時代と価値観とリスク感性の話

af
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社会的に成功されている経験豊富なおじさんと飲んだ時のこと。

全体的に楽しかったし、お話は面白かったし、学びも多かったし、若造に時間を使ってもらった会だった。

でもその中のほんの10分で、私のその人の位置付けは、リスク感性の低い人、価値観のアップデートができていない人、ということになった。

10分間の問題点は、仕事の成果を出すために大人のお遊び接待をしたという話(オブラートに包んだ)にある。徹底的に相手を喜ばせるという根本思想は理解できる。ただそれを今の時代に成功体験として話してしまうところ。そして全員win-winだ、(女性には)高いお金をあげているし(いいでしょう)と言ってしまうところ。これが問題。

特にここ最近は芸能界でもまさに問題になっているというのに。時事に詳しい方だからこそ間違いなくそのことも知っているはずだというのに。

もちろんその個別ケースにおいては、全員同意の上で、女性側にもニーズもあって行われたことかもしれないが、それは論点ではない。

片方に明らかにリスクがあって(感染症・妊娠はじめ身体的リスクもあるし、酔っぱらいで腕力の差もあって暴力振るわれないとも限らないし、デジタルタトゥー的なリスクもある)、片方にはたいしてリスクがないという時点で上下関係ができているし、短期的にはお金を稼ぎたいというニーズを満たしていたとしても長期的な持続可能性も低い。対等に扱っておらず女性を消費していると言えるだろう。

当時はそれで成果を出してきて、当時はそれがよくあるやり方で、その頃のおじさんたちの活躍が日本のビジネスをささえていたのはそうなのだと思う。

本能や性欲が悪いものだとは思わない。そして善悪は一概には判断できないし、正義は時代や文化によってすぐ変わる。これは歴史や異文化を学べばわかること。

でもね、すぐ変わるからこそ、価値観はアップデートしないといけないんだよ。

当時の行動を責めるまではしないとしても、それを今の時代の成功体験として語るのはおかしいよ。

確実に学ばせてもらえる分野はある、リスペクトしている面もある。

でもこの方はリスク感性が低い。それに価値観のアップデートができていない。

そういう方との付き合いは私のリスクにもなる。私も対等に扱われない可能性があるし、あなたは対等に扱うよと言われても、相手によって扱いを変える人は信用できない。

ただ、飲み会の場で、雰囲気を壊して、それを進言することに私のメリットは何もない。気まずくなるし、関係性も危うくなるし。だからその場ではとりあえず苦笑しておく。それでこっそり離れて終わり。

いいですか、世のおじさん。マジョリティのみなさん。強い立場のみなさん。

マイノリティから、弱い立場の人からご親切に教えてくれることは滅多にないのですよ。何も言わずに静かに心が離れて、信頼を失っているのですよ。

@af
世界には様々な考えや状況の人がいるから、リアルな生活の中ではそのまま言葉にしにくいことがたくさんある。ここは思ったことを誰にも遠慮せずに、他人に魅せようともしないで「自分のために」文字にする空間。 誰かを傷つけるつもりはまったくありません。