私は家から出た。
この手が穢れないように
でも、逃げた先で貴方は言った。
「君は物なんかじゃない。どれだけ自分を物と思っても君は人間だ。」
嗚呼、私と向き合ってくれる人はここに居たんだ。
初めて私を人間と見て抱きしめてくれた人。
どれだけ、腕に穴が空くほど噛んでも、パパとママを殺したくてもちゃんと受け止めてくれて。愛してくれて。
私は貴方から見るとただの何も知らない、汚い大人に囲まれた5歳児のまま大人になってしまった「人間」みたい。
でも、そう言われてずっと上げれなかった産声を上げれた。と思った満月でした。