2022.03.11 親知らずを抜く社会性

ak110
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過去の日記(https://tmp.notepin.co/)をこちらのサイトに写している。

以下、本文。

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歯が痛い。というか正確には歯を抜いた箇所が痛い。奥歯のさらに奥。親知らずのあったところ。

どんな感じの痛みと言ったらいいのか。キーンっていう鋭い痛みではなく、なんというか、ズーンと重みのある痛みと言ったらいいのか。とにかく痛い。耐えられないほどではないのだけれど、ずっと圧迫されているような鈍い痛みがあって不快。寝られない。

日中、病院で下顎の親知らずを抜歯してもらったのだった。切開することなく抜けたから通常よりも軽く済むだろうと言われたが、とはいえ痛むのは痛むらしい。明日が痛みのピークとのこと。

術中と術後すぐは、麻酔がよく効いて、思っていたほどの痛みはなかった。帰宅してから少し痛み出したが、鎮痛剤を飲んだら気にならなくなった。しかし今、また痛くなってきた。効果が切れたのだろう。だが、服用の間隔は八時間以上とのことで、今すぐまた飲むわけにもいかない。このまま朝まで耐えられるだろうか。

0時48分。寝られそうにないので、気晴らしにこうして日記を書いている。さっきまではずっとYouTubeでラーメンズのコントを観ていた。二時間くらい観ていたのではないか。散々見たが、久しぶりに観ると新鮮だった。

そういえばこんな風にひたすらYouTubeを観ていた時期があったよなあと思い出す。大学を辞めて実家に引きこもっていた頃だ。泥のように毎日YouTubeを観ていた。あれから何年経つのだろう。思えば遠くに来たもんだ。実家の布団で寝ていることに変わりはないが、それ以外のすべてが変わった。時間が経つなかで自然と変わっていったことも、自分の力で一つずつ変えていったこともある。

考えてみれば、この親知らずの抜歯だって、誰かにやれと言われたわけじゃない。自分でやろうと決めてやった。

と言っても初めから抜こうと思っていたわけでは全然なくて、最初はただなんとなく、もう何年も行っていないし、そろそろ歯の検査をしてもらった方がいいのかなと思って、歯医者に行っただけだったのだけど。

まずは歯科検診をして、虫歯を一つ直してもらった。それから親知らずの治療に入ったのだけど、だいたいの親知らずがもう虫歯になっていたので、全て抜いた方がいいと勧められた。

最初は上アゴの二つ。これは驚くほどあっさり抜けた。問題は下アゴで、私の親知らずは横から生えていて抜きにくく、抜くには手術が必要とのことで、県立病院にまで行くことになったのだった。

通っていた歯科医院に県立病院宛の紹介状を書いてもらい、それを受け取りに行き、手術日の予約をするために候補日を教えてもらい、勤め先とスケジュールを調整してから改めて予約をし、予定の時間通りに訪問し、そして今日、無事に手術を終えた。

ここまで来るのにも、様々な社会的なやり取りが必要だったというわけ。そして、それらを自然とこなせるだけの社会性を備えて、今ようやくおれは歯を抜くことができたのだった。

こんなことが過去の私にできただろうか。そう思うと、うれしい。