SNSで、MBTIが流れてくる。たくさん!
中学の同級生も、おしゃれそうなインフルエンサーも、韓国の友達も。投稿している。
もはや「MBTIやってるやつら、うるさすぎる」という批判の方がタイムラインを占領してしまっている。
一周回るぐらい。「こんなに流行るんか」とただただ感心してしまう。
私は、人の心理とか抽象的なことを考えるのが好きそうだと最近分かってきた。だから、MBTIも楽しくやっていた。
でも、こんなに流行る前は、MBTIが楽しい自分ってどうなんだ?と自問自答していた。人にはあんまり言わないどこ。な感じ。こんなに自分のこと教えてもらおうとするのって、健康じゃないんじゃないか。
実際、よくある批判が「16パターンに当てはめる?お前は唯一無二だろ。」「科学的な診断があるかのようなツラするな」「勝手に型を押し付けてくるな」などがある。
楽しい気持ちはありつつ、気分によって変わるような診断だし。診断結果に依存して理由をこじつけてしまうのも良くない。
心のどこかに留めるくらいにしよう。
と思っていた。
そんなときに、piconで占いサービスを作ることになった。AIで、気兼ねない占いができるんじゃないか、というチャレンジ。
占い。全然やらない。そもそもやる人の気が知れない。
よく言われることだけど、デザイナーにとってこういう状況は意外と有利に働くことがあったりする。自分では直感的に分からないからこそ、先入観なく大事なことを掴めたりする。んじゃないかという。
いろいろ見ていって、石井ゆかりという占い師さんの本を読んだ。
すごく納得した。なににかというと、占いがなぜ現代まで人を魅了してきたのかについて。
占いは、人の性格を12パターンなどに分けるものではなく、むしろ単純なステレオタイプに押し込まれそうになる物事を象徴のしくみをつかって解体し、ふくらませ、再構築する道具。 「星占い的思考」より
なんだか泣きそうになった。私は、生まれてからずっと日本人で、小さくて可愛い女の子だ。(?)
占いは、そんな私に、牡羊座とか結婚線が長いだとか、前世はカエルだとか、オーラは水色だとか、色々押し付けてくる。
冷静に考えてそんな根拠はどこにもない。石井ゆかりさんも、科学的根拠はないと仰っていた。でもそんなことはどうでもよくて、
私という存在を、現実とは離れた象徴を使って、拡大解釈してくれる。どうしようもない現実に押し込まれそうになった時に、それを信じると決めて、一歩を踏み出せるとしたら。
自分の人生を歩む、自由意志の勇気をくれる。
そんな風に思ったら、占いって、何千年も絶対的で一回的な人の人生に立ち向かって、なんとかともにあろうとしてきた試みなんだ。って感動した。
MBTIも、もしかしたら、
パターンに当てはめるからこそ、今までにないものとつながれる。新しい解釈を自分のものにできる。
科学的な診断がないからこそ、自分が思うように思えばいい。なりたいMBTIを決めて、それを自分だとしてもいいと思う。
型に無理やり押し付けることで、救えるものもあるんじゃないか。理由が分からないものに名前がつけば、人の法則を見出す回路に一息つかせることができる。
依存しすぎると、大変だけど。それは、何事もそうだと思う。
真面目で正しい人たちからしたら、気味悪いかもしれない。でも、どれだけ論理的に、根拠を持って生きようとしても、結局人はまだ多かれ少なかれ、象徴でできた世界に棲んでいると思う。運命を生きることをやめられない。
今まで見えてなかったヒモを作って、人をつなぐMBTI、すごい。
ここから半年、新しいコミュニケーションサービスをつくることになった。こんな発明、私もしたい。がんばりたい。つくりたい。
( INFPの方は薄々感じてるかと思いますが、INFPです。家族といるとINTPになります。お手合わせよろしくおねがいします )