いくら自分のための読書記録とはいえ、先月はあんまりにもおざなりにしてしまった……ので! 今月から気合い入れて書いていきたいとおもいます!
とはいえ過剰に気合いを入れると途中でしんどくなるのでゆるくやっていきます。
引き続き読書の秋ということで10月もたくさん良い本を読めました!
当然のようにネタバレあるのでご注意を。

古代ギリシャのリアル
一般的に思い浮かべる白亜のギリシャは作られたもので、本来のギリシャは極彩色をしている。
時の流れと残酷な憧れの押し付けにより全く違うものにすり替えられるという歴史あるあるがとっても好きなので楽しく読んでました。
古代ギリシャと現代ギリシャって全く別物と言っても差し支えないことに驚きました。
オタクなのでオリュンポス十二神とか大好きです! また星座の神話とか読み返したいなー。
さよなら絵梨
チェンソーマン レゼ篇の余韻にいまだ浸っているので、なんだかんだ触れてなかったさよなら絵梨を買って読みました。
コマ割りとかにチェンソーマン2部の面影を見てしまい複雑な微笑みを浮かべました、が、映画の中ではもういない人に会える、それも思い出したい姿で思い出せるという一貫したテーマはとても美しかったです。
やっぱりお別れの話が好きですね。「二度と会えぬ人に場所に窓を開ける」が大好きです。
ウスズミの果て2〜4
先月1巻を読んでとっても面白かったのでそのまま続きを買いました。
廃墟とポストアポカリプスと孤独と絆が好きだからとっても楽しく読んでたところにイサミカノコ兄妹が登場してしまい……。驚天動地です。こんな私に都合のいい漫画があっていいのか。兄妹兄弟姉弟姉妹が好きです(自己紹介)。
色んな人に読んで欲しいです。今後が楽しみ。
花物語 上
大学時代課題のために購入した本でした。
当時読んだ時のことを全く覚えていないため、初めて読んだも同然の本です。大学時代のこと何も覚えていなくて怖い。
勿忘草、コスモス、赤梅白梅、雛芥子、福寿草、紫陽花、露草が好きです。
何気ない日常が少女たちの感性により美しく彩られていて読んでて楽しかったです。少女たちって恋と友情の境界線が淡くて小さなことにドキドキしたり、世界にとって重要なことがなんでもないように放り投げたりできるんですよね。成長と共に削り落とされるだろう鮮烈な世界に再び出会えて良かったです。
アリアドネの声
帯を見て買った私が言うのもなんですが、「衝撃のどんでん返し」って書かれてると困りませんか? それがすでにネタバレな気がする。
ミステリーというよりも主人公の成長やヒューマンドラマ、人命救助ドラマ的展開を楽しんでいました。
主人公が呪いとなった兄の存在から解き放たれるシーンで、最後まで「都合の良い夢」「罪悪感は残り続ける」と主人公が言っていたところが良かった。私は過去を乗り越えて未来を進もう、未来を見ろ! という話が好きなのは好きなんですが「またかー」と思ってしまうタイプなので、過去に後ろ髪を引かれたり、どうしても見つめてしまう話が好きなんですね。
絵的に映える場面や展開が多かったので、ドラマにしたら話題になるだろうなーと思いました。
彼女たちは楽園で遊ぶ
町田その子さんってホラーも書けるの!? これは読んでみないとなぁ……! と思い購入。
町田その子さんの物語は根底に人情、他者を思いやる温かさが流れていて、読んでいると善性を信じたくなる美しさがあるので大好きです。なので、優しさや常識、温かさをぶち壊すことが基本のホラーをどんな風に彼女は描くんだろう? と読んでいました。
結果、私の考えるホラー、つまり甲田学人作品とはちょっと違うな……と思いつつも、青春友情冒険小説としてとても楽しく読みました。
メインの登場人物みんな好きになっちゃったんですが、特に初花が好きです。
なのでラストの、初花が記憶を失ってしまったと知る場面がとても悲しかった。これまでの冒険の中でたくさん彼女が変わって成長したことを知ってるから、あの冒険を共に潜り抜けた彼女が失われて寂しかった。けれども東京に帰って友達ができたと言ってるし、何かが残っているのかもしれない。そんな希望を抱いて読み終わりました。
町田その子さんのお話大好きです。基本作者の名前は覚えられないので作者で買うことをしないのですが、上橋菜穂子さんと甲田学人さんと多崎礼さんと町田その子さんは覚えてます。いや結構覚えてるじゃんね……。
天使の傷痕
レゼ編の余韻に浸りながら本屋を彷徨いていたところ「天使」ってワードに惹かれて買った本です。
面白かったです!! ミステリーと社会問題って元々相性良いよなーと思うのですが、とても上手く混ざり合っていました。読んでいて面白いけど、立ち止まって深く考えることもできる。犯人も最後まで「この人が本当に犯人なのか?」と疑ってました。
動機の方がフィーチャーされるミステリーってあんまり読んだことないはずなのでワクワクしてました。トリックとかより人の心を追う方が楽しいですよね!
岩手の農村の話。赤ん坊の扱いについては圧倒的に悪いと思うけど、これまでの文化や歴史に縛られる彼らの気持ちもわかる。正直村の在り方に関して最後まで田所は余所者の部外者でしかなかったと思う。
厳しく辛い土地で自分の首を絞めながらそれでも離れずに共に生きる人々の生活を知ることなく間違ってるから変えろは傲慢だと思う。繰り返しますが、赤ん坊の扱いに関しては完全に間違っていることは前提です。
だからこそ当事者が一歩踏み出さなくてはならない、世間に叫ばなければならないというラストはとても良かったです。
下半期買ってよかった本に入りますね。
走れメロス
オモコロで走れメロスを読む記事があったのでせっかくだし私も読むかと思い購入していたものです。
これまでの人生の中で教科書以外で文豪と呼ばれる人々の文章を読んだことがあんまりありません。
人間失格を読んだのが割と最近だし(確認したら2024年の7月でした)、私が読んだ新潮社の文庫本に収録されている短編は走れメロス以外ほぼ初読でした。これまでの人生で私は何を読んでいたんですかね?
裏を返せばこれからの人生でまだ面白い本に出会えるじゃんということで前向きに考えていきたいと思います。
収録されている短編の中では女学生が好きです。少女時代、急上昇急落下する心の動きが自然に、緻密に描かれていてやっぱりすごいなぁと思いました。少女が好きなんですね私は。
駆け込み訴えもやっぱり好きでした。太宰治の口語文は読みやすくて好きです。
花物語読了後からメモを取るようにしたのでちょっとは読み応えあるものが書けたかなーと思います。
お友達の文章に触発されて私も頑張ってみるか! と気合を入れることができたので、本当に感謝しています。
文章を書くことって私のためだけのものでエゴだよなーと思っていたのですが、最近はそうでもないのかもしれないと思えるようになりました。
人生どう転ぶかわかんなくて不思議。