2024年6月4週間目

a_waltz_at3pm
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公開:2024/6/24

最近の通勤中はアニメ「忘却バッテリー」のOP曲であるミセスの「ライラック」を聴きながら自転車を漕いで汗をかいている。とにかくイントロが最高! 爽やかでいい歌だし、聴いていて楽しい気分に成れるので夏間近の朝にはぴったりの曲なのだ。OPの映像もMAPPAらしさが詰まっていて綺麗でいい。

スポーツもののアニメにふれたり主題歌を聴いたりしていると、ふと、ほんのすこしだけこの曲を聴いて真に思いを馳せることのできる現中学生や高校生がうらやましいなと思うことがある。青春の日々を過ごす人たちを駅や道中で見かけると目で追ってしまいがちになる。別に過去に戻りたいというわけではないし、むかしに未練があるというわけでもないのだが、それでも、あんなふうに部活動に一生懸命取り組むことができるのは学生の特権だなと嚙みしめてしまうのだ。こうも大人になってしまっては熱心にひと夏を丸ごと何かに捧げたり、何人もいる部員と一緒に毎日を過ごすこともない。あの日々こそは唯一無二だった、と焦がれるのは必然で、今の自分じゃ、これからの自分じゃもう味わえない夏だったから、いいなと思ってしまう。『青に似たすっぱい春とライラック 君を待つよ ここでね』『あの頃の青を覚えていようぜ 苦みが重なっても光ってる』ライラックはそういう曲だ。

今週のご飯。コップとかお茶碗の位置が汚い! と友人に言われたので日記始めて半年でやっと配置を気にしました。

ろふまお(にじさんじのグループ)のチャンネルに動画が上がったのを見て思わずやりたくなり、スプラトゥーンのアカウントで仲良くしているフォロワー3人と一緒にアソビ大全に収録されているルドーをやった。急に声をかけたのにみんな参加してくれた。ありがたいことだ。

あのルドーである。当然戦いは泥沼化し、ワーギャー言いながら2時間を過ごした。誰とやってもルドーは楽しい。生殺与奪の権を握って相手の命乞いの言葉を聞く楽しさ……。ルドーをやっていると運というものがこの世には確かに存在しており、運に味方される人間とそうでない人間がいるのだと実感することができる。なんでこのタイミングで寄りにも寄ってこの数字が……!? が何度も起きて自分の駒が無残にも吹き飛ばされると、面白いを通り越して怖くなってくる。阿鼻叫喚の殺し合いルドー、またやりたい。

父の日にステーキを2枚送った。母と父とで分け合って1枚ずつ食べてくれたら~と思っていたら父親が2枚とも食べてしまっていた。まあ、とても美味しかったようなので、べつにいいか……という感じだ。

髪を切ってパーマをかけ直しに行った。ベリショパーマが夢だったのでもう夏ということも踏まえてかなり短くしてもらい、前回よりももっと理想に近い形でパーマをかけてもらえて大満足だった。今月は金銭的に厳しいけれども、夏になったら帰省前にカラーもしたい。

ニンテンドーダイレクトがあった。一人称視点メトロイド、絶対やりたいけど絶対に酔う! 他にもドラクエが出たりと気になるソフトがたくさんある。以前日記でも話題に出した「グーの惑星」は8月2日発売予定だ。絶対にやる。

仕事でチラシを作り動画の編集をしてCANVAを酷使する。こういう仕事は嫌いじゃないので楽しい。

フォロワーさんから「5月のハズビン・ホテルのイベントで頒布されていた新刊(第三者視点越し自カプ観測本)について語らせてほしい」というありがたいにもほどがあるお誘いを受け、寧ろそんな嬉しいことしてもらっていいのか……? なんかお金とか払うべきなんじゃないだろうか……という恐れ多い気持ちを抱きつつもぜひ、との返事をした。夢みたいなお誘いだったから、もしかしたら夢とかわたしの思い込みとか勘違いだったかもなあと思っていたけれども約束の日はちゃんとやってきた。夢じゃなかった。

わたしはネット上のコミュニケーションが下手なあまりに二次創作に関しては長らく、そしてほとんど、誰ともかかわりを持たず小説を書き続けていたので今の時代はこんなハッピーラップバトル(※ラップバトルではない)が流行っているんだ~!? と驚いたのだけれども、曰く、界隈全体で流行っているわけでなくそのフォロワーさんが自主的にお声がけすることで成り立っている会であるらしいので、素晴らしいな……。と思った次第だった。どちらがよりよい良いのかという話でないことは大前提として、よかった、を文面越しに伝えてもらえるのと声を通して伝えてもらえるのとではまた質感が違う。相手に与うる嬉しさのきらめきの色が違う。約束の時間を迎えた時、わたしは傍らにそのフォロワーさんの本と自分の本とを携えていそいそと寝台にもぐり、緊張でめちゃくちゃ上ずった声の中パラレルで初めてフォロワーさんとお話しをさせていただいた。

