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しょや
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公開:2025/11/23

◆読了(ネタバレあります)

オーデュボンの祈り」読了しました。図書館で借りているので間に合わないかと思った…!残り100ページ切ったあたりから怒涛のスピード感で一気に読んだ。面白かった…。

ネタバレがあるので下のほうに下げておく。

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最初の「荻島に連れてこられた詳細な経緯」だとか、ラストの「あのあとどうやって帰ったのか」など、色々聞きたいことはあるものの、そこを語るのは野暮だと感じさせるクールさがよいなぁと思った。

文庫本の解説に「やってることは一般人が島を散歩して島民に話を聞いてるだけ物語に過ぎないけれど、結果の予測がつかない」がそのとおりで、でも常に飽きがこない展開だったのが関心度高い。むしろ、次へ、次へ…と読みたくなる好奇心がくすぐられる感じや、伊藤(荻島)パート、城山パート、徳之助(支倉)パート、伊藤の祖母パートが折り重なって物語が積み上げていき、最後の展開にすべて帰結するところがウォータースライダーのようで気持ちよかった。

淡々と話は進むが、城山パートで静香のところに城山が目をつけた時と同時に伊藤が手紙出した話が挟まり、心の中で伊藤の手紙ーー!!!静香気づいてくれーーー!!!と心の中で叫んだし、城山絶対にざまあw展開になれ…!と期待と祈りを込めていたら、轟が連れて行った家が桜の家とわかった瞬間、ア!絶対に城山これ花埋めたところなんかするやろ!!と思ってたから、孔明の罠の如く踏んでくれてめっちゃ読者として気持ちよかった。城山を一発即死にしてないところも含めていい。城山パートを延々と見せられたら読者もあまりの生理的嫌悪に脱落するだろうな、と思ったけど、要所要所で語られていたからストレスが分散しながら読めてよかった。冒頭から語られていた静香の「自分の存在意義」が、アルトサクソフォンによって、荻島に欠けているものと結びついたのもよかったな~…。自分が必要とされる箇所は、何も仕事だけではないんだ。伊藤がきちんと「君のアルトサクソフォンが聞きたい」と静香に存在意義を与えていたのがね、たまんねえな。

優午の死の理由がまたさ~~~優午のことを考えてしまう。未来がわかってしまうと、それをよすがにされてしまうし、される側は辟易しちゃうよね。私も未来がわかる、っていわれたら物は試しとはいえ聞いちゃうと思うもんなぁ。島が変わるために実質、自死を選ぶカカシ…切なすぎる…。

作品自体、ミステリなのか、サスペンスなのか、コメディなのか、定義することは難しいけれど、かえって定義はしなくてもいいのかもしれない。そのぐらいの曖昧さで位置していてほしい作品だなぁと思った。ていうか本作がデビュー作ってすごいな。貫禄ありすぎる。

@80hs
インターネット歴n年 チンチラ歴6年