2024年4月2週間目

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桜が早くも葉桜になり、異様に暖かくなり始めた今週もやっぱり小説を書くばかりの1週間だった。そしてようやく、三週間ほど(土日は書くのを休んでいたので、実際に書いたのは17日間くらい)かけて制作していた小説を仕上げてアップすることができた。

当初は6万字から7万字くらいになるかなあと予想していたのだけれども、実際に出来上がった話の最終文字数は8万字だった。この文字数の小説を1話完結のもので書いたのは、別のジャンルで9万字の小説を書いて以来だった。序盤あたりを書いていた時、書きたい内容とそれにひっついてくる文字数をこれまでの経験則から考えるとこれ一生完成しないんじゃないか……とすら思っていたのでなんとか4月中に完成させられることができて本当によかった。今回無事に書き終えることができたのは確実にテキストライブのおかげだ。慣れないうちはかなりぼろぼろの状態を晒して配信することにもなったけれども、やってよかった。無理矢理にでも作業を進めたい時は使うべきだと学んだ。人に見られる場所に出ているとなると、ちゃんと進めなくては……、という気持ちになる。

とはいえ、どれだけ整えたつもりでも見返すたびに粗が見つかる。でも、書きたいものと、書いておきたいものをちゃんと書くことのできた話になったと思う。感情と解釈と関係性に重きを置いた作品に昇華させられたとも思う。「天国ではみんなが海の話をする」とか海とかヨットとかサックスとか文学とかアメ車とか何気ない生活感とか、そういう、好きなものをありったけ詰めに詰められた。今の自分が書ける限りのものを書いたし、各SNSでももう言ったけれどもほとんど「卒業論文」の気持ちで仕上げた。これ以上のものは今後このジャンルできっと書けない。とても人を選ぶ内容だろうし、途中で読み飽きる人が出てしまいそうな文字数になってしまった自覚はある。それでも誰かの目に届いて、わたしの思い描いた二人のたどり着くべき最果てを観測してほしいと思う。

アップして間もなく、たくさんの人から嬉しい言葉をたくさんいただいている。それぞれに目を通しながら、嬉しいなあ有難いなあと言葉のひとつひとつをスクリーンショットで保存してクラウドでバックアップをとる。ひらいて、読み返して、大切に結われた言葉たちを口にしてみながら見つめて、どれもこれも宝物だ、とまなこを細める。同じようなことを何度も書いたし何度も言ったことがあるけれども、やっぱり、なんでもない自分が拙いながらに書き上げたものを見てくれる人が居ることも、読んでくれる人が居ることも、感想を送ってくれる人が居ることも全部が全部とんでもない奇跡であって、こんなにもたくさんの奇跡ばかりもらってばかりでいいんだろうかと時たま怖くなってしまうことがある。ので、せめてわたしの話を読んでくれる人たちがみんな幸せになってくれたらいいのにな、と漠然とした祈りを抱く。

せっかく書き終えたし休もうかと考えたものの、悠長に休んでいる暇はあまりなかった。スパコミ新刊の原稿は相変わらず続くので、そちらにも手をつけなければいけない。1月末から5月までなんだかんだでずっと修羅場だ、現時点で2024年が始まってから25万文字くらい書いている。映画も小説も摂取できず展示会にも行けずインプットしている暇が本当になくて頭の中が空っぽになりそうで、でも、どうしようもなく楽しい。多分ほんとにぎりぎりのスケジュールでボロボロになるだろうけどなんとか走り抜けてやるぞ、という気持ちだ。

さて、今週は低気圧でめちゃくちゃにされる日が多かった。特にひどかった時なんかは起きた瞬間の目眩がすごく、ぐわんと足元がゆがむ感覚に歩みがおかしくなって倒れそうになったくらいだ。昔は低気圧の影響なんてあまり受けることがなかった(ため、実は低気圧で体調が悪くなる友人らを見て繊細な体をしていていいな……などと愚かにも羨んでいた時期がある。がっつり気圧の影響を受けるようになった今では、そのころの自分の頬を張り倒してやりたい。)けれども、大人になってから頭痛やら目の痛みやら関節痛やら目眩やらが出るようになった。脳のMRIを受けたばかりだったので正真正銘低気圧の影響だとわかっているとは言え、頭痛も不調も困ることに変わりはない。ただでさえ雨が嫌いなのに、こうして人生がどんどんままならなくなってゆく。

