最高だったね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
公開決定からずっと楽しみにしていたので、素晴らしいものを見せていただきありがとうの気持ちでした。
ストーリーは、大手通販サイトからの宅配物に爆弾が仕掛けられてその犯人とは、また目的とは…というものです。
最初の爆発が犯人だった、というのは死者の声を届けるアンナチュラル節だし、最後の爆発での犠牲者出さないのは間に合せる物語のMIU節でしたね。最後なんかは部屋番号も404だったしきっと間に合うと信じていたんですけど、その間に合わせ方のキーがヒノモトデンキの洗濯機だったのは号泣でした。あそこで佐野息子が報われるの、ずるくない…?!佐野息子の会社が倒産したようにコツコツ生きてたって人生って理不尽なことばっかだし、努力が報われることなんて時折あるかないかなんだけど、あの瞬間佐野息子が救われたかと思うと、末端の末端である一般市民のわたしなんかは人生で注がれるであろうたった一筋の光みたいなものに希望を見出してしまうし、人生捨てたもんじゃないよなって背中を押されてしまうよ〜。ずるいよ〜!
とはいえ、全体のストーリーは救いがないです。山﨑佑は植物状態だし、筧まりかは自殺してるし。五十嵐は仕事で立場なくなるだろうし、エレナは眠れるようになったけど、仕事やめてるし。孔だって重い鍵を託された。この救いのなさと、ひとさじの光の塩梅がうますぎるんだよなあ…………
ラストの「爆弾はまだある」は、いろんな爆弾だと思いました。
ひとつは、孔の持つロッカーの鍵に残されたメッセージ。これが暴かれることで明らかになる山﨑佑の死の真相について。
他にも、依然変わらない労働環境。配達料は20円上がったものの、根本的には変わりません。本社に、日本支社に、センターに、配達員に、第二の山﨑佑になってもおかしくない人がいる。その不満因子がまた爆発したら?
劇中で孔はどこか傍観者でした。ですが、エレナから鍵を受け取ってしまっては今まで通りとはいきません。
孔の役割はそのまま、観客の役割だと思いました。今までポチればすぐに欲しいものが手に入ってきた私たち。2時間の映画を観客としてただ享受していたけれど、消費者として物流の現実をどう受け取るか。これからどうするのか。劇中で何度も流れるWhat do you want?のメッセージは孔、そして私たちが何を望むのか、何を選んで生きていくのか、選んだ責任は?そう問われているのだと感じました。そりゃラストの孔もあんな顔になっちゃうし、責任逃れしてきた五十嵐も飛び降りた場所を見つめてしまうよ、、、
エンドロール、多くの映画では掲載されないであろう人の名前も掲載されていて、すっごくよかったな〜〜!ビールとポップコーン片手に見る、たった2時間の映画にこんなに人が関わってるんだよなあ。わたしが夜中にポチっとした商品だって、いろんな人の仕事の結果で家に届くんだよなあ〜。仕事ってそういうことだよねって胸が熱くなりました。AIが台頭してきたり、リモートワークが当然になってきてコスパタイパが謳われる世の中だけど、結局人と人なんだな。
個人個人のつながりや仕事はちっぽけかもしれないけど、まっとうに生きること、誠実に携わっていくこと、それから、選んだ責任をちゃんと負うことが大きな世の中の流れにつながっていくんだと考えさせられるね。3年後、5年後、10年後、次の時代がどうせなら少しでもいい話題がある世の中であってほしいからがんばります。それが今を生きるわたしたちの責任だと思うし、わたしのWhat do you want?の答えだから。もしかしたら、いつかあのドラム式洗濯機みたいに報われることもあるかもしれないし。
それはそうと、エレナの赤いコートにゴリゴリの指輪、くったくたのバーキンめちゃくちゃオシャレだったね〜〜〜!!!!!MIUのみんなも、アンナチュラルのみんなも地に足つけて生きてて嬉しくなりました。元気そうでよかったなあ。生きてたらこうやってまた会えるかもなんだよね。エレナと孔にも、また会いたいな。