2024年5月1週間目

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これは、名前は知らないけど綺麗だった花だ。春だな~と思って写真を撮った。

『月に一度は何らかの展示会に行く』という目標を立てているので、原稿にめどがついたこともあり滑り込みで東京都美術館で行われている『デ・キリコ展』に行った。デ・キリコのことは何も知らないまま、ネットで調べて見つけたキービジュアルの絵が不思議でいいな、くらいの気持ちで観に行った。

東京都美術館にはこれまで何回も足を運んできたけれども、その中でも一番、デ・キリコ展はいい具合に空いており、展示物が適度によく見られるような混み具合でよかった。去年行ったゴッホの展示や印象派展の時に味わった人の多さは展示物をちゃんと見るのも億劫になるくらいだったので、疎らに居る人波にまぎれながら展示会はこのくらいの人の多さがいいな……としみじみ思っていた。それに、中がなんだかかわいい仕様になっていたのだ。誂えられたアーチ型の入り口は遊園地のようだった。

デ・キリコのことを何も知らないまま入館したけれども、なかなかに面白くてよかった。年齢や時期によって作風や使われている技法が大きく異なるため、本当に同じ人の描いた作品を展示してるんですよね? という感じだった。その上絵だけでなく、彫刻作品から舞台芸術の作品、服まで飾ってあるので驚く。これだけ色んなものに手を出して、作風や技法をいろいろ学んで、素晴らしい作品を90歳になるまで作り続けて亡くなったのか……と思うとうらやましくて仕方なかった。わたしもいろんな小説を書いて歌もめちゃくちゃ上手くなって絵もまた描き始めたりなんかして、こう、いい感じに長生きしたい。

あと、デ・キリコの描いた不思議な世界観の絵を眺めそばに記載された解説を読みながら、『遠近感とか縮尺とかがめちゃくちゃで不思議な絵だけどなんかいいなあ』と感じるものはモチーフの配置やびみょうなずれまでちゃんと計算されたうえで観る人間に「いいなあ」を感じるように設計されているんだな、ということにいまさらだが気づいた。人の感覚にすっと嵌る感覚と言えばいいのだろうか、一見出鱈目に思える絵でも、観ていてどことなく心地よさを得られるのはその規則性がないように思える絵の中に織り込まれた技術力や表現力がただしく、そして惜しみなく注がれているからなんだなあ……、と思ったりして……。これがただしい感想なのかわからないけれども、どことなくであれ、理解することができてよかった。

気に入った絵のポストカードを3枚買って美術館を出た頃、夕方に品川で予約している映画(異人たち)の観賞までかなり時間に余裕があったので、東京都美術館の隣にある上野動物園で時間を潰すことにした。動物園、しばらく行ってないな……と思ったのと、このタイミングを逃したらもう一生行かないかもしれない、と焦ったのだ。水族館は涼しくて室内展示で好きだからよく行くのだが、動物園は外だし臭いでしんどくなってしまった過去があり、なにかと避けていた。今しかなかった。

普段成人した人間以外観ることがあまりないので、なんとも新鮮な気持ちで動物たちやはしゃぐお子様たちを眺めていた。猿とか、プレーリードッグの親子とか、象とか、ホッキョクグマとか、タンチョウとか、アジアゾウとか、コウモリとか、スローロリスとか、ルリカケスとか、バクとか、デグーとか、虎とか、ゴリラとか、雷鳥とか、レッサーパンダとか、カンガルーとか……。生まれたての動物をガラスに張り付いて観ていた幼稚園児くらいのこどもが、「あたしも生まれたてだよー! お揃いだねー!」と話しかけていてよかった。生まれたての自覚がある……。

せっかく上野動物園に来たので、ちゃんとパンダも見た。笹を正面向いて食べてくれたりしてサービス精神がすごかったのと、あくびをしたり起き上がったりするだけで歓声が生まれる人生とは……と変なところで羨んでしまった。でもだって、そんなの羨ましい。

ともあれ、上野動物園は広すぎる。東園と西園って……。全部を見て回る体力もなく、パンダさんを見た後は品川に行った。

欲しかったレコードが届いたので、レコードプレーヤーに設置してしばらく音を楽しんだ。音楽とはまさに! レコードらしいノイズににやつく。いい。最高ライフだ。

iveの新曲が出た。ビジュがいい~! ワンレンボブのアンユジンさん大好き!

