ずっとボディブローされてるみたいな映画だった
大枠は原爆開発以前と以後でタイムラインが分かれている
以前は成功するのかのハラハラで以降は政略に嵌められて詰問を受けるキリキリといった感じ
カラーとモノクロでフォーカスされている人物が異なる点もあった
言ってしまえば、ドキュメンタリー映画なのにここまで見させられる映画なのもすごい
ただ、wikipediaなどでオッペンハイマーの沿革くらいは学んでおいたほうがいいかもしれない。
その辺は欧米圏だと歴史などで学んでいるのかと思うが、我々はそうではないことが多いのではないかと思うので
原爆開発以降、核の世界にいるということを引き起こしてしまったのは間違いなくていつ世界が核の炎で焼き尽くされてもおかしくない世界に生きてることはメッセージとして受け取った。
別に原爆作った俺たちスゲー的な映画ではないことは言っておきたい(一部そのようなシーンもあるが、そのシーンの後に自分たちが燃やし尽くされるような警鐘的なイメージ映像が流れる)
最初の実験の時に、大気に引火して人類全てを焼き尽くす可能性がゼロではなかったのに行ったのは割と狂気の部類だと思った
オッペンハイマー自身複雑な性格をしていた部分も描かれていてその辺りも上手く表現されていた。
後は核の爆発のシーンがよくできていたと思う。
光より音が遅れてくるので、その現象がうまく描かれていて良かった。
音楽はハンス・ジマーではなかったが、不安を煽る無限音階の劇伴は今回も不安を煽り立てるのに非常にうまく機能していたと思います。
俳優陣はマット・デイモンとラミ・マレック(Mr. Robot)は分かった、セイターもいた
結構前の出演者からとっている印象で珍しい気がする
クリストファー・ノーランにしては割とメッセージ性は強い映画だなとは思いました。
少し日本人としては眉を顰めたくなるシーンはあるものの原爆賛美の映画ではなくて、原爆というものが出来上がった歴史とそれ以降世界が変わってしまったことについて考えさせられる良い映画だと思いました。