2024年1月3週間目

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書き終わってもすぐに公開することができない小説をいくつか(今回は3作だったわけだが)抱えていると、一種の焦燥に駆られてしまう。あの……ネットに上げられてはないんだけどいっぱい書いているんですよ……怠けているわけではなく本当に……! という焦燥だ。誰に強制されているわけでもなく問い詰められているわけでもないのにそう言いたくなってしまう。今週の月曜から土曜日までは概ねそのような気分だった。小説を書くのは大変で苦しいものの楽しい。然し、小説を書くことそれ自体よりも頻度や文量をわかりやすい指針や目標として据えている身として、一定の期間以上に小説を挙げられていないとどうしようもない喪失感がずっと自分の内側に漂うような気分になるのだ。

小説家でもないくせに今後の人生ずっとこうなんだろうか……とふと不安に感じる反面、いまさら自分の生活に小説がないのも想像できない。過去のわたしも未来のわたしも、常に自分と戦っていけ、とこぶしを握る。JKローリングがハリーポッターを書いたのは30歳なんだぞ。

さて、今週は通販で購入していたものがたくさん届いた週だった。注文していたのを完全に忘れていたものもあったりして、過去の自分からのサプライズプレゼントだ、とすら思った。以下は購入したものとその感想である。

①MARGE SHERWOODのシルバーのショルダーバッグ

この前の日記で書いていたバッグが届いた。開封して噂のダニがいないか確認(韓国ブランドでその国から発送されたものだったので)し、そっとバッグを手にしてみたらデザインはもちろん理想的な大きさと内容量でとてもよかった。水筒を入れても中身に余裕のあるバッグはいい。化粧直し用の道具も粗方入れられるし、携帯充電器も入る。ハードカバーの本だって容易く入る。夏になったらシンプルで質のよいTシャツにジーパンのスタイルでこのバッグを持ちたい。どこにだって連れていけるな……と微笑んで、自分の審美眼の確かさにうなづいた。すごくかわいい!

② THE GOOD FLOWER JAPANのラグ

インスタグラムでもともとアカウントをフォローしていて、通販開始の告知と共にストーリーに上がったのを見てひとめ惚れをしたラグだ。初めて見たとき、こんなにかわいいラグがこの世にあるのか…!? と吃驚したものだった。デイジーも青も好きなので心臓の真ん中を射抜かれた感じだ。多少値段は張るものの、すぐに購入した。(値段で迷って購入するとき、よほど高いものでなければわたしは日割りで考えて買うことが多い。考えるとは言っても、「日割りで考えたら今が一番安いしな……後悔するだけ高くなっていくし……」「明日死ぬかもしれないし……」と自分の意思を肯定するだけなのだが……)

3月ごろに届くと聞いていたもののずいぶん早く手元にやってきてくれた。早速玄関に置いてみて、玄関が世界一キュートになった、と満足した。仕事終わりの足で踏むのが嫌で、ここ数日はわざわざラグを避けて帰ってきている。ラグとしての使用は適切でない。本末転倒か? でもいい。大事にしたい。

③+d(プラスディー)Nego(ネゴ)猫の陣取りゲーム

Xでバズっていたのを見かけて購入。デザインがかわいく置物としても優秀な上にゲームとしても使えるなんて買うしかなかった。開いた箱の中に適切な位置と絶妙なバランスで以て白と黒の猫が敷き詰められていてにやける。猫なんて何匹居たっていい! ただ箱の中に入れておくのもな……と思いつつ、来客の予定がある日はこれらの猫を家のどこかしらに置いておいて、上がってくれた友人に隠れミッキーを探すかの如く見つけてもらおうかな、などと考えたりする。生憎わたしの部屋に隠し扉なんてものはないので、友人各位には猫探しで満足してもらうほかない。

一次創作「星成之巫女」を読んでくれた友人から感想が送られてきた。この物語は5月の文学フリマにて正方形の本として発売する予定のものだ。本にする予定に伴って、3万字近い一次創作小説を書いたのは人生で初めてで不安だったのでわたしと同じく小説を書く友人に中身に違和感がないか・単純な話の面白さはどうだろうか、お礼はするのでそれらを確認してくれないかと依頼していた。彼女曰く、「面白かった。美しいのにめちゃくちゃ残酷でその対比が刺さる」「傑作だった。自信を持て」とのことなのでひと安心する。