noteの創作大賞に一次創作作品の「星成之巫女」「それでもこれを愛と称ぶ」の2作品を恋愛小説として応募した。どちらともとても思い入れのある作品だし、気軽に応募できる内容だった(同人誌で発表したものでもOKという)ので、すこし挑戦したい気持ちで応募した。締め切りまでに間に合えば、『碧海の綴』という海をテーマにした一次創作作品短編集に収録していた書き下ろし『最果てのサンダル』(17000字くらい)も加筆して応募したい。然しながらこうして一次創作作品を振り返ってみると、書いている数こそ多いものの2万字以下の作品が多くてまだまだだなあと思わされる。し、愛の話が好きだからとはいえ恋愛小説ばっかり書いている様に引き出しの少なさを実感する。一次創作ももっと書いていきたい。今年が終わるまでに2万字以上の一次創作小説を1作品書く、という目標を新たに立てつつ、7月の一次創作縛り毎日SSに向けてネタ探しもする。

イベント前なので美容院に行った。髪を染め、髪を切り、そして人生で初めてパーマをかけた!

長年パーマをかけるのが夢だったのでこれはうれしい。わたしは所謂ドストレート髪で髪が固く本人の性格をあらわすかのように頑固な直毛だったがゆえ、むかしからくせ毛に憧れがあった。ふわふわでやわらかい髪の毛が本当にうらやましかった。髪がドストレートすぎるせいで、パーマをかけたいんですが……と美容師さんに相談しても、「いやあ、この髪質だとすぐとれちゃうと思いますよ」などと苦笑されるほどだった。然しこの度、もうすぐに取れてもいいからパーマ掛けてくれませんかとお願いした。そしたら、案外ちゃんとパーマがかかったのだ。うれしい~!! セットにはまだ慣れないけど、個人的にはとても気に入っている。ヘアケア商品とヘアセット商品をめちゃくちゃ買った。ながらく付き合ってきたストレートとはしばらくお別れだ。髪を洗ってパーマが復活する様を見るだけで心が躍るし楽しい。

以前よりソファを買い替えたいと日記にも書いていたけれども、リサイクルショップでようやくソファを買った。カリモクのKチェアである。定価より42000円ほど安く買うことができた。

このタイプのカリモクのソファが欲しくてずっと、いろんなリサイクルショップやジモティーを探しまわっていた。有名なソファなのでたくさん中古品はでているものの、どうしても値段で足踏みし続けてしまいなかなか買う覚悟が決まらずにいた。そんなとき、値段と品質と送料合わせてまあまあいいかも……と目星をつけていたものが売れてしまったのだ。もう二度と値段で迷うまい、と覚悟を決めたところ速攻新しいソファが見つかり、速攻店舗に予約の電話を入れ、実物を確認し、明日死ぬかもしれないし今買った方が一番安いし、と心の中で唱えながら速攻購入した。今まで使っていた1シートのソファは3000円で買い取ってもらい、無事、我が家にはカリモクがやってきた。ようこそおいでませ。シックな緑がかわいい。買ってよかった、と心から思った。ひとりだと寝そべったりできるし、人が来たらちゃんと並んで座れる。なのに、そしたら次は作業用デスク兼ドレッサーの椅子を買い替えたい、という気持ちがわいてくる。次から次へと……。

近くの店で白苺が売っていたので、食べながらイベント準備の作業をした。美味しかった。

今週のご飯。

おいしいパンと大好きなアップルパイにバニラアイスとシナモンを乗せたもの。

冷製レモンラーメンとうまく行ったチヂミとお味噌汁。このチヂミは新しく買ったフライパンで焼いたもの。綺麗!

タンドリーチキンとブロッコリーのアーリオオーリオといつもの並び。タンドリーチキンは翌日丼になった。

仲良くさせてもらっているフォロワーさんと蔵前に出かけた。

美味しいサンドイッチとアイスクリームを食べながら、スプラトゥーンの愚痴を言ったり創作の話をしたり、ね~とうなづきあっていた。わたしは蔵前が大好きなのでフォロワーさんに蔵前の素敵な店を案内するような気分だったのだが、それにしたってかなり連れまわしてしまった。(とはいえフォロワーさんはお犬さんを飼っており、普段から歩き慣れている関係かわたしの方が先にくたばっていた)カラオケでLoser,Babyなどを見せつつハズビン・ホテルをぜひ、とおすすめしたら帰宅後サプライズでハスクが送られてきて動揺する。押し絵師の推し、ありがたい……!

そしてこのころから異常に鼻が詰まり始める。慢性鼻炎持ちで蓄膿もあるけれども、それにしたってこのタイミングじゃなくていいだろ、という思いだ。イベント前だっていうのに!

