11月3週間目

a_waltz_at3pm
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公開:2025/12/1

日々の全てが切羽詰まっている。今、ここ数年で一番忙しいかもしれない。いや、間違いなく一番忙しい。ほんとに! 転職と引越しって大変だ。

今週のご飯。引越し作業でほぼ使ってない。

会社の最終出社日に向けて、いろんな人と夜ご飯を食べたり、いろんな場所に挨拶しに行ったりしていた。あの頃はこうだったよね、あの仕事はこうだったよねとお肉や中華料理を食べながら言い合い、お店を出たらいつかまた会いましょうと手を振る。そうしてゆく中でとうとう引き継ぎ作業も大体終わらせて最後にお世話になった人にメールを……と思って宛先を入力していたのだが、打ち終えてみればそれが結構な人数になっていて、ああ、本当にたくさんの人に助けられながらわたしは仕事していたんだなと噛み締めた。ありきたりな表現にはなるけれど、会社に勤めているあいだはしんどいことがたくさんあって楽しいことばかりではなかった。嫌な仕事も楽しくない仕事もあった。でも、いい人たちにたくさん出会えて助けてもらえた会社だった。退職のご挨拶、と題したメールを送信し、ありがとうございました、という気持ちでわたしは新卒から働き続けた会社を出た。

有給休暇消化期間の初日、早速役所で転出届やらマイナンバーの手続きやらをやる。マイナンバーについてはさんざ怠けて更新を怠っていたので、期限のすぎているカードの表記を見た市役所の方にあちゃ~という顔をされてしまった。本当にすみません。平日だったからかさほど時間もかからず、手続き後は住んでいた町の中でお気に入りだったカフェに足を運んだ。もう気軽に足を運べないと思うと不思議だ。こんなに当たり前にこられるのに。

RAD WIMPSの20周年アルバムに収録されていた米津玄師の「トレモロ」を聴いて泣く。RADドンピシャの世代なのでまあ心に響くのだ。大好きな曲を大好きな歌手が歌う。こんなに嬉しいこともない。

また、米津玄師のトレモロを聴きながら、「わたしは小説や漫画、映画よりも、音楽で一番泣ける人間なんだな」といまさらになって自覚した。とにかく昔から、いいな、と思う声やメロディを耳で受け止めるとすぐに涙が出てきてしまう。これは歌に限らず、ゲームBGM(最近のものでいうとポケモンzaのユカリ戦とか)なんかでもよく起こるのだが、とにかくわたしはいい音に弱い。いいメロディに弱い。すぐぐすぐすいってしまう。米津玄師のトレモロをしばらく聴き続けて、まんてんのそらにきみのこえが、と口ずさむ。なんていい曲なんだろう。これから先もずっといい曲なんだろう。

道に、小さくて食べられないサンドイッチが落ちてた。あつ森の世界?

スト6で知り合ったフォロワーと通話して、フォロワーのルークにボコボコにされる。相手はマスターなので強いのは当たり前なのだが、それにしても勝てない。でも、何度負かされても悔しくて萎える、……とかではなくとても面白い! と燃え上がるから楽しい。格ゲーは、なんで勝てないんだろう? の底に知識が死ぬほど眠っているゲームだ。自分が勝てないのには明確な理由がある。格ゲーのいいところだと思う。努力さえすれば伸びる伸び代が山ほどあるというのは、努力のしがいがあっていい。

いくつか試合をしてから、ちょうどお昼ご飯を挟む時間になったのでそのフォロワーと雑談もしたのだが、雑談の果てでフォロワーがなんと17歳の子だとわかって比喩でもなんでもなくひっくり返る。ハ!? え!? こ、こどもじゃん……!?!?!(?) Xのつぶやきの内容的にもそんなに歳が離れていなさそうな印象を受けていたし、また、現実でここまで年下の子と話すことが今までになく、流れで年齢を聞いてしまった時はかなり動揺してしまった。17歳て! ほぼ生まれたてみたいなもんだろ……。

高校生らしい悩みも聞きながら、結局通話は数時間程度で終えた。なんだかどっと疲れた。緊張した。

羅小黒戦記2を見て、その良さにいい意味で打ちのめされる。

今作は5年前に一作目を映画館で見た時と同等、もしくはそれ以上の良さがあふれる映画で参ってしまった。初めから終わりまで、アニメーションの動きからストーリーまで、本当に本当に全てが良い。悪いところはデザインが可愛すぎるモブの名前がわからないことくらいだ。ネタバレにもなるし細かいことは語るまい。前作を見ていなくても楽しめる(らしい)ので見たことがない人はぜひ映画館に行ってください。わたしは今後金門で小説を書きます。なんてったってルーイエが大好き!