原稿が終わらなさすぎるのについついデュアルとロンブラの練習したさにスプラトゥーンをやってしまうので、Switchとプロコンをエアコンの上に置くことでなんとかゲームをできない状況にした。こうでもしないと手を伸ばして時間を溶かしに溶かしてしまう。

ふと気になってそういえば自分はスプラトゥーンを何時間くらいやっているのだろう……と思い確認してみると、2022年9月9日から2024年4月9日時点で2250時間以上やっていることがわかった。最低でも1日に4、5時間やっている計算になる。見返してみれば1日13時間くらいスプラトゥーンをやっている日もあって震えた。おしまいだ……。

軽く出かけた先の本屋でミナペルホネンのお皿が売っていたので迷わず手に取った。実は大好きなブランドなのだ。かわいいデザインのかわいいお皿をふたつ持ち帰り、並べる。すごくかわいいぞ……としばらく微笑む。

ミナペルホネンはもともと母がとても好きなブランドのうちのひとつだった。京都に店舗があり、雑貨に興味がないようなおさないころからわたしはよく母の買い物に付き添って店を訪れていた。当時は、いろんな模様の生地がたくさんあるお店だなあと思っていた。

実家にはミナペルホネンのクッションやお皿、雑貨にポスター、生地がたくさんある。大人になるにつれ母のそのセンスの良さがわかるようになり、母に似たものを好くようになってからわたしもミナペルホネンの雑貨を集めるようになった。親子とは、昔は全然趣味が合わなくてもこういうふうに感覚や好きなものが似ていくこともあるんだなと実感している。クソガキ時代のわたしといったら、難波のジャーナルスタンダードに足繫く通う母の後ろを仏頂面でついていき、店に着いたら展示されているソファに座ってゲームボーイアドバンスSPでポケモンのサファイアをやりながら秘密基地の製作ばかりしていたというのに……。(あまりにも店に興味がなく結構な時間待たされるしつまらなかったため)今ではわたしもすっかりジャーナルスタンダードが大好きになった。母と服や雑貨について話すことが増え、今回のお皿も報告しておいた。

🫰

お風呂から上がった瞬間フォロワーの誕生日だったことを思い出して、慌てて電話をかけた。髪を乾かしながら誕生日おめでとー! と言って、ありがとー! と返ってくる声に落ち着く。なんかおいしいもの食べた? だとか、今日は休み? とか聞こうとしたところで、ドライヤーの音がうるさすぎて何も聞こえないことに気づく。ごめん髪乾かしてからもっかい電話する! と言って電話を切りつつも、最初からそうすればよかったとひとりで苦笑した。言いたい気持ちが先行しすぎた。

そのフォロワーと電話しながら、布団をコインランドリーに突っ込んでネイルを替えに行った。

ネイル中はお姉さんと話したり話さなかったりでぼうとすることも多くなり、いつも眠くなる。帰り道にはパン屋でスコーン(くろこげの丸いものがふたつ乗っているように見えるけれども、いちじく、抹茶、チョコ味の3種類だ。)を買ってお昼ご飯兼おやつにした。

……ものの、この日はこのスコーンくらいしかご飯を食べなかったし、翌日もろくにご飯を食べずに過ごした。なんというか、わたしは気を抜くと休日の食生活が終わる。平日はお味噌汁を作るし納豆を食べるしおかずを食べるけれども休日は空腹よりも面倒くささの方が勝って何も食べなくなるし水をすこし飲むくらいになってしまう。休日だけ植物みたいになる。気をつけなきゃな……とは思っている、本当に……。

ということで、トマトパスタを作った。

然しパスタ用にと取り出した冷凍のささみを足に落として怪我をした。情けなさすぎて声が出た。

そうして過ごすにつれ4月も半ばを超える。様々な原稿の締め切りが迫ってくる。毎週言っているけれども本当の本当に頑張らなくては……。頑張るぞ!

@a_waltz_at3pm
自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)