いくつかアドバイスももらえたので製本時に修正する際検討することにした。物を作る・何か生み出すという作業においてやっぱり第3者の意見を貰わないとわからないことも多い。それと同時に、わたしが良いと思えるものが他者にも良いと感じてもらえる部分があるのだとわかると物凄くうれしい。二次創作も一次創作も、自分の張ったアンテナが誰かと通じているとうれしいものだ。

星成之巫女については、現在プライベッターに上げている内容の再録に加えて書下ろしも収録し、初めて装丁を凝って最高の本にして頒布するつもりなので、どうか楽しみにしてもらいたい。寧ろ、制作側のわたしが一番楽しみにしている。

レストランで出てきたら嬉しいパスタを作った。アボカドパスタに去年の黒磯での一人旅で買った燻製ソーセージを添えたものである。御覧の通りビジュアルが最強だ。

これは目玉焼きを乗せたプルダック。前回で学習して、辛いソースを少しだけしか入れなかった。

3カ月に一度ある婦人科の定期検診に行った。早いもので、わたしの腹から4×5×8センチのチョコレート嚢胞が見つかってから二年が経つ。腹腔鏡手術をした日はずっと記憶に新しく、病理検査の結果を聞きに行く日の気分は今でも覚えている。腫瘍が良性のものだとわかった時、やっと生きている心地がした。そこからも幾つか地獄を経験しつつも、今日まで何とか生きている。

3カ月前に内診をして再発がないことを診てもらっていたので、今回は現状報告とジエノゲストの処方箋を貰う話と次回の予約をして終わった。

Xの友人と通話でスプラトゥーンをやり、リッター及び長射程が憎すぎて敵に来るたびいやだ!!と駄々をこねていた。ドリンク環境で長射程のみなさんがいくらきついと嘆いていようと短射程からしてみれば嫌なものは嫌なのだ。「高台で見下ろしてくるだけのそのお綺麗なツラ吹き飛ばして差し上げましてよ〜!」などとみんなで口悪お嬢様になりながらリッターとハイドラをシバきヤグラに乗る。

獣医の友人から、新刊「それでもこれを愛と称ぶ」を買ったよ~という報告を受けた。なんと500円もBOOSTされており、いくら友人とはいえ恐れ多い。昇給試験に落ちたかもしれないと話す彼女に、慰めには暗い本だけどすこしでも慰めになればいいなと言ったら、「疲れてる時に元気な話読んだらうんざりするからちょうどいいよ」と返された。彼女のためにも愛をこめて梱包する。

先週はポトフを作ったので、今週はクリームシチューを作った。クリームシチューは上出来だったけど、トースターでフランスパンを焼いていたら焦げたフランスパンから割と本気の火がでてしまい危うく家が燃えるところだった。笑えない! 二度とトースターでフランスパンは焼くまい、と少々極端な誓いを立ててヒヤリハットの防止策とすることにする。

仕事にて、いままでイラレに触ったことがないのにイラレを使ったチラシを二日で作れと言われて困惑する。ふ、二日で……? しかもその帰りには自転車でこけてしまった。左膝を擦りむきストッキングまで破れた。これが人生ゲームなら3マスは戻っている。

二度寝をしてから、上野毛で行われる多摩美術大学の統合デザイン学科と大学院博士前期課程デザイン専攻(統合デザイン)による卒業・修了制作展に行く。新年のリストに〈月に一度展示に行くこと〉と目標を掲げていたからだ。朝昼兼用の食事は可愛いカフェで北欧暮らしの道具店のモーニングルーティーン動画【https://youtu.be/L7c_DgYf_LQ?si=9XU7GS6k51pCEMb8】を見ながら(丁寧に暮らしていたり雑貨がかわいい部屋で過ごしている人の生活を見るのが好きで、よくvlogも見ている。白湯、出勤前に朝から沸かす時間なんてものはないよ〜!と思いながらいつも見ている。)キッシュを食べた。

