
メインビジュアルに使われている山神像↑の、何とも言えない表情に惹かれて鑑賞。
今回の展示で見られるのは都市部の大きな寺社仏閣にある立派な像ではなく、みちのく(秋田、岩手、青森三県)の小さなお堂や家庭で祀られていた仏(神)像たち。それらは地域の大工やお坊さんが造ったものなので、美しい装飾や色彩はありません。
素朴で、どこか懐かしくて、穏やかな表情をしている像が多い。なぜ穏やかな表情をしているのか、その解説が会場の展示パネルや映像解説でなされていて、な、なるほど…と思いました。
東北地方は日本で仏教が広まったのが一番遅い地域なのだそう。そんなこともあり、本展覧会には、仏教が伝わる以前からの自然の神様や、オオカミの御神体、十王、聖徳太子信仰の像もありました。仏様も男女両性になっていたり、東北の地に伝わったあとに信仰が変化している様も面白かった。自然神やオオカミの御神体は、何となく映画『もののけ姫』を思い浮かべました。
余談になりますが、その会場のパネルの説明文、上手に"くだけた"表現を盛り込んでいて、興味をそそられ、面白かったです。若い人が書いているのかな?それとも、監修を務めた大学の先生かな?とにかくグッジョブ!上手に、楽しく人に伝えられる文章を書けるという事は、素晴らしい才能だと思います。ありがとうございました。