お気に入りの焼き鳥屋が、チョコザップになっていた。焼き鳥屋がチョコザップになったんだよねという話は母親から聞いていたが、実際にその様子を見たところ、私はささやかなショックを受けた。幼少期、その店で決まって梅酒を飲む母親に向かって「大人になったらここに飲みに来る」などと言って楽しみにしていた場所が、どうやら大人になる前に潰れてしまったらしい。チェーン店なので探せば大阪にいくらでもあるものの、そんなことより、見慣れた店がコンビニジムに乗っ取られている現状の方がわたしには受け入れ難かった。
チョコザップにはチャリンコが2台とまっていた。週初めから頑張る人間もいるらしい。それに引き換えわたしは、何かやらなければならないことがあったはずなんだけど、と考えていて思い出した。確定申告。
確定申告って面倒だ。カクテイシンコク。響きだけは一丁前にインテリみたいだが、未だ、塾講バイトの分際でどうしてこんなことをしなければならないのか分からない。今は塾長から渡された書類に従って数字を記入するぐらいだが、(とはいえ毎年なぜか1回データを飛ばしてやり直しになっているくらいPCと数字の扱いが下手なんだけれども、)恐らく再来年あたりからもっと面倒になるんだろう。数字が苦手でのびのび暮らしたいわたしにとっては、この単語を聞くたび億劫になる。
確定申告に飽きて投げ出したところで、LINEの通知が幾つか届いていたことに気がついた。わたしは、メッセージ受け取り欄を眺めるのが好きだ。LINEに限らず各種SNSのダイレクトメッセージの一覧を見るのも好き。わたしと会話を続けてくれる大切な友人たちを集めた、宝箱のような感じがする。
LINEの使い方というのは、大体2種類に大別されると思う。ひとつは、重要な連絡手段として使う方法。メールを送信するときぐらいの硬さで使っている人が、特にOUQSではちらほらいるような気がする。もうひとつは、私のようにおしゃべりの場として使う方法だ。わたしは(SNS全般においてもそうなのだが)、LINEを呼吸のように使う。らしい。極論だが、なんの用もないのにスタンプ1つだけを送り付けたりすることもある。これに対してお気に入りのスタンプをひとつ返してくれるような人間が、いつまでも傍にいてくれたらと思っている。