登山日記:3月末羽黒山

achamoth
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ずっと憧れていた登山を今年から始めるにあたって、まずは地元の低山を登っていくことにした。

だって、運動と無縁のインドアオタク。バンギャだったときはライブで体力もあったが今や見る影もなし。しかし、ちょうど運動になる趣味を持ちたいと思ってたのでちょうど良いとも思った。

晴れた3月の末、羽黒山にやってきた。はじめての低山でここを選んだのは、家から近く、山頂に神社があるため参道でもある登山道は大変に明瞭で道迷いの心配も少なく、おおよそ1時間で登れると言う、わたしでも安全にこなせそうな山行だったからだ。まずは近所の低山をこなし、いつかは日光の神の域に迫ろうという計画であった。

登山道に向かう里山には花が咲き、やっとの春を告げていた。

そして登山道の入り口には堂々の鳥居である。まさに参道。神社目指して古来の修験者のごとく頑張るぞ!

つら。

ネットで下調べもした。登山ブログを書くような、登山好きは軽い運動と言っていたが、とんでもなかった。

春の芽吹きの中、昨日の雨を流す石畳の登山道は陽を受けて輝き、大変美しかった。思いの外登山者は少なくて、ひとり古い石畳の道を歩くのは神秘的な気がした。喧騒から離れ人界から離れ、異界に来たのだと肌で感じていた。

しかし、そんな余裕はすぐに解けた。ともかく傾斜がきつかった。雰囲気とか空気とかそういうんじゃなくて、物理的な急勾配が、人間がいるには適さないことを告げていた。

なにも身体の使い方がわからない。急登の石畳を一歩歩くたび、嫌な重力が脚に伝わった。きっと歩き方さえ気をつければ逃れられる衝撃な気がしたけれど、何もわからなかった。

昨日の雨を流す石畳は輝いていたが、すべる。

まだ3月末で春の暖かさなのに滝のように汗が噴き出る。姉に勧められて買った高価な登山用インナーを身につけていてよかった、と思った。

どれも、本では、ネットでは、知ることのできないものだった。

ほうぼうのていで見晴台まで来ると、青い空と自分の街が遠くまで広がっていた。

あずまやで持ってきたおにぎりを食べる。異様にうまかった。こんなに限界を超えるレベルで身体を動かしたのは久しぶりだった。

そして頂上には神社があって、この鳥居の先また階段を登ったのだけれど、麓から山頂まで歩き切って神様に挨拶するのは妙に心地が良いことだった。

山頂付近のベンチからは日光の山々が眺められた。

さて、登頂したら下るわけだが、その頃にはもうふくらはぎが悲鳴をあげていた。体の使い方も重要だった。登るのは気合いでいけても降りるのはバランスを取らないといけない。階段のように平坦にはなってないのだ。

そこで……まさか……

ホットヨガで培ったバランスや腹筋の使い方が生きるっ……!!

運動って他の分野の動きでも役に立つんだなぁ。やってて良かったホットヨガ。

おかげで無事に降りてこられたが、翌日以降脚はボロボロでふくらはぎの痛みが取れるまで1週間弱かかったのだった。

さて、次はどこの山にいこうかなぁ。