十二国記 魔性の子を読みました。
好きなもの(マイルドな表現)がとっても似ているお友達たちに激推しされて読んだ。十二国記は聞いたことがあるだけでミリしらだった。今もほぼ知りません。なんか今また話題に上がってるみたいだけど、そのウェーブとは別でおすすめされた感じです。まずタイトルからして「いいんですか!?」と思った。
以下中身のない感想です。でかいネタバレというネタバレはないと思う。
「身の回りに不幸が起こりまくる少年」とは聞いてたけど、思ってた10倍悲惨だった。 集団飛び降りあたりから「まだいきますか??どこまでいくんですか???」って苦しくなってきた。本当にていねいにていねいに坂を転がり落ちていくのが描かれている… 最初は、これは何かでっかい展開の前振りで、半分ぐらいから変わってくのかな?と思ってた。たとえば高里か広瀬が「あっちの世界」に戻るとか。そうじゃなかった。ほんとにたんたんとていねいにエスカレートしていく様が描かれていた……
高里は(高里というキャラクターは)(高里というキャラクターの描かれ方は)どストライクではなかった。あまりにつよく、清すぎたんだと思う。そりゃそうなんだけど。隙がねえ。あともう悲惨すぎてなんか感情が追いつかなかった。
とはいえ声にならないうめき声を上げた場面もあった。p.181です。広瀬が俺の家に来いっって高里に言うシーン。広瀬が畳み掛けるように話を進めるとこ、高里が「先生」って話を止めようとするとこ、俯いたまま頷くとこ、そのまま頭を下げて出てくるのが「本当に申し訳ありません」なとこ、その会話のテンポ、つらさ、めちゃくちゃ刺さりました。こういうシチュエーション、好きなんですよ…何か深刻なことがすぐそばにあって、二人ともそれを理解していて、努めて明るく振る舞う片方と、それを止めようとする片方、噛み合わない会話、あえて逸らされる話題、加速、視線がぶつかり合った時の静けさ、みたいなやつ。
高里と家族の関係が描かれてるとこはもれなくつらくて刺さりました。
あとp.352もひじょうにしんどかったです。高里が窓を開けたとたん罵声が飛んできて、広瀬が窓から引き離し、顔を覆う高里の肩を叩き続ける広瀬。何度も噛み締めています。こう挙げてみるとやっぱ、高里の弱さが垣間見える瞬間が好きなんだな…やっぱ… 氷のようにつよい人が頽れるその瞬間…
橋上〜〜〜〜!!!かっこいいぞ!!!(救い1)
十時先生ウインクして〜〜〜〜〜!!!!!(救い2)
広瀬…………
エゴでも汚くても、広瀬は高里の救いだったんだよな…広瀬…日のあたるとこで悪態つきながら生きてくれよ…
これは序章だそうなのでここからが本番なんですよね? 日々の楽しみができました。寝る前に読書をするという憧れの習慣ができそうです。