした。でもそれ以外はしみじみいい人だね〜……→恋に落ちたの!?!?!?!?!恋に!?!?!?!?全然納得の行く流れではあるけど、先週でとらはアロマンティックなのかな〜って嬉しく思っていたのでびっくり。でもデミロマンティックぽいといえばぽいよね。まあ分かんないよ、こんな話の展開をされちゃ、もう俺にはよ……。子どもも出来て、まあこれはモデルとなった三淵さんがおそらく子どもを産んでるだろうと思っていたので想定内だったんだけど、動揺はする。

いよいよ直言や優三が軍服に身を包み、配給も行われ出した。久保田先輩と話をすることになるが、久保田先輩はあのハキハキとした喋り方から「女性らしい」喋り方に矯正していて、女性としての生き方を強いられ、引退を決めていた。とらと喋るうちに元の喋り方になっていって、大学でどんなにつらいことがあっても泣いたシーンのなかった久保田先輩が泣くシーンには心が苦しくなる。それを見ている桂場……相変わらず団子を食べている……。団子屋さんも閉店してしまい、桂場は戦中一体どこで甘味をとるのだろう。

妊娠して体調も整わないのにますます忙しくなるとらや雲野事務所。よねは試験に受かることが出来ずにいるけど、助手として頑張っている。久保田先輩の代わりに受けた仕事でも戦死した軍人の妻からの相談が多くて、うわ〜〜〜となった。今週、どうなるんだろうな……。とらが恋に落ちたことにより、「さよーならまたいつか!」がとらの歌という可能性も再び出てきて、そうすると「砕けて離れ離れ」になるわけで……心配だ……。

5月22日 38話

お兄ちゃんの出征が決まってしまった。轟も。いつかはそうなるだろうと思っていたけど、かなりショックだ。戦争は、いつだって恐ろしい。

先輩たちももういなくて、法曹界で女性は「私だけだ」という気持ちから、仕事を背負い込みすぎてしまい、倒れるとら。桂場に怒りが滲んでいると言わせるほど、とらは今の状況に怒っているんだね。そんなとらに言葉をかける穂高先生だけど、やっぱり序盤から感じていた、「この人は本当に女性(というかとらたち一期生二期生)の活躍を応援する気があるのか?」という疑惑があたってしまった……!長い目で見れば穂高先生も女性の活躍を応援しているんだろうけど、とらたち個人の苦しみや努力が報われるべきだというところまでは思い至っていないのかもしれない。今自分の将来について悩み、自分の苦しみについてしゃべっているのに、産まれてもない「子ども」の体に悪いよ、と言われたときの脱力感は分かる(わたしに子どもはいたことはないけど、いつか産まれる子どものために今の苦痛を無視して子宮を大切にしろと言われたことは何度もある)。バカバカしいが、今まで自分の能力と未来を信じてくれていたと思っていた人にそう言われると、傷つくだろうな。ラストで事務所に穂高先生が来ていたけど、これ以上邪魔されたくないな〜。

でも、よねが「ひとりじゃない」と言ってくれたのはすごく嬉しかったね。よかったじゃん!

5月23日 39話

プライバシーとかないの!?まあないか、あの時代……。穂高先生や雲野先生、岩井さんの言葉がぽきぽきとらの心を折っていくのが見えるようだった。とら、よねには子供のこと言ってなかったんだね。よねの言葉はきついと思うけど、昨日「ひとりじゃない」と言ってくれたよねがとらに気持ちを寄せていたのは嘘じゃないだろう。よねも、男性ではない性別で弁護士を目指すものとして、とらに仲間意識を持っていたと思うから、裏切られたと思ったのかもなあ。

弁護士事務所を辞めてしまったとら。続けるのは本当に苦しいけど、辞めるときは一瞬なんだな。なんか虚しくなるね。穏やかな日々を過ごしているけど、とららしい輝きは失われてしまったように思う。でもさ、一話冒頭でまた桂場と一緒に働くことが描かれているし、この先復帰するよね?

5月24日 40話

後輩たちの弁護士への道が閉ざされてしまったことを知るとら。そして、優三さんに赤紙が来る。

「出世のために優三さんの優しさにつけ込んで結婚して、でもすぐやめて甘えて子ども作って」って、とらに言わせるようになったのは誰?と怒りが湧いてくるようなセリフだった。特に子供のことなんて二人で作るもんなんだから甘えもクソもないだろうが!対して優三さんはずっと優しく、とらはとららしくいてくれたら良いと言う。こんなに近くにとらがとらのままでやりたいことをすることを応援してくれていたのを、とらは気づかなかったんだね。ひとりじゃないと言ってくれたよねや、自分の好きなことをしてくれるのが嬉しいという優三さん、それからきっととらの両親や花江だって、とらのやることを応援してくれていたのに、全然それが分からなくなって、心が折れてしまったとらは、本当に追い詰められていて周りが見えてなかったんだろうなと思う。

しかし……死亡フラグってこういうことなのでは?というような見送りだったな……………………わたしは三淵さんの生い立ちとかもネタバレだと思って見てないから、どうなるんですか、ねえ……と言う気持ちでいっぱいです。

来週は、1話で一回流れた日本国憲法の回なんだろうけど、今まで性別や国籍、社会的地位で女子部のみんなが無念なままに去っていったのを見てきたから、1話で見たよりもずっとずっとずっしりくる文言だと思ったし、それを読むとらの気持ちも分かった気がする。花江の様子が気になるけど……怖いな……。

@510r1
のんびり、日常。BLとぬいぐるみ。晩ごはんのこととペットのことも。