久しぶりに会った同級生の話

940kyu
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 先日アルバイト先の控え室で、店長が新しいバイトの女性に業務の説明をしていた。邪魔をしては悪いと思って荷物を取ってさっさと退出したが、退出前に聞こえた新人の声に、めちゃくちゃ聞き覚えがあった。もしかして、と思って新人が帰ったあとで店長に「新人さんの苗字って〇〇さんでしたか?」と確認すると大当たり。彼女は高校の同級生だった。

 彼女に最後に会ったのは、成人式後の同窓会だった。ありがたいことに、それなりにたくさんの人と写真を撮ったので、その日の夜から翌日までいろいろな人からぱらぱらとLINEやDMで写真が送られてきた。卒業以来一度も連絡を取っていなかった人も結構いて、返信しながら、ほとんどの人はもう2度と関わることがないんだろうなあと思った。

 彼女もそのうちの1人で、最後に交わしたメッセージは「またどこかで会えるといいな!」という、半分くらい社交辞令の言葉だった。別に仲が悪かったわけではないが、特別よかったわけでもない。印象は良いし顔を合わせれば雑談することもある、ぐらいの子だった。会えたら嬉しいけど、会ったとしても誰かの結婚式とか同窓会とかだろうな、と思っていた。

 その日のシフトが終わってすぐに、彼女のLINEを開いた。「他人の空似だったらごめん!もしかして今日××の店にいた?!」と送ると、5分とたたずに「いた!」「私もめっちゃ940に似てる人いるなと思ってた笑 これからよろしくね」と返ってきた。うれしかった。

 「またどこかで会えるといいな!」で止まっていたチャット欄が「もしかして今日いた?!」「いた!」で更新されるって、なんかちょっといいなと思った。

 こういうちょっとうれしい偶然を、積み重ねて生きていきたい。

 おわり