通話を開始して間もなく、ここが良くて、ここの表現が好きで、第三者視点だからこそ得られる栄養があって……と新刊のページを開きつつ次々に落とされ続けるお言葉を耳にするたびわたしが感じていたことと言えば「脳みそ沸騰しそうだな……」ばかりだった。こんなに高濃度高出力で自分の作品に対する言葉を伝えられ続けることはこれまでのわたしの人生になかったものだから、動揺と緊張と高揚とで通話の序盤はかなり目がぐるぐるしていたのだ。僅か開始十分でクーラーの温度を一度下げたし、一生分のありがとうございますを言った気分ですらあった。わたしがまともに相打ちできずつまらない返事しかできずにいた中でもいろいろと話を続けてくださったフォロワーさんには頭が上がらない。ただただ感謝しきりだった。

ところでこれは極めて個人的な話になるけれども、わたしは特に二次創作においてわかりやすく「萌える」シーン(言語として表す際に一番わかりやすいのでこの表現を使用します)を書くことがそこまで得意でなく、もっとわかりにくく他者に共感されにくい部分に個人的に「萌える」シーンを見出したり仕込んだりすることが多い。例えばそれは、キャラクターに付随する生活感や実在感、メインキャラクター以外との関係性から醸し出される雰囲気や会話だったりする。自分のキャラクターの解釈が僅かににじみ出る所作や台詞、習慣などをわざわざ描写して、そこからキャラらしさがさりげなく香るようにすることにこそ「萌え」を感じるタイプのオタクなのだ。あ~、確かにこのキャラってそういうことをしそうだよな、を追求するのが好きで、とことん拘りたくなる。そこに萌える。例えば前ジャンルでよく書いていたちょっとものぐさなキャラクターの描写なんかをするときには、「中学の時の理科の実験で作ったアロマキャンドルにはうすく埃が被っていて、一度も使われることなく部屋の棚に置かれたまま飾ってある。愛着も特にない、スペースを埋めるだけの存在である」「通学カバンの底には皺くちゃになった飴玉のつつみ紙がいくつか落ちていて」とか、別に書かなくたって話は成り立つし必要か必要でないかというと別に必要ではない、でも絶対入れたい……という気持ちでそういうことをわざわざ書いたりした。くどくなく、さりげない程度の、でも自然な感じというか……この説明で伝わるかわからないけれども、とにかく、自分なりにキャラらしさを突き詰めて創作に落とし込むのがわたしの性癖であり「萌え」なのである。

今回お話してくださったフォロワーさんはその点もすごく良く感じてくださったらしく、嗚呼、そういう描写が好きな方なら確かにわたしの作品は刺さるのだろう……と思わされた。書き手側が好き好きに敷いた細かい拘りや何気ない好きを詰めた部分なんかは完全に自己満足の産物なのだけれども、丁寧に読みほどき、ひと文字だって漏らさずわたしの綴った言葉を拾ってくださらなければ見つけられないだろう、気づかないだろうその良さを感じてくださる方が居るのは言葉で上手く言い表せないくらいに嬉しいものだった。書き手が一方的に書き散らしたものに対し読み手側が作品にたっぷりと時間を割き、献身してくれなければ成立しない「萌え」を見つけてくれる有難さと言ったら……。

なんだかインタビューを受けているような(?)気持ちで、どうやって新刊の内容を書いていたのかのお話もさせていただいた。元が海外の作品だから海外文学や翻訳小説を読んでなんとなく質感を寄せていたこと、ぱっと見でページが黒く思えたらひらがなの割合を少し増やしたり、漢字の意味合いが許す限り同じ読みや似た意味を成すものは好きな形の漢字の方を使う(例:長く→永く の方がよく使う)ようにしています、というような話をわたしがすると、おもしろ~!! と言ってもらえたので本当によかった。(相槌を打つのとありがとうございます以外で碌に何も面白い話ができなかったため)フォロワーさんは漫画を描かれる方なのでわたしもいくつか質問をしたけれども、漫画には漫画の良さと苦労が、小説には小説の良さと苦労があって隣の芝生が真っ青ですね~と言い合いながら話をしていた。創作している方のお話を聞くのは勉強になるし、創作の手法が異なると面白い話が聞けるので楽しい。「漫画は大抵の人がゼロからのスタートだけど小説はゼロから1を大体の人ができるからこそ10や20のレベルにもっていくのが大変だとおもっている」というお話を聞いた時は、自分に無い視点だったのでなるほど~とうなづいたりしていた。わたしは小説では絶対に不可能な所謂「見せゴマ」を作れる漫画や漫画の力がすこぶるうらやましいので、そのお話もさせていただいた。