引越しの4日前まで段ボール箱の中にひとつもものを入れていないというめちゃくちゃな部屋状態だったのだが、3日前になってようやく、重い腰を上げて引っ越し準備を進めだした。漫画を段ボール箱3つ分捨てたり不用品の買取業者を呼んだり捨てる家具をジモティに出して引き取ってもらったり、諸々おこなった結果、連日の睡眠時間をめいっぱい捧げることでなんとか引っ越し作業を終えることができた。人間、やればできる。やろうと思えばなんだってできる。文学フリマには出られなかったけど、引っ越しができれば生活の最低ラインが保たれる。

深夜の引越し作業中はなんとしても寝ないように、段ボール箱に必要なものを詰めたりいらないものをゴミ袋に入れている間夜更かしできるフォロワーと通話しては、羅小黒戦記の一作目をテレビで延々と流して「小黒かわいい;;」「ねえ~ほんとにここの無限がさあ よすぎて……」「風息………………………………」などと好き勝手呻いていた。作業中にガムテープが切れたときは、真夜中に自転車を走らせて、BUMPの天体観測を閑静な住宅街の中で熱唱(※小声)しながらコンビニに行ったりなんかもした。なかなかの限界ぐあいだったと思う。ヤケクソになって、一年に一回食べるか食べないかというようなポテチまで食べていた。段ボール詰め作業、もっと前々からやってればよかった。本当に!!

ドタバタしながら迎えたい引っ越し当日は、引っ越し業者に作業をお願いをしていた、……わけではなく、手伝っていただけませんか……😭とあらかじめ頭を下げてお願いしていた会社の先輩と後輩が朝から来てくれた。というか、2時間だけ仮眠しようと寝ていたら寝過ぎていて、心配した後輩が鳴らしてくれた部屋のチャイムで起きた。ほんとうにすみませんという感じだ。

でたらめに詰め込んだ荷物を部屋から運んで先輩後輩の車に積み(大きめの段ボール箱が10個くらいあったし解体したとはいえカリモクのソファもあったのに、見事に車2台に収まった。入るもんだな……と感心してしまった。先輩と後輩にはマジで頭が上がらない。)申請していた分の粗大ゴミを家の外に出す。そうして、ぐっちゃぐちゃだがまあ家はでられるなという状態に一先ずして、わたしたちは新居に向かった。

新居に到着してからはすぐに、荷物を移した。午後からはもう1人声をかけていた先輩が合流してくれて、新しく届いた家具の組み立てなんかをわたし以外の3人が主にやってくれた。わたしはというと、黙々と、細々とした物を3人の後ろで片付けては段ボールをできるだけ早く平らにしていった。

先輩後輩の3人は普段から家具の組み立てや工具の扱いに長けていて(だから手伝って欲しいと声をかけたのだが)、シーリングライトに棚、テーブルにベッドフレーム、本棚、テレビボードといったそこそこ時間がかかるはずの家具をどれもものすごく手際よく完成させてくれた。工具箱に加えて電動ドライバーまで持ってきてくれて感謝しきりだ。わかりにくい家具の組み立て説明書も一瞬で理解して、あーこうすればいいんだわかった、と言いながら全部やってくれた。組み立て終えたところから段ボールを片して車に積んでくれたりもして、本当に本当にありがたかった。何度ありがとうございますと言ったかわからない。きっと一生分言った。

片付けやら掃除やら、結局全ての引越し作業を終えたのは夜の7時くらいだった。ほとんど理想的になった部屋を前に3人に何度も頭を下げてから、お礼にとわたしが予約していた焼肉店に向かう。食べ放題のコースを人数分予約し、今回のお礼にと奢らせてもらったのだ。

美味しいお肉を頬張って、お腹いっぱいになるまでみんなに食べてもらう。焼肉の後は速やかに解散となった。行きしなは車に乗せて送ってもらったものの、わたしはその日から新居の部屋で寝泊まりする予定で、3人は車で帰ることになっていた。なので、かなーりさみしい気持ちの中でお別れをさせてもらった。だって、きっと今までみたいに気軽に会えない。仕事の都合で、お疲れ様でーすと声をかけられない。焼肉じゃお礼し足りないのでまた会えた時、何か奢らせてください! と手を振る。またねーと言ってくれる手に全力で振り返す。こんなにしてもらっていいのかな、困ったことがあったら呼んで欲しいな、わたしも力になりたいな、と思いながら車の姿が消えていくのを見送った。

というわけで新居での生活が始まる。見慣れない部屋、初めての天井、聴き慣れない音、なんだかざわざわとした気持ちで、買ったばかりのマットレスに横たわる。この部屋で暮らしていくんだな、と言い聞かせる。

@a_waltz_at3pm
自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)