電車に揺られて上野毛に着いてすぐ、ア・マ・ファソンという素敵なお店に入店する。美味しいおやつを食べるためだ。3時閉店で2時過ぎに入店した。ずいぶん混むお店のようだけど、雨が降っているからかもう閉店が近いからかすぐに入ることができた。色々と完売していたけど、美味しそうなパフェがまだあるとのことでそちらを注文した。

これが注文したパフェである。

出てきた瞬間、す、すごいパフェだ……。と震えた。だってあの、ほら、見た目が……すごい……! かわいい……! おしゃれすぎる……! しかもそれのみならず味もめちゃくちゃおいしい……! すごい……! 上に乗っている果物やマカロンも、中に詰められたクリームも全部美味しい! それしか言えない。完全無欠の完璧なパフェ、すごいものを食べた。素晴らしいパフェなのでお値段もそこそこするけれども(現金払いオンリーのため、わたしはお店の方に伝えて近くのATMに走り、お金をおろして戻るなどした)、それだけの価値がある。食べられて良かった。

さて、雨が降る中での多摩美の卒展である。わたしは美大の卒展に初めて行ったのだけれども端的にいうと、物凄く面白かった。見に行くことができて本当に良かった。満足感が凄い。案内のある校舎を巡りながら、四捨五入したらこんなのほぼ遊園地だろ……。とまで思ったくらいだった。子供の来場者が多いわけだ。

良いものをたくさん見た、という漠然とした満足感だがそれでも、感じさせられるものが色々とあった。

写真は特に面白いと思った展示の抜粋だけど、どの作品も興味深いものばかりだった。「誰もが何かを虫と見間違うことがある」という着眼点から造られた工業製品の虫たち。脳内に溢れる言葉をさまざまなフォントで表した壁。反射を利用して映像とオブジェクトの繋がりを探る作品。日常の何気ない不快感を描いているグラフィック。写真のおもてを有機溶剤で溶かして擦ることで、写真はただ現実を映したものでなくインクで構成されたオブジェクトであるのだと証明する作品など──これら全てが学生の手によって作られたのだと思うと感服させられるばかりだった。

作品は全て製作者の名前とコメントがそばに添えられているのだが、それを読んで作品を再び見るとつくづく驚かされるばかりだった。彼彼女らの捉えるこの世界とは、この世界から感じる美とは、形や質感に囚われることなく極めて自由でいる。どうして自分はそう考えたのだろう? どうして自分はそれに興味を持ったのだろう? と感じたものに問いかけ、自分自身を崩してほぐして理解して、作品に昇華してゆく過程が面白い。何気ない着眼点やセンスのある発想力には、ずるい……と悔しさすら覚えた。感じたものを絵や色、光、音などあらゆる技法を使って表現する手腕はさすが多摩美生だ。自分の脳内にあるイメージを現実にそのまま出力するには多大な労力が必要になるし、凄まじいストレスだってかかる。然し、それを見事叶えてみせる圧倒的な力……! それをひしひしと感じさせられる力強い卒展だった。

そうして、すごいな〜と展示を見て回る中で偶然クロスレビュー(展示作品とその製作者に対し、大学の講師の方々? が製作の意図などについて問うもの。素人質問で恐縮ですが……のアレだ。卒論発表のようなものに近いと思った。)に立ち会えたのでそちらも見学させてもらった。美大の校舎内を見せてもらえるだけで部外者としてはワクワクするのに、クロスレビューまで見せてもらえるのは凄い。学生さんたちが、今クロスレビューどこ!? 上! やべー! 多分ザックザクに刺される! 泣く! など言っているのを、大変だな……。と思いながら見ていた。この卒展が本当によかったので、2月末から開催される五美大展も絶対行こう、と心に決める。卒展、今まで行ったことがないのが本当に悔やまれる……。

帰宅して、webイベの最終的な準備に取り掛かる。日曜日は1日中会社の先輩・同期とカラオケだ。深夜に帰宅したらベッドに直行すると思うので、こうして早めに日記を更新しておく。明日は龍角散を忘れない。webイベが上手くいきますように。

@a_waltz_at3pm
自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)