「虎に翼」感想 第25週

シオリ
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公開:2024/9/17

9月16日 121話

ヒャンスクは汐見と一緒に朝鮮や中国の被爆者を救済するための弁護士になるという。梅子が一気におばあちゃんになってしまった感じがする。でも思えば最初から年長者だしいいお年だよね。

尊属殺裁判は最高裁へ。桂場のもとには政治家が来てクレームを言うし、少年法も改正ありきで話が進む。全て「国民の声」を理由にすすめられていることだけど、司法の独立は国民の声を盾に揺るがせていいものなのだろうか。もちろん、国民の意見が裁判の行方を変えるときというのはあると思うし、国民の要請に従って変わっていくべきものでもあると思う。でも、政治家や一部の人間が持ち出してきて法を思う通りにしようとするのには反対。

道男は立派にやっていて、さらに新しい従業員も雇っている。それを見ると、少年法を厳罰化すれば少年たちのためになるとか、非行が防げるとは思えないよね。

よねのところに来ていた男性、部落差別を受けていたということかな。実家を調べられて内定取り消しにされたと言っていたし。

朋一は左遷されてしまった。裁判所内部でも問題が起きていそうだ。

9月17日 122話

若手裁判官の左遷のことで桂場を訪ねるとら。桂場は話ができる雰囲気では全然ない。取り付く島もなく帰されてしまい、とらは決別の言葉か?というセリフを吐いて辞する。

クレジットの多岐川の名前に(回想)と付いてなかったからなんなんだろう?と思っていたらまさかのイマジナリー多岐川登場。頑なになった桂場の心に響く言葉を言ってくれるのが多岐川というの、いいね。桂場は特に、馴れ合いはいらないというか、孤独なポジションでいたように思うから、そうやって心のなかででも声をかけてくれる存在がいるというのはいいな。

よねたちのところに航一がやってくる。よねは改めて美依子のことを航一に話すが、その内容は見ている側のためのものだと思うし、こちらからしたらやはり衝撃的だ。誰も救ってくれなかったありふれた悲劇、それをせめて救うのが法であってほしいよね。

9月18日 123話

少年法改正について家裁のメンバーに話を聞くとら。反対するものもいれば、現在の家裁が人員不足であり裁判官の心持ちによって結果に差があることを憂いている人も。とらの世代の人にその責任はあるのではないかという意見も出て、とらが「責任」というものを果たさなければならない年齢・身分であることを改めて思い出させる。

一方で涼子の司法試験受験のために集まった面々はいつまでもあのときの青春のままのようで、責任ある佐田寅子が肩の力を抜いていられるメンバーなんだなと思うとほっこりする。涼子のために寝ずに試験対策問題を人数分作ってきたよね、かわいすぎる………………………。忙しいだろうに。

久しぶりに猪爪家のメンバーとも会ったとら、家族から少年法について聞き取りをするも、一般人から裁判官や教師などやはり意見は様々で、いい落とし所を見つけたいね。

最後には衝撃の、美佐江そっくりの人物登場。もうあれから20年も経ってるんだ。となると子ども?とかかなあ。クレジットも名前が2つあったし。終盤も終盤になって、どういう関わり方をしてくるのか怖い。

9月19日 124話

美雪は以前音羽が担当していた少年だったみたいで、とらは詳しく知りたいと音羽に伝える。音羽は、少年法が厳罰化されることについての自分の意見が出すぎた意見だったと謝罪するけど、とらは間違っていたら意見を言っちゃいけないの?と言う。萎縮しないで、というのはとららしい。

涼子様は司法試験に合格したけど司法修習は受けないらしい。それが、かわいそうだと言われる自分が弁護士になるもならないも自分の手の中にあることで世の中の「股間を蹴り上げる」ことになると思っているからだそう。思ったより心の中のよねが育っていて元気だ。とら、よね、涼子の三人で集まって夜通しわいわいできるのよかったなあ。女子部の頃は考えられなかった組み合わせかも。大人になって、新潟のことがあって、東京でもよねと交流して今があるんだなあ。

よねは美依子に、父親や法律がクソなのであって美依子自信が可哀想なわけではない、と諭す。被害にあった人が自分を責めたり、他の人の被害と自分を比べてしまうことをよねは自分の経験からも分かっていて、それをするな、と美依子に言う。厳しいようでいて優しさがあるよねらしい一幕だった。

朋一が裁判官を辞めるという。やはり左遷のことが大きかったのかな。離婚を提案されたこともつらかったようだ。桂場の、強権的な采配で夢を持っていた若手が心折れていくさまを、朋一というキャラクターが表現してくれたのは、視聴者にとってわかりやすいと同時に辛いことだ。桂場の本を訪ねる航一がなにか言うのか?と楽しみにしている。

9月20日 125話

いつもスーンとした顔で「なるほど……」とか言ってる男がとうとう叫んだ!!!鼻血も出した!!!桂場に膝枕もされていた!!!意外性のある男だね君、ラストも迫った今になってやりますね。久しぶりのチャーミング桂場にニヤニヤしてしまった。しかしとらは桂場がチャーミングだろうと顰め面だろうといついかなる時でも自分の言いたいことを言うね。「一周回って法律を知る前の自分が戻ってきた」「どんなときも私なのかも」というセリフ、すごく良かったな。

星家と佐田家、血はつながってないのにみんな酒豪で笑える。

美佐江の母が差し出した手帳には、心が苦しくなるような事が書かれていた。新潟で何もかも自分の思う通りになって自分は特別だと思っていた美佐江、だけど東京でうまくいかなくて苦しんだ美佐江。特別であるために妊娠して出産した美雪も愛せなくて、どれだけ孤独だっただろうか。最後には、とらのことも書かれていた。美佐江がとらに心を開き、更生への一歩があり得たことが読み取れる一文だったけど、あのときのとらの美佐江を拒絶し優未を守る行動は誰にも責められないと思う。でも確実に、美佐江の運命を分ける瞬間ではあった。そのことがひどく苦い。

@510r1
のんびり、日常。BLとぬいぐるみ。晩ごはんのこととペットのことも。