2024年1月1週間目

a_waltz_at3pm
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陽が登って新年を迎えてからかなしいことや辛いニュースを多く目にしたけど、自分にできることをいくつか行動に起こしたので日記にはあまり多くを記さないでおく。ただ、多くの人が早く心穏やかに過ごせてあたたかい部屋でゆっくりと眠れる夜が訪れるようになればいいとばかり強く思う。

引いたおみくじは中吉だった。神社で配られた甘酒は熱くて舌を火傷した。神社にはたくさんの犬がいて、犬が怖いらしい男の子がずっと逃げていた。神様には昨年の感謝と、親戚や知り合い皆の健康を祈った。神様なんてあまり信じていない。でも、今年も何かの小説の題材にさせていただきますとこっそり伝えた。

大学の友人と会った。おしゃれでかわいいパフェを食べ、わらって、くだらないことを話しているはずなのに、会話の中に織り交ぜられる互いの悩みや将来に関する話は合わせているわけでもないのに自然と、それでいて確かに大人のものになっていて、わずかに冷えた静かな廊下を裸足でそっと踏むような寂しさを憶える。電気屋を回って、一人暮らしだと食洗機が欲しいよねと共感する。パートナーがホームベーカリーを欲しいと言い出したら許すかどうかの話をする。歳を経るにつれてきっといつか離れていく。春が訪れるにつれて縁が切れてしまう。決めつけてしまってはいけないのにそんな気配がして、別れ際に夏にも会おう、と咄嗟に繰り返し言った。ふたりともうなづいてくれてよかった。そうして別れた後、小説を書いていることを知ってくれている友人がわたしの新刊を買ってくれた。知人から小説を読みたいからと言われると、いつもあばらをくすぐられているようなむずがゆさにはにかんでしまう。大切に包んでポストに入れると彼女にメッセージを送った。

母の誕生日があった。せっかくだからとバジルやトマトやチーズを詰めた貝殻パスタとトマトの中にひき肉を詰めた晩ごはんを作った。とってもよろこんでくれた。おいしいと言ってくれた。友達に自慢すると写真を撮ってくれた。茹でたパスタが少し硬くて、ごめんねと謝った。鬱病を患い、母親との関係性がよくなかった学生時や家を出る前じゃ絶対にできなかったことだった。

友人の結婚式にも参加した。ウエディングドレスは勿論、お色直しのミントグリーンのドレスが可愛かった。似合っていた。ゲーム調のプロフィールムービーにはわたしの写真が映っていて、彼女の人生の中でわたしが登場人物として認識されている・扱ってもらえていることに気づいて泣きそうになった。幸せに溢れた空間とはこう言う場所のことを言うんだと初めて感じた。暗い言葉なんてひとつもなかった。吐く息すらあたたかかった。

実家を離れる時、本当に久しぶりに母を抱きしめた。父のことも抱きしめた。いつかこの先、そうしておかないと後悔する気がした。ふたりとも今までそんなことをしてこなかったわたしのらしくない行動に、気恥ずかしそうにしていた。これからは毎回しようと心に決めた。親の体格と体温を、感覚でちゃんと覚えていたいのだ。

新幹線に乗る前、父が美味しいと言っていた出町ふたばの豆大福を買った。三つある。720円だった。

家に帰ってきて豆大福をハロウィンの時にもらったチョコレートの匂いがする紅茶と食べた。すこし組み合わせに失敗したなと思いながら、1月1日の12時に買ったpammの布団カバーとピローケースを開いた。かわいい。新年初の買い物として素晴らしい。記録にチェキを撮る。明日からの仕事をなんとか乗り切りたい。寒いな。自転車は嫌だな。10時過ぎに起きていたのを、7時半に戻さないと。一年が始まる。カーテンを開かないといけない。

@a_waltz_at3pm
自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)