イベントの前日はネイルを替えたりまつパをしたり慌てて無配を書いたり届いた見本誌とソファに大満足したりいろいろ印刷したりしながら、妙に悪い体調を感じつつ勘弁してくれ~と薬を飲みまくってどうかイベント楽しめますようにと祈りながら眠った。

イベント当日は、パーマを頑張ってセットするため早起きした。洗い流さないトリートメントと……バームと……ハードジェルと……こんな感じであってる!? となりながらなんとか化粧して(アイライン引くのを忘れる大失態を犯す)服を着てサークルチケットを握りしめ、死体でも入ってんのかと疑いたくなるほど重いキャリーケースを引きずりながらビッグサイトに向かった。3月にも来たはずなのに、ビッグサイトに来ると新鮮にワクワクするしたくさんのオタクが集まる様はイベントの活気を感じられて楽しい。売り子をお願いしていたフォロワー(バカンスにでも行くのかというような恰好をしていたわたしと違い、ちゃんとハスクの概念服装で来てくれた)と無事合流し、スペースの準備やお隣の方への挨拶を済ませて無事、イベントに臨むことができた。

これは無配を折ってくれているフォロワー。

イベントの感想だが、本当に有難かった。楽しかったというよりも、ずっと有難かった。

「わたしもモブ視点が好きで、支部でサンプル見てほしいと思ったんです!」「支部の作品何回も読んでます!」「うぇぼにも何回か感想送ってて、応援してます!」「前出されてた本がよかったので、今回も買いたくて!」「春コミでもらったノベルティ、かわいくてタブレットのカバー裏に入れてます!」「前ジャンルから小説が好きで、最近ハズビン・ホテルも見始めました!」「正方形本可愛いですね!」──ほかにも数えきれないくらい、たくさんの言葉をもらった。こういった言葉を直接いただく都度、今の会話録音して死ぬとき棺桶に入れたい……と本気で思った。イベントの醍醐味はこれだよな、ともかみしめた。わたしはいつも書き上げた作品をインターネットの海にボトルメッセージを投げるみたいに無造作に放って、誰かの元に運よく届いて誰かが拙作を読んでくれて、誰かの『好き』に刺さったらうれしいなあ、とぼんやり思うばかりなのだ。支部の自分のページを極力開かないようにもしているから、自分の作品にブクマ数がどのくらいついているのかも明確には把握していない。書いては祈って投げ、書いては祈って投げ、の繰り返しだ。だからこそ、嗚呼、こんなにもわたしの作品を読んでくれる人が実際にいらっしゃるんだなあと思うと堪らない気持ちになる。界隈の隅っこでぶつぶつ言いながらぽちぽちと小説を書いていてよかった、と本当に思う。これからもすこしずつ小説を書き続けていられたらいいな、と強く思わされる。曖昧だった足元を確かにさせられるというか、この時間を糧にこれからだって書いていける、と前を向けさせてもらえるのだ。

お手紙も差し入れも、こんな自分にいいんだろうか、と思いながら大切に受け取らせていただいた。こんないいものを渡してもらえるような小説を本当に書けているだろうかとか、ぐるぐる考えて泣きそうになっていた。本当の本当に感謝しています。大事に食べます! 大事に読みます! なのに、春コミの反省で差し入れをくださった方へちゃんとお返しを渡そうと決めていたにもかかわらず、忙しさにかまけてただのオレオしか渡せなかったわたしのこの……体たらくといったら……! 次出ることがあったら絶対にちゃんと準備します 本当に

お取り置きの受け渡しも無事済んで、フォロワーと目の前を過ぎゆくレイヤーさんにキャッキャしたり艦これやときメモGS4の話で盛り上がりまくりながらも、前回のように会場で完売することが無いよう多めに刷ったにも関わらず新刊は9割ほど迎えていただけたし、既刊も通販で完売した。2冊とも頑張って作った本で、拘りがあって、大好きな本だから、たくさんの人の手に渡って行って本当に嬉しい。どうかすこしでも楽しんでいただけますように、と手を合わせる。

さて、無事二次創作の方のイベントが終わったところで、次は5月19日の文学フリマだ。入稿用原稿の作成にお品書きの作成、宣伝用ポスト、pixivへのサンプル投稿、諸々の作業が残っている。勿論、通販の梱包も行っていく。がんばる。ともあれイベントが無事に終わって本当に良かった。弊スペースにお越しいただいた皆さま、本当に本当にありがとうございました! 9月のオンリー出るかどうかは考え中です! 出ることになったら告知します!

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自我の置き場(1週間日記・本と映画感想記録)