過去の日記(https://tmp.notepin.co/)をこちらのサイトに写している。
以下、本文。
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今日も図書館で勉強。するはずだったのだが、本棚に際どいタイトルの本を見つけて思わず手に取ったら面白くてつい引き込まれてしまった。「性食考」それから「セックスボランティア」という本。妖しいタイトルに心を掴まれた。
前者の「性食考」は、食べること、交わること、殺すこと、この三つの人間の営みについて論じた本で、それぞれが奇妙に絡み合いながら関連している様を古今東西の人間社会の事例などを元に民俗学的に紐解きながら、人間とは何者かという本質的な問いに迫っていく内容だった。硬い本だったので全ては読め通せなかったが、生々しいかなり際どい内容にも踏み込みながら、他ではあまり読んだことのないような内容を考察していて興味深かった。
後者の「セックスボランティア」は、タイトルがあからさますぎて下世話な内容なのかと思いきや、障害者の性という現代社会ではほぼタブー視されているテーマについて真摯な取材に基づいてさまざまな角度から取り上げている社会派の力作だった。ノンフィクションでありながら小説のような筆致で読みやすく、取材対象者との話に、ときに戸惑いながらも引き寄せられていく筆者自身の追体験をしているようだった。また、内容も露骨な性の話題というより、それを切り口に一人一人の当事者たちの心の機微を描き出そうとするもので、彼らの切実な感情が伝わる場面では思わず涙が滲んでしまうこともあった。
テキストや問題集ばかり読む毎日で、文章を読んで心動かされるという経験を久しぶりにした。勉強するということは本来こういうものだと思う。文章には事実を記録するだけでなく、生の人間の感情を揺さぶる力もあるのだといいう当たり前のことを思う。