NO.6を読んでいる。NO.6とはあさのあつこ作のYA対象SF小説である。わたしは中学2年生をガンダム00とNO.6と二次創作サイトと過ごしたので、かなり思い入れがある作品だ。
なんとミュージカル化が決まってしまった。生まれて初めて2.5とされる作品を原作厨として観られることになるらしい。しかもスタッフに燦然と輝く浅井さやかの文字。さやかちゃ~~~ん!彼女のオリジナルミュージカルは観たことがあり、今思えばNO.6の物語とかなりフィットするような気がする。すごくうれしい。魔法使いの約束で小うるさい原作のおたくを虜にしてきたさやかちゃんの作るNO.6が、かなり、楽しみ。
原作を読んでいるのだけど、自分の考え方は今までに増して自分のオリジナルではないと思う。紫苑に誰かのために生きるなって語るネズミの言葉は、今の自分にもしっかり根付いている。ネズミの博識なとこが好きなんだけど、紫苑相手だと調子が狂っている…そこもかなり好きである。紫苑のハチャメチャ主人公度合い、「純粋培養のお坊ちゃん」だからまっすぐ語れる理想が好きだ。今読むと好きなものの煮凝りみたいな作品だ…。
やっぱり絵の印象は強烈で、アニメのビジュアルをお出しされてから十数年経つので(!?)、かつて小説しかまだなかったころに見て・想像していたネズミと紫苑の姿は全然思い出せなくなってしまった。悲しい。紫苑の雰囲気は当たらずも遠からずだな~と思った記憶はあるんだけど、ネズミは確か髪を括っておらず、ここまで長髪じゃなかった…はず……ということをおぼろげに思い出せるのみである。忘れることは悲しい。ちょっとインターネットサーフィンして、かつての同人サイト発掘を行おうかな…くらい悲しい。もう自分の描いたものも残ってないしな~~T_T。オーン。
同時にアニメも観ている。ヘンなので、土曜日に観始めてもうアニメ観終わります…。アニメだとポイントは抑えつつもキャラクター内でのつなぎ・キャラクター同士の関係のつなぎが省略されているので、並行して原作を読んであ~これこれ…となったりしている。あさの先生のあとがきも読んであ~~~と思いました。中学生当時理解できなかった感情もセリフもたくさんあると思う!!!なので、今読み返せることが非常に幸福。そしてネズミが舞台に立つ人間であることが非常になんか、今になってとっても刺さる設定でアツいです……。紫苑が、腹を満たすわけじゃないのに、少ない手持ちの中からネズミが歌ったり芝居をしたりすることのためにお金を出すひとがいる、それはすごいことだと話すんだけど、まさにそうで、次々に世間に登場するワカテハイユーのことを思った。彼らのうちの何割がこのことを理解しているんだろう。
NO.6の物語の根底に、物語も音楽も芝居も人間を物理的に救うことはできないが、救いになる場合もあるという思想があるなあと今読み返しながら感じている。それは自分がこれまで生きていく中でずっと感じてきたことでもある(思い返せば…だが)。前にも書いた通り自分では覚えていなくても、物語から読み取った内容が自分の血肉となり間接的に自分の助けになっていることはきっと多い。たまにそれに気がついて、物語を愛してきてよかったな~~と思うのである。うれしい!幼いころもっとまじめだった・悩んでいた自分が好きだったもの、感銘を受けたものが今も変わらず好きでいられるというのは自分が何かを失って成長したわけじゃないと担保してくれる気がする。これからもたくさん愛していくぞ!図書館が閉まる前に予約した4-6巻を受け取りに行かないとならない。読み進めるのが惜しい。11月が楽しみです。