思えば小さな頃から透明なものというのはとても好きだった。
周りの男子がめんこやベーゴマなどに興じている頃、俺は透明なおはじきやビー玉集めが好きで、かといって女子がやるように誰かと遊ぶわけでもなく単におはじきやビー玉を集めていた。
ラムネのビー玉がほしくて父にわがままを言い、ビンを割って取ってもらったことがある。飽きっぽい性分でなんでもすぐになくす子供だったが、ラムネのビー玉はわりと長い間なくさずに持っていたはずである。
ラムネのビー玉の、あの水色に緑がかったような何とも言えない色はとてもよかった。何がいいのかはわからないが。小さな気泡の入り方でなんとなくいいやつとなんとなく好きでないものがあった。
何もかもそんな程度のものだと思う自分がいる。