そうしてよくよくお話をしてゆくとフォロワーさんとわたしはお互いに創作の傾向や二次創作に対し良い! と感じる点、自分で創作する際に譲れない部分などがかなり共通していることがわかり、今までだってあまり話したことがなく今回初めて通話させていただいたにもかかわらず「ねえめっちゃわかる~!!!」が止まらなかった。話に説得力を持たせたい点などはまさにそうで、この尺度や熱量を込めたい箇所のものさしが合っているからこそ互いの作品が互いに激刺さりしたのだとわかったのも嬉しかった。好きなものを突き詰めることも、好きなことを貫くことも、それを表現する技術もみがいているうちは苦しくて仕方ないのだが、その果てにこういう出逢いがあって、誰かの好きにここまで刺さったなら苦しみにあえぐ道程には間違いなく意味があるのだと思わされた。

通話は4時間に及び、わたしがフォロワーさんの新刊のここが良かったとお話しさせていただいたのを惜しんで終えたころには深夜の1時になっていた。アプリを落とし、しんとした部屋でいくらかぼうとして、心臓がほくほくとしていたからやっぱり夢だったんじゃないか? 今の……。となりながらその日は眠った。良い日だった。これからも拙いなりに創作を続けていきたいなと思った。

2024年の目標に「新しく友達を作る」と掲げていたので、アプリで連絡を取り合っていた女性と約束をして会うことにした。趣味が共通していたことをきっかけに開始したアプリ内でのトークで彼女とわたしが話していた話題は「REBORNが好き」「にじさんじをよく見ている」だったのだけれども、話の流れから「よかったら今週末で終わっちゃう天野明展一緒に行きませんか?」とお誘いを受け、一緒に行くことになったのだ。行きたいなあと思いつつなんだかんだ伺えていなかったので、月に一度展示会へ行く、の目標もあるしちょうどいい機会だと思った。

池袋駅で待ち合わせをし、なんとか無事合流できたので池袋サンシャインの方に向かって歩いた。こういう、アプリでトークをしてから実際に会ってみるのは2回目(初めてアプリ伝いに会った子とは今でも月に一度出かける友達だし、もう2年くらいの付き合いになる)なのだが、なんというか、わたしは運に恵まれていていつもとてもいい子とばかり出会えるのでうれしい。今回出会った子ともとても話が合って、歩いている途中に沈黙が気まずくなることもあまりなかった。アコスタというコスプレイヤーさんのイベントが行われている池袋サンシャインに行き、あ~あれあのキャラですね~とか道中をゆくレイヤーさんを見ながら展示会場に向かい、入場した。

天野明展は「鴨乃橋ロンの禁断推理」「エルドライブ」「家庭教師ヒットマンREBORN!」の3部に分かれて展示されていた。正直、リボーン以外の2作はかなりにわかだったのだけれど、それでも天野先生の絵がじっくり見られるのは面白い。展示も工夫されていて、漫画の一場面を再現した空間ではキャラと一緒に写真を撮ることができるようなつくりになっていた。(とはいえ、このコマに外野である自分が入って写真撮るのだいぶ解釈違いですよね……とわたしたちは話し合っていた。)

リボーンのエリアは一番奥にあるのだが、そこに入ったときの感動はすごかった。青春の全部が詰まったような場所で、あふれる懐かしさと好きと思い出とで溺れそうだった。あのころ愛していた世界が、その原画が目の前にある……! 

天野先生の絵がとにかく上手すぎて原画が原画に見えないくらいだったのだが、本当に見ることができてよかったと思う。単行本でずっと眺めていたコマに修正液が散り、ベタ塗されている筆跡がわかる様の良さはすごい。当時ガチ恋していた雲雀恭弥の原画にはしゃぎ、γとユニの原画で泣き、思い出深いシーンの原画の数々が展示されていてハマっていた時の記憶が思い出される都度リボーンの世界がいとおしくなって仕方がなかった。休日の朝はリボーンのアニメをリアタイしていたなあとか、雲雀の出番が来たときは通っていた塾の終わりにジャンプ本誌を買ってリボーンのページだけファイリングしたなあとか、夢小説サイト巡ってたなあとか、自分でも夢小説書いてたなあとか……。長く愛している作品の展示会を行ってくれることに感謝しつつ、最後のパネルエリアを抜けたらお土産としてフレークシールを買って帰った。ユニのアクスタが在ったら絶対買ったのにちょうど売り切れていた。

展示を見終えた後はサンシャインシティの中で早めの晩御飯を食べて解散した。ご飯中もいろいろと話が盛り上がって、「すっごく楽しかったです! 次はカラオケ行きましょう!」と言ってもらえたしLINEも交換できたので本当に良かった。わたしも楽しかったし、すこしずつ遊んでいける友達になれたらうれしいな~と思う。いつまでも、いろんな人と関わることを諦めたくないのだ。

とうとう6月も終わりが見えて来て、7月がやってくる。ずっと言ってるけど、夏が来る! 楽しみすぎる! でも7月は毎日SSがある。油断していられない。気合いを入れなければ……。

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自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)