#0205 少人数で英語で話を聞くのがいちばんおもろい

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デンマークの刑務所でむかし働いていたっていう先生にインタビューできた。たのしかったー。

Skejby Exclusion Prison っていう、デンマークにしかない「刑務所」ではたらいてたらしい。そこは、たとえば50人が住んでいて、半分は犯罪者、半分はそうじゃないひとたち(「ふつうの」人)で構成されてる。その場所から学校に行くことも仕事に行くこともできる、いっしょにご飯作ったり、遊んだり、そういう生活をするところ。再犯率がめっちゃ低い(92%はしない、と言ってた)。だれがそこに住むかは、そこの住人たちが決める。犯罪者も、そうじゃない人たちも、一緒に話し合って決める。そこには、心理士とかソーシャルワーカーとかいろんなプロが一緒に住んでる。へーーすげえ。

そこに住む「ふつう」の人達のモチベは、たとえば心理学とか、インクルーシブとかそういうことを学びたい、とか、あと家賃が安いらしい。おもしろいなあ。デンマークに住んでいく人生だったら、一回は住んでみたいかも。

デンマークの刑務所は、大きく分けて5個あって。

① 初めて刑務所にいくように判決が下された人がいくところ(犯罪の重さにもよるけど、窃盗とかの初犯では刑務所にはいかないらしい。4回目からいく事が多い):許可を得られれば外出可能。外からも人が入れる。基本夜はここで寝る。仕事や学校はNG

②再犯の人とか、もうちょい重い罪を犯したひとがいく:高い壁がある。外出、外から人が入るのは難しい

③家みたいなところ:でもなんか厳しかった。。覚えてないなあ。。

④めっちゃ凶悪犯罪みたいなのを犯した人がいくところ:とても厳しい。出所するには、そこのトップの心理士?みたいな人が「あなたは社会にでる準備ができてるね」って許可を出す必要がある

⑤若い人とか、初犯の人がいくところ:足首にGPSのついたわっかを付けられて、そこから学校とかには行ける。刑務所のちかくだったら外出できるけどあんまり遠くに行くとばれるし警察が追ってくる。3,4か月そこで過ごす。この学校の生徒でも、ここにいたことある人いるよーって。わりといるらしい。

デンマークの犯罪でいちばん多いのは、ドラッグに関するもの。70%(!)しかもドラッグに関連するものは、とても再犯率がたかい。なぜなら、刑務所から出た時に、昔の友達やじぶんの家族はおかえり!って迎え入れてくれない事もあり、そういう時にもどっていくのは、刑務所で出会った仲間とか、ドラッグに関わった時の仲間とか。どうしてもそういう人達の場所に戻ってしまうから、と。

ただ、もし刑務所から出た人がはたらきたい、となったらそこのサポートは政府がしっかりやってるらしい。でも今日の話では、彼は繰り返し、なんていうか、もう一回社会に戻りたい!って人達よりも、どうしても犯罪者たちのコミュニティに戻ってしまう事、ドラッグが関わるととてもそれが多くなることを語っていたなあ。それほど大きなことなんだろうなあ。

あと、デンマークはすごく管理されてる社会で、国民一人一人の番号であらゆるものが繋がってて(この前つくったナンバー。あれがないと生活する上でいろんなことができない。日本のマイナンバーのもっと進んでるやつ)、だから、だれが出所者からとかはしらべたらすぐにわかる。警察とかはみんな知ってる、と。

たとえば銀行強盗(重めの犯罪)して出所した人は、近くの町で銀行強盗の事件が起こると警察から連絡がくるらしい「何か知らないか?」って。その連絡は一生つづくらしい。ひえー。なんか、わりと一回の犯罪が一生涯に影響するんだなあー。あと、たとえばお金を扱う系の仕事に就く時、人事(?)は、その人が銀行強盗系の犯罪をしていないかを調べられるらしい。だから、前科の分野にちかい系のお仕事には就けない。小児愛者はもちろん幼稚園なんかで働けないよ、って(日本では不可能ではないし、それが問題になってるんだよねーってはなした)。

思ったのは、わりと重めの犯罪を犯したことによる、人生の影響めっちゃでかいんだなあって。社会に戻る、という事のハードルがかなり高そうだなあ、っいう印象。はたして。

死刑のはなしもしてて。デンマークには死刑がなくって、日本にはある。英語の話を日本語でここに書くといっつもなんかニュアンスが変わりすぎちゃ感じがしてむずかしいけど、彼は、「あなたは死刑ですって決められる人なんて存在しない」「死刑執行人っていうものは、だれかがするものではない」と。「でも日本にはあるもんね、なにも言わないけどさって」なんか、なんというか、わたし個人的には反対しているけれど、日本という私の母国には存在していて。で、その母国に存在しているということは、民主主義国なら、私の意見の一つでもあるんでしょ、みたいな。うまく言えないけど、わたしはその個人的な反対のためになにか行動したことあるかなーって振り返ってた。はて。

彼がここで働くことのやりがいは?って聞いたら、辞めた理由の話になって。彼曰く、刑務所関連のこと、結局決めるのはぜんぶ政治で。政治家たちは「もっと懲罰をきびしく、部屋に鍵をかけて、長く刑期を与えよ!」っていう意見が多い。だから、結果として彼がもともと働いてためっちゃオープンな刑務所におりる予算が半分になった。だから彼はそこを辞めたらしい。もともとその刑務所を運営するのにはめっちゃお金が(税金が)かかるらしいけど。だからデンマークにも3個しかないんだーって。

「私の考えでは」ってめっちゃ強調して教えてくれたのは、正直デンマークの刑務所まわりの政策は失敗していると思うよ。と。彼は、元職場のオープンな刑務所がとてもいい環境だと信じているからの意見なんだろうなあ。

What is your opinion?って聞いてくれて、えーーって思いながらいろいろしゃべってみた。喋ることが大事だと最近まなんだ。特にわたしが興味ある分野ならなおさら、とにかく知ってること、思ったことをしゃべってみる。期間とかじゃなくって過ごす時間が大事だと思うんだよね、って。なにをして、何を考えてその時間を過ごすのか、って。

おもしろかったなー。はなしがうまい!英語ゆっくりしゃべってくれてうれしい。話しながらなんかメモみたいなのも書いてくれて、めちゃめちゃわかりやすい。いい時間だったなー。犯罪率とか、刑務所の種類とか、日本はどうなんだ?しらなきゃだよ、って言われたから調べてみようと思う。今日はねる。

こういう時間が現状、いちばんと言えるほど好きだなー。興味がある事について、その人の知ってることとか意見を聞く。質問する、聞く。わたしも喋る、みたいな。おもしろい、来てよかったなーって思う。好きなんだなあ、興味がある分野の、知らないことを知ること。あとやっぱり、仕事してた時どんなふうに思ってた?みたいなはなしがおもしろいし、そういう質問からその人の意見がより聞けるきがする。

興味がある!って言ってみるもんだな~。つなげてくれたのは日本人の先生。感謝。これからもがんがん言おう。いろんな人に話聞かせて~って聞きに行きたい。よきよき